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「資金調達の裏側」の裏側

先日、資金調達の裏側に関する記事を書きました。

>「悪魔に魂を売るもんだ」から始まった資金調達の裏側とこれから

せっかくなので、記憶がまだ残っているうちに、この記事を書くにあたって自分が気をつけたことについて書いていこうと思います。

思いついた順に書いていくので、構成は汚いです。

①参考にした記事

まずは、今回この資金調達の裏側に関するインタビュー記事を書くにあたって、色んな資金調達の裏側系の記事を読んだのですが、特にSHEの代表を務めるえりらざぴさんのnoteがめちゃくちゃ良いなと思ったので、すごく参考にしました。

具体的に言うと、まずは「タイトル」。

えりらざぴさんのnoteのタイトルが『資金調達の裏側とSHEのこれから』で、ぼくの書いた記事のタイトルが『「悪魔に魂を売るもんだ」から始まった資金調達の裏側とこれから』。

「資金調達の裏側」と「これから」とのキーワードは、そのままぼくの記事でも使いました。

まず「資金調達」という言葉は、記事のテーマ上、絶対に外せない。

そして採用観点でwevnalに興味を持ってくれている人にも読んでもらいたいたいので、未来を示す「これから」という言葉もマストでした。

ただ、この「これから」の方は、別に意味としては似たような言葉が他にも星の数ほどあります。

それこそ「未来」とか「展望」とか「構想」とか。

そのなかでぼくが今回「これから」を使ったのは、「ひらがなだったこと」と、あと「裏側」と音を踏めて語感が良いなと思ったからです。

「ひらがな」に関して、今回の記事のタイトルとアイキャッチでぼくが一番意識したことは「いかにシンプルなものにするか」でした。

この「シンプルさ」については、後ほど詳述します。

いかに乱雑に情報を与えずに、シンプルに「この記事を読みたい!」と思ってもらえるかどうか。

そういう意味で、「ひらがな」という「漢字」よりも視認性の高い表記を使いたいかったのです。

特に、「これから」までのタイトルが割と漢字の比率が高かったので、ここでたとえば「展望」にしてしまうと、

「悪魔に魂を売るもんだ」から始まった資金調達の裏側と展望

ってビジュアルになって、ちょっと「ウッ」と身構えてしまう人も一定いると思うんですよね。

「展望」よりも「これから」の方が簡単な言葉なので、理解もしやすいです。

そういう意味で、未来的なニュアンスを伝えつつ、パッと見た時の読者へ与えられる柔らかい印象の観点で、「これから」を採用しました。

あともう1個の理由の「音が良い」っていうのは、「裏側」は「uragawa」で「これから」は「korekara」で、後半の2文字の子音が同じで、音読した時のリズムが良いって話です。

まあ、こっちの音の話はちょっとしたおまけみたいなものですね。

逆に、えりらざぴさんのnoteと変えた箇所に関して言うと、ぼくは冒頭に「悪魔に魂を売るもんだ」って言葉を入れてるのと、あと会社名を入れてないところですね。

SHE:資金調達の裏側とSHEのこれから
me:「悪魔に魂を売るもんだ」から始まった資金調達の裏側とこれから

この違いは「記事を公開した媒体」と、「ぼくたちの会社とSHEさんの会社の知名度の違い」に起因しています。

最初の「公開した媒体」の違いで言うと、ぼくたちはWantedlyで、えりらざぴさんはnoteです。

noteは、基本的に「法人」ではなくて「個人」にフォーカスしていて、「誰が書いた」に重きを置きます。

たとえばそれを象徴するひとつのUIとして、記事のファーストビューで「誰の書いた記事だよ」が、noteは分かりやすいです。

スクリーンショット 2021-10-09 22.10.37

「SHEの代表のえりらざぴさんが書いたよ」ってことが分かりやすいし、「個人としての想いを赤裸々に書くよ」ってイメージがnoteの媒体特性上強いので、ぼくの記事の「悪魔に魂を売るもんだ」みたいな宣伝文句を挟むよりも、単刀直入に「資金調達の裏側です」って言ったほうが、メッセージが強烈になります。

一方でWantedlyも似たUIではあるのですが、「書き手」というよりも「登場人物」の位置づけで顔が出ていて、そこまで個人にフォーカスしたUIではありません。

スクリーンショット 2021-10-09 22.10.03

あとこれはこの後の「会社名を入れるか入れないか問題」にもつながるのですが、ぼくたちはSHEさんほど会社自体も代表の方の知名度もないので、「初めましてwevnalです」のところから始まる読者の方が、必然的に多くなるんですよね。

そういう方たちに対しては、単なる資金調達ではなくてちゃんと「最初はこれくらい資金調達に対して嫌悪感を抱いていたんだよ」って「落差」を伝える「悪魔に魂を売るもんだ」という言葉から入って、「なんか面白そうだな、この記事」と思ってもらう必要があります。

「wevnalの記事だから読もう」とか「磯山さん(※弊社の代表の名前です)の記事だから読もう」とかって人が相対的にそこまで多くないから、ちゃんとタイトルの頭に興味を持ってもらう言葉を入れることが大事です。

