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いま、この世で最も「希少な資源」とは

あなたが眠ることを放棄したとしても、注意を払える時間は1日24時間で、いくらお金を積んだりテクノロジーを駆使したりしてもそれ以上にはならない。
つまり注意を払える最大量は決まっている。
※本中より引用


『〈インターネット〉の次に来るもの』を読んだ感想、第28回です!

第1回はこちら↓


『時は金なり』っていう言葉がありますが、あれはウソです。

前者のほうが圧倒的に大事です。

お金は増やすことができますが、時間は減る一方だから。


そして、そのぼくたちの貴重な時間は1日24時間と決まっていて、例えば寝ている時間はそれ以外の活動は基本的になにもできません。

となると、可処分時間、もっと言うとぼくたちが1日に集中してなんらかに取り組んだり接したりすることができる時間は、もっと限られています。

『ぼくたちが1日に払える注意の最大量』は、どれだけテクノロジーが発達して時代が進んでもなかなか増えないので、相対的にその価値が高まっているのです。


ちなみに、1週間前くらいに「本」の持つ力というnoteを書いたんですが、本はTVやラジオと比べて受け手を『能動的(≒大きな注意量)』にする力があるという点で、これからもまだまだ需要があるのではないかと思います。


それで、供給が少ないものは需要と供給の関係で、必然的に価値が高まります。

つまり、お金が払われるようになるのです。

もともと限界がある一方で、他のものはすべて潤沢になっていくのだ。
だからアテンションは最後の希少性であり、注意が向けられるところにお金が流れていく。
※本中より引用


『アテンションにお金が払われる』というと、なんだか抽象的でイメージが湧きづらいですが、実際にそういった現象はいまでも起こっています。

例えばインフルエンサーマーケティングだって、広義での『アテンションにお金が払われる』事象と言えます。

これだけ情報が溢れているなかでは、単に『良いものを作っている』だけではなかなか消費者に届かないし、かといって広告垂れ流しでは、消費者に嫌われてしまう危険性もあります。

いかに消費者の抵抗なく、自然に彼ら彼女からのからの注意を獲得しようかと考えたとき、日頃からそういったユーザーの注意を獲得している、いわゆるインフルエンサーにお金を払って、フォロワーのアテンションをおすそ分けしてもらっているのです。


あと、そういった1対Nのアテンションだけでなく、もっと身近な1対1でのアテンション獲得にも、お金が支払われるという流れはできつつあります。

例えばこのnoteでも、書き手のひとにメッセージを送ろうと思ったら、基本的にサポートをする必要がありますよね。

構造的にはサポートするついでにメッセージを送るみたいな設計になってますが、コメント欄では埋もれてしまうかもしれない、でも絶対に伝えたいメッセージがあるときに、サポートを活用するという使い方もできます。


あと、ライブ動画配信サービスは、もっと顕著ですよね。

YouTubeの生放送でもSHOWROOMでも、たくさんお金を使ったひとのほうが、視聴者のなかで目立って配信者ともコミュニケーションを取りやすくなります。


あと、ここまで挙げた例は、わりと新しいプラットフォーム上での話でしたが、本中では『受け手がメールを読んだらその送り手に課金できるシステム』が出てきています。

噛み砕いて言うと、営業メールを読んでもらうためには、お金が必要になってくるかもしれないということです。

パッとは想像しづらいですが、逆にそれによって『覚悟感』を伝えられるなら、送り手にも受け手にも、幸せなシステムかもしれないですね。


ということで、これから『人間の注意』はますます価値が高まってきて、それを獲得するために、ぼくたちはお金を払うことも辞さなくなってきているよという話でした!



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