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ギリシャののどかな島で過ごすひととき

キオス島。

それまで僕は全然その名前を知りませんでした。

調べなくてもいいのかもしれない。

ふとそんなことを思いました。

エーゲ海に浮かぶギリシャの島・キオス島での1泊2日、僕は結果的に何もしませんでした。

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長い旅をしていると、徐々に疲労が溜まってきます。旅という非日常の時間は、普段の生活以上に体力を使っています。

しかし、刺激的な時間は幸福度も高いし、アドレナリンが出ているから、疲れを感じにくいものです。

そんな生活を何週間を続けていくと、徐々に目に見える形で疲れを感じ始めてきます。

僕の旅は、バス移動が多く、バス泊やベンチ泊もあり、睡眠すらちゃんと取れていないこともありました。

先日、アテネに着いた際、体調不良になってしまいました。幸いすぐに治ったものの、その時に感じ始めた疲れはなかなか抜けずに今に至ります。

僕が現在いるのはギリシャのキオス島。エーゲ海に浮かぶ、トルコとの国境に近い島です。

その歴史は長く、国境に近い位置にあることから、昔からギリシャとトルコ(オスマン帝国)の戦地になったこともあります。

かのドラクロワの作品の舞台にもなったこともあるくらい、有名な島です。

僕は島に来てからそのことを知ったくらいの無知でやってきてしまいました。しかもフェリー泊明けというバッドコンディションで。

わずか2日間しかない滞在でしたが、僕は観光を諦めてゆっくりすることにしました。

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カフェでだらだら時間を過ごすのもまた楽しいひとときです。

この島のカフェはコーヒーの値段は少し張るものの、どこも雰囲気は良いものです。パソコンを開いて調べごとをしたり、Kindleで本を読んだり、自由に時間を過ごします。

気づいたら2時間も3時間も経っており驚くことはあるものの、充実感を強く感じています。

窓の外を見ると、青い海、青い空。

ネットで調べるとキオス島にはいろいろと観光名所が見つかったものの、もうこの時間を楽しめればそれでいいや。この状態に満足している自分がいました。

カフェを出て、近くの古びたレストランに入ります。店主の太ったおばちゃんにおすすめを聞いて、ビーフシチューを注文します。

美味い!

出てきた料理はとても絶品でした。お肉がほろほろ。しっかり味のついた熟成された料理にとても満足します。パンも一緒に食べてお腹いっぱいになりました。

ああ、なんて良い時間なんだ。

太陽が燦々と輝く中、風の音、鳥の鳴き声、遠くに聞こえる壊れかかった車のエンジン音を聞きながら、旧市街を散策します。

旧市街は城壁で囲まれており、この島の痛々しい歴史をひしひしと感じました。

しかし、それもものの20分程度で終わってしまいます。あっという間だったけれど、それもまた充実感があります。

バスやタクシーに乗ればこの島の観光地や別の村に向かうことができます。

しかし、僕はもうそこは諦めて、こののんびりした空気を楽しみました。

正直、キオスの市街地にはこれといって見所はなかったし、食事やコーヒーはどれもアテネの倍くらいする物価の高さがあります。

けれど、どこかこの島ののんびりした空気にすっかり浸かってしまっている自分がいました。

それまでの慌ただしい旅とは大きく異なるものの、これもこれで良いな、と満足感がありました。

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今朝、起きてもまだ疲れは取れていませんでした。一日寝れば治るようなものでもなかったのです。

今日も朝からゆっくり過ごしていました。

コーヒーを飲んで、大きく息を吸う。山と海と太陽。自然豊かなこの島でこの一瞬という時を感じるように息を吐きました。

これからどう生きていこうか。

帰国後のことなど、考えなければいけないことはたくさんあるけれど、今はこの一瞬を楽しもうと思いました。

今日の夜にエーゲ海の対岸、トルコに入ります。いよいよ旅も終わりが迫ってきました。

充実感のある毎日を過ごして、いろんな感情が生まれては消えていきました。

この思い出は一生消えることはないし、ここからまた次へと飛躍していきたいと思います。

まだまだ旅は続きます。




旅の様子はこちらにまとめています。

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それでは、また明日お会いしましょう!

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