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タイムトラベルの名作SF!『夏への扉』を読みました。

1956年に発表されたタイムトラベルの名作『夏への扉』を読みました。
ネコSFともいわれらたり、バックトゥザフューチャーに影響を与えたともいわれていたりした作品です。

感想と、タイムトラベル作品の魅力を考えてみます。

あらすじ
ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ。そんな時、「冷凍睡眠保険」のネオンサインにひきよせられて…永遠の名作。(BOOKデータベース)

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『夏への扉』は、特に後半は、一気に読みました。
ページをめくる手がとまらなかったです。1956年から、今まで読まれ続けている理由を考えながら読みました。読まれ続ける理由を2つあげてみます。

①SF要素よりも、人間味を感じられる要素が多い
主人公は発明家(エンジニア)です。チームプレーより個人プレーを好み、会社経営より機械をずっといじっている方を好むようなタイプの主人公です。

このような人って、いますよね。現代でも。

また、会社経営を担っている親友と、婚約者に裏切られる展開は、SF独自の理論ではなく、感情が爆発するシーンでした。
罵詈雑言から感情の高ぶりと、敗北のふがいなさがありました。

主人公はとても頭が良いエンジニアですが、割と場当たり的な行動をとりがちです。ネコのピートを大事にする様子も、ある意味、感情がそのままでてくるシーンです。

②ミステリーのような展開を楽しめる
冷凍保存で未来にタイムトラベルした後、大きな謎に出会います。
その後、主人公の行動で少しずつ謎に近づき、最後には、謎が解消します。

ストーリーが進むと、違和感を感じる部分が多々ありました。
この違和感の正体がわかるときの爽快感は一種のミステリーの醍醐味です。
この展開が中だるみさせず、最後まで読ませてくる理由です。

「そうゆうことか!」と思わせるキレは抜群でした。

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『夏への扉』は2021年2月に映画が公開されるようです。
主演は、山﨑賢人さん。監督は三木孝浩さん。

本作では、舞台を日本に再構築。罠にはめられすべてを失った科学者が、1995年から2025年へ時を超え大切な人を救う物語を描く。

たのしみですね!

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タイムトラベルの要素を含んだ映画は今までに、たくさん存在します。
私のおすすめどころでは、以下の作品です。
・バックトゥザフューチャー
・ハリーポッターとアズカバンの囚人
・アバウトタイム
・バタフライエフェクト
・恋はデジャヴ
・プリデスティネーション
・時をかける少女

他にもたくさんのタイムトラベル映画があります。良作が多いです。
では、タイムトラベル作品の魅力はどのようなところにあるのでしょうか。

考えました。

①物語の展開がわかりやすい
タイムトラベル作品は序盤と終盤で、主人公やその環境に変化が必ずあります。だいたい、現代で何らかの問題が発生して、過去に戻り、主人公がアクションします。結果、問題が解決して、現代(過去から見たら未来)が良い方向に変わっていて、ハッピーエンドとなります。

ポイントなのは、過去に戻った時点でほとんど、結末を予想できます。
それくらい、物語の大きな構造が単純化され、理解しやすいという性質があると思います。

②主人公の試行錯誤がおもしろい
上述したように、タイムトラベル作品は結末は読めるものです。が、最大の魅力はその過程にあります。

何度も過去に戻れるという設定であれば、失敗を許容でき、主人公が何度も解決にチャレンジできます。主人公への思い入れを強める要素になりますし、少しずつ問題が改善できる、その人間ドラマに惹かれるのです。

『時をかける少女』では、何度も過去に戻って、失敗した経験を元に次々にチャレンジしますよね。

このように、①展開がわかりやすい点、②主人公への共感と成長の様子を楽しめる点が、タイムトラベル作品に備わっているので、魅力にあふれているのだと思います。



こうして、タイムトラベル作品作品を俯瞰してみると、タイムトラベルするロジックが少しずつ違うのも面白いですよね。

「バックトゥザフューチャー」では、車がタイムトラベル装置ですが、
「アバウトタイム」では、暗い場所で戻りたい記憶を念じると、時間移動できます。
一方で、「恋はデジャヴ」では、タイムトラベルを主人公がコントロールできません。一日が終われば、起点の日に戻るようになっています。

タイムトラベルを実現する設定が微妙に違っています!

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「夏への扉」のような古典的作品には、読まれるだけの大きな魅力があることがわかりました。聞いたことはあるけど、未読の作品も多いので、食べず嫌いせず、ぱっと読んでみることもありだなぁと思えた読書体験でした。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

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