言い換えると、SHEとかえりらざぴさんとかの場合は業界の知名度があるので、変にごちゃごちゃ言うよりも、「資金調達の裏側を書きます!」って言ったほうが「お、あのSHEの資金調達の話を知りたいな」とか「えりらざぴさんの話を読みたいな」とかってなるってなります。

それと同じ理由で、えりらざぴさんはタイトルに「SHE」って入れたほうが良いですが、逆に弊社は「wevnal」って入れないほうが良いです。

知らない言葉がタイトルに入っていることほど、読者にとってストレスになるものはないので。

そういったような理由で、えりらざぴさんのnoteのタイトルをめちゃくちゃ参考にしつつ、ぼくたちの会社や公開形態に合わせて少しアレンジしました。


タイトル以外に参考にした部分で言うと、「導入文の文字数」と、その「温度感」です。

えりらざぴさんのnoteが見出しに入るまでの文字数が312文字だったので、「ぼくの記事も300文字を目安にしよう」って決めました。

えりらざぴさんのnoteを読みながら、導入文が長すぎず短すぎず、程よく本題に入れつつも、その本題に入るまでの興味をそそる度合いが最高だったので、ぼくも300字を目安にしようと思いました。

普段ぼくは割と導入文は長めに書く方で、記事によっては500文字を超えることもあるのですが、今回は「資金調達」というテーマのパワーが強い以上、なるべく無駄な前置きは置いて、早めに本題に入ったほうが良いんですよね。

あとこれまた「シンプルさ」の話なのですが(ここでもまだ詳述はしません)、記事の本文が長くなることは分かっていたので、ここの導入文はいかに「簡潔に」本文への興味度を上げられるかに重点を置きました。

結果的に、296文字で着地させられたので、良かったかなと思います。


他に参考にした部分の「温度感」に関しては、えりらざぴさんは導入の300文字のテンションが、結構低めなんですね。

でもこれが「真面目に正直に話しますよ。大変なことがいっぱいありましたよ」ってこれからの本文の内容を予兆させるような感じがして、すごく本文への興味度が高まりました。

だからぼくが今回の記事を書くときも、普段の他の記事よりは低めのテンションで始めました。

とは言え、弊社の代表のキャラクター上、あんまり湿っぽい感じになりすぎるのは実際のキャラクターとのギャップが生じるのと、代表もあんまりそういうのが好きじゃなくて、「大変なこともいっぱいあるけど、楽しく明るくやっていこうよ!」ってスタンスです。

そのため、普段よりも低めのテンションで入りつつ、導入の最終文は

ということで今回は、wevnalに出資してくださった2社それぞれの担当キャピタリストの方々に、「出資の決め手」や逆に「懸念していたこと」などをインタビューして、資金調達の裏側を明かしていきたいと思います!

って感じで、「!」も入れて少しだけ明るい雰囲気で本文に入るようにしています。

このあたりは、弊社仕様のちょっとしたカスタマイズですね。

そして、参考にした部分の最後は「写真」。

これもめちゃくちゃ参考にしました。

まず、えりらざぴさんのnoteのアイキャッチ。

スクリーンショット 2021-10-09 22.40.56

そして、弊社の記事のアイキャッチ。

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ポイントとしては、「シンプル」と「主要登場人物と一緒に映っていて、しかも素敵な表情をしている」ってところですね。

「シンプル」に関しては、今日ここまで何回か書いている内容と通ずるところがあるのですが、今回の記事に関してはタイトルも導入文も、とにかくシンプルであることを心がけました。

こちらも繰り返しになりますが、テーマ自体が強いので、いかにスムーズに本文に入ってもらうかが大事だからです。

一瞬話が脱線しますが、実は今回の資金調達に関するインタビュー記事は、同じタイミングで変えた「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」の内容に関するインタビュー記事と連続性のあるものとして出して、「今後会社はこんなふうに変わっていくよ」というメッセージを出すことが目的のひとつでした。

下記が、今回の資金調達に関する記事を出す前に出した、弊社の取締役4名に新しくなったMVVに関してインタビューをした記事です。

そして、それらの4記事のアイキャッチを社内のデザイナーさんに作ってもらっていたんです。

当初は、この4名へのインタビュー記事からの連続性を持った記事として、今回の資金調達のインタビュー記事を出す予定だったのですが、記事の構成やアイキャッチを考えるなかで、「今回の資金調達の記事は、あえて手を加えすぎないほうが良いのではないか?」と思いました。

だから、直前でそのデザイナーさんに謝って、今回はデザインせずに写真そのままのアイキャッチでいくことにしたのです。

下記は、当時ぼくが「今回の記事のアイキャッチは写真そのままでいった方がいいな!」と思って、デザイナーさんに事情を話している場面。

ぼく以外の登場人物名を全部モザイクにしているので、ちょっと見にくくてすみません。

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一応伝えておくと、最終的に選んだアイキャッチの写真も、撮ったそのままではなく若干色調補正をしているのですが、それはこちらのデザイナーさんが「写真を送ってくれれば補正やるよ!」と調整してくださりました。

