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「プラットフォーム」の歴史

これまでの長い間、人間の仕事を体系化する方法として、組織と市場という二つのものがあった。(中略)
最近になって、仕事を体系化する第三の方法が現れた――プラットフォームだ。
※本中より引用


『〈インターネット〉の次に来るもの』を読んだ感想、第20回です!

第1回はコチラ↓


きょうのnoteのテーマは『プラットフォーム』です。

いま22歳のぼくにとっては、スマホを使うようになったときには世に既にプラットフォームが溢れていたので、特に思うことはなかったんですが、インターネットがぼくたちのビジネスに与えた影響という観点で見ると、プラットフォームは『人間の仕事を体系化する第三の方法』なんですね。

これまでの長い間、人間の仕事を体系化する方法として、組織と市場という二つのものがあった。
組織は会社のような形を取り、はっきりと内と外の境界が決まっていて、許認可によって働き、外部では不可能なほど効率良くコラボレーションを実現する。
市場はもう少し境界が曖昧で、参入に許可は必要なく、資源の再分配を最大化するために「見えざる神の手」を使うのだ。
最近になって、仕事を体系化する第三の方法が現れた――プラットフォームだ。
※本中より引用

(組織における『許認可によって働く』という言葉の意味が、最初に読んだときはあんまりピンと来てなかったんですが、めっちゃ雑に言うと『採用面接』のことなんですかね)


筆者は本中でプラットフォームを『三形態』に分けて解説しています。

まず第一形態として、筆者は『マイクロソフトのOS』を挙げています。

それは『一つの組織によって作られた基盤であり、その基盤上で他の組織にプロダクトやサービスを作らせる』のです。


そして第一形態の特徴は、そのままプラットフォームの本質につながります。

高いレベルで相互依存するプロダクトやサービスは、そのプラットフォーム上でエコシステムを形成した。
「エコシステム」とはなかなか良い言葉で、森の中の生物のように、ある種(プロダクト)が栄えるかどうかは他の種の成功にかかっているのだ。
※本中より引用


ちなみに、引用中の『ある種(プロダクト)が栄えるかどうかは他の種の成功にかかっているのだ』は、『ネットワーク効果』とも近いのかなと思いました。

ネットワーク効果とは、特にSNSでは顕著に働きますが、一言で言うと、『そのプラットフォーム内のユーザーが増えれば増えるほど、それぞれのユーザーへの便益が高まる』ことを指します。

インターネットの世界は『勝者総取りだ!』とよく言われますが、たとえばこのnoteもどんどんユーザーが増えてますが、それはなぜかというと、noteのユーザーが増えているからです。

鶏と卵みたいな話ですが、プラットフォームにはそういった相互に依存する性質があるということですね。


次に、

その後に出てきた第二世代のプラットフォームはより市場らしい要素を備え、ちょっと市場と組織が融合したようなものだった。
※本中より引用

筆者は第二形態の例としては、『アイフォン用のアイチューンズ』を挙げています。

俗に言う『プラットフォーム on プラットフォーム』ですね。

アイチューンズはもちろんプラットフォームなんですが、それはアプリのプラットフォームです。

そして、アプリとは、プラットフォームです。

こういったプラットフォーム(=アイチューンズ)を指して、『プラットフォーム on プラットフォーム』と呼びます。

アイチューンズ内でのランキングなどがあるので、筆者は『市場らしい要素を備え』と言ったのでしょうね。

第一形態のマイクロソフトのOS上で作られたソフト同士には、ランキングなどの『市場機能』は働いてなかった、、はず。

もしあったら勉強し直します。


そして、

第三世代のプラットフォームはさらに市場の機能を拡張したものだ。(中略)
プラットフォームのエコシステムは多方向の市場となっていった。
※本中より引用

多方向とは、『売り手』と『買い手』がスイッチすることが当たり前になったということです。

アイチューンズ上では、けっこう明確な『アプリの作り手』と『ダウンロードする側』の境界があります。

しかし、第三形態では、頻繁にスイッチします。

筆者は本中でFacebookを挙げていますが、SNSは自分が投稿することもあれば、ひとの投稿を見ることもありますよね。

他の例で言えば、メルカリも第三形態のプラットフォームです。

買うこともあるし、売ることもあるし。

CtoCのサービスと、第三形態のプラットフォームは、ほぼ同義かもしれないですね。

そして、プラットフォームという第三の手法が強いのは、その秀逸な設計です。

プラットフォームの仕事は、参加者が協力しようが競争しようが、必ず儲かる(そして価値を高める!)仕組みづくりだ。
※本中より引用

『本当に1位になりたければ、ルールをハックすることに注力するのではなく、自分でルールを作ってしまえ!』なんて話もありますが、まさにルールそのものであるプラットフォームにとっては、そのなかで誰が勝とうか負けようが、関係ないんですよね。

勝ったひと(誰でもいい)から手数料をもらえばいいわけだし、勝とうとして切磋琢磨することは、そのままそのままプラットフォームの魅力の底上げにつながります。

結局、そう転がってもプラットフォーム側にとってはおいしいことしかありません。

だからこそ、逆にそういった仕組みになるような設計こそが、プラットフォームの唯一にして最大の仕事なのかもしれません。


ただ、プラットフォームもいいことばかりではなくて、いまTwitterやFacebookでよく言われていることですが、プラットフォームの運営者が王様になりすぎてしまう側面があります。

具体的には、本中にて『変更する権利は、現在の人気のデジタル・プラットフォームの多くで唯一欠けているものだ』と述べられています。

TwitterのアカウントBANなどは、その典型ですね。

そういった中央集権的な運営に危険を感じたひとたちによって、分散型のSNSが開発されたり、ブロックチェーンが注目されたりもしているわけですが。

改良したり、パーソナライズしたり、シェアされたものを所有できるようにしたりする権利は、次のプラットフォームで考えなければいけない重要な点になるだろう。
※本中より引用


ということで、きょうはプラットフォームについて少し掘り下げました。

いまなにかと叩かれることの多い巨大なプラットフォームたちですが、もちろんそれを補って余りあるくらいの、社会前進への貢献度があるのだなと、改めて思いました。

まだまだ改良の余地もあるわけですが!



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