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「オマージュ」を「自己満足」から守るために

『「マジで終わってるよ」から始まった、24才最年少チームリーダーの再燃焼』というインタビュー記事を書きました。

自分へのメモ代わりに、どんなことを考えながらこの記事を書いたのか、残しておこうと思います。


この記事の振り返りは「タイトル」に焦点を当てて書きます。

今回の記事のタイトルは『「マジで終わってるよ」から始まった、24才最年少チームリーダーの再燃焼』です。

このタイトル、実は約2年前のとある記事の、ちょっとしたオマージュになっています。

それが『33歳、肩書ナシ。「お前マジで終わってんな」から始まった、元慶応ボーイの覚悟』という記事。

今回書いた記事の話し手は、高柳くんという新卒3年目の人で、大まかなストーリーは「新卒2年目ですぐにマネジメント側も経験してつまづいていたけど、先輩たちからの激励を受けて、奮起する」というものです。
そして、高柳くんを激励した先輩の一人が、オマージュ元の記事で話し手となっている西田さん。

実は西田さんも、学生時代に同級生から「マジで終わってんな」と激励を受けて、目が覚めたという経験があります。
学生時代に友人から激励を受けてベンチャーに飛び込んだ西田さんが、今度は上司として、そのベンチャーで一緒に働く部下を激励するというのは、ストーリーがあっていいなと思いました。

そういった裏ストーリーのつなぎ目として、両方の記事のタイトルに『「マジで終わってるな」から始まった』という言葉を入れています。

西田さんの記事を以前に読んだことがある人の中には、今回の高柳くんの記事を見た瞬間に「あ、なんか見覚えあるな」と思って、西田さんの記事を思い出してくれる人がいるかもしれません。
そうすれば「高柳くんの成長ストーリー」とは別の、サイドストーリーも楽しんでもらうことができます。

ただ、オマージュをする時には、ただ単に同じ言葉を使ったというわけではありません。

今回オマージュをする際に気をつけたのは「ほとんどの人はオマージュに気がつかない」という前提に立つこと。
言い換えると「そのコンテンツ単独で、そのコンテンツの目的を果たすことに、99%の比重を置くこと」に気をつけました。

「オマージュ」に限らず、コンテンツの多くの受け手の方々は、基本的に作り手の小さなこだわりに気が付きません。
というか「気がつかないように、自然と楽しんでもらう。理解してもらう」ことが、プロの役目であるとも言えます。

そのため「オマージュに全く気づかれない」という前提で高柳くんの記事のタイトルを考えるとき、オマージュへのこだわりが強すぎるがあまり「お前マジで終わってんな」をそのまま抜き出してきてしまうと、上司が部下にかける言葉としては、口調として強くなりすぎてしまいます。

西田さんの記事の場合は、西田さんが学生時代に、同じ年の友達から言われたというシチュエーションなので、むしろ強い言葉をそのまま記事でも使った方が「無駄な気を使わない、深い信頼関係」を伝えることができるので、それくらい強い言葉の方が適切だと判断しました。

(タイトル忘れちゃうと思うので、もう1回出しておきます)


一方で、高柳くんの記事の場合、上司から部下に対して「お前マジで終わってんな」って言葉をタイトルに使うと、受け取り方によってはパワハラ感が出てしまいます。

記事の中身を読んでいただけると「西田さんと高柳くんの信頼関係」について言及しているので「マジで終わってるよ」の言葉も含めて、2人の信頼関係があるからこその強い言葉だし、受け手である高柳くんも、その言葉を納得して受け入れていることを伝えられます。

ただ、タイトルだけで「お前、マジで終わってんな」をそのまま引き継いでしまうと、誤解を招く可能性があったので、高柳くんの記事の際には「お前」を除いて、且つ語尾は「終わってんな」ではなくて「終わってるよ」と、少しだけ柔らかい表現に微調整しました。

(再掲↓)

そして、前半に書いた「そのコンテンツ単独で、そのコンテンツの目的を果たすことに、99%の比重を置くこと」を言い換えると、それは「オマージュがどうこうということとは関係なく、純粋にひとつの記事として、今回のタイトルが適切であること」です。

その大前提があって初めて、西田さんの記事との「オマージュ」も「サイドストーリー」も活きてきます。

これがもし、高柳くんの記事のタイトルが西田さんの記事タイトルありきだった場合、それはただの「自己満足」になってしまいます。

「全く気づかれない」という前提に立ち、まずはひとつのコンテンツとしてのベストを目指し、そのうえで、プラスアルファの要素として「オマージュ」を付け足していく。
そうすると、その「自己満足」の予備軍は、ちょっとした「遊び心」というう言い訳に変身することができるのです。

こういったコンテンツを、ぼくの感覚的な表現で「ミルフィーユのようなコンテンツ」と呼んでいます。
一口さらっと食べてももちろん美味しいし、ガブっと食べれば食べるだけ、次々に新しい層に巡り合えるという楽しみ。
ぼくが目指している、コンテンツの形のひとつです。


ということで、今回は高柳くんの記事の備忘録に関して「タイトル」にフォーカスして書きました。

他の記事でもメモを残しているので、ご興味ある方はぜひご覧ください↓


そして最後に、ぼくは現在、フリーライターとして活動しています。
お仕事のご相談は、随時受付中です!

インタビュー記事を書くことが得意です。
採用を目的とした経営者や社員インタビュー、事業目的での事例インタビューなど幅広く対応できます。

ご興味ある方は、TwitterのDMか、もしくは下記のメールアドレスまでぜひご連絡ください!
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