今回の記事に関しては、そのデザイナーさんの方の仕事をぼくがある意味で奪うような形になってしまったのに、本当にこちらのデザイナーさんの懐の大きさに感謝しています。

そして、最後にここまで何回も繰り返してきた「シンプルさ」について書きます。

この「シンプル」に関しては、今回の記事に限らず、コンテンツ業界全体の傾向として、「アイキャッチをシンプルにする流れ」っていうのは、一定あるのかなと思っています。

たとえば、一番分かりやすいのが、YouTuberのヒカルさんです。

登録者が450万人以上いて、日本でトップクラスの多さだし、時代の空気を読んで意図的にそれに合わせていく能力がとても高い方だと思うので(上から目線ですみません)、そういう意味で適性のある例だと思います。

まず、2年前のヒカルさんの動画のアイキャッチの一覧です。

スクリーンショット 2021-10-10 15.04.10

そして次に、最新の動画一覧。

スクリーンショット 2021-10-10 15.02.36

めちゃくちゃ違いますよね。

これは別に最近はアイキャッチに文字を入れるのをサボっているわけではなくて、そういう時代の流れなのだとぼくは解釈しています。

と言うのも、もう多くの人が言っていることではありますが、これだけ世の中に情報が溢れ返ると、受け手はもう何を選べば良いのか分からなくなるんですよね。

そしれそれは結果的に、受け手の「失敗したくない」という気持ちにつながります。

言い換えると、いかに「このコンテンツを読みたいな、観たいな」のクリックまで、小さな情報量と短い時間でいけるかが大事です。

だから、ここはまだ仮説の段階ですが、感覚としてはアイキャッチやタイトルで情報がモリモリ過ぎるのは、逆に言うと「モリモリさせないと受け手の知りたいの閾値にまで辿り着けない」ってことで、受け手がその一通りの情報量を受け取り切る前に、タイムラインをスクロールし終えてしまいます。

今回の記事に限らず、世の中のコンテンツ全体の傾向として、「いかに小さな情報量と短い時間で、受け手が情報を理解して、かつ興味度の閾値を越えられるか」というのは、重要になってくるのかなと思っています。

そして今回のアイキャッチのポイントの2つ目の、「主要登場人物と一緒に映っていて、しかも素敵な表情をしている」に関しては、もうだいたいさっきのSlackのスクショに書いてしまっているのですが。。。

「資金調達の裏側」や「これから」っていう「結構重めなテーマ」と、「笑顔」とのギャップがストーリーを感じさせてくれて良いなと思ったのと、飾りすぎていない感じがそのまま「裏側やこれからについて赤裸々に語りますよ」ってメタメッセージになるなと思ったので、あえて手を加えないアイキャッチにしました。

もう少し細々したものであれば、挙げていけばもう少し出そうな気もするのですが、ひとまずこれくらいにしておきます。

このえりらざぴさんのnoteを参考にした部分は1,000字くらいで終わらせる予定だったのですが、書き始めたら止まらなくなって、もう既に5,000字を越えてしまった。。。

では次の見出しからは、えりらざぴさんのnoteで参考にした部分以外で、今回の記事で工夫した点について書いていきます。


②いかに登場人物を減らすか

今回、弊社は2社のVCさんから資金調達をしました。

今回の記事の登場人物に関して言うと、その両方のVCに記事に出ていただき、1社目のVCであるニッセイキャピタルさんの担当VCが1名、2社目のアーキタイプさんの担当VCが2名で、弊社の登場人物が代表の磯山の1名で、合計4名になるんですね。

あともっと言うと、ぼくもインタビューに同席していたので、それも足すと5名です。

ただ、今回の記事に関して言うと、2段構成で前半は「ニッセイさんへのインタビューパート」と、後半は「アーキタイプさんへのインタビューパート」になっていたので、より厳密に言うと前半は「3名(ニッセイのVC、弊社の代表、ぼく)」と後半は「4名(アーキタイプのVC、弊社の代表、ぼく)」です。

実際のインタビューの現場では、ぼくがインタビュアーとして、弊社の代表と各VCの方に同時に質問を投げていたので、それの様子をそのまま記事にすることもできました。(=前半は3名、後半は4名)

と言うか、インタビューの現場を再現するなら、そっちが自然です。

ただ、そうすると登場人物が多すぎるんですよね。

これは今回の記事を書くにあたって、色んな資金調達関連の記事を読むなかで感じたことなのですが、読者にとって初登場の人物が多すぎて、「これはどの立場の人なのかな?」ってことが混乱してしまいます。

元々その会社のことを知っている人が読んだらまだ理解できるのですが、会社のこともVCのことも知らない人が、「お、この会社は資金調達したのか」って感じで読み始めると、会社側の代表のこともVCのことも知らないので、知らない人だらけが話してる状態になります。

でも人って、そんなに人の名前を覚えられないんですよね。

記事の冒頭で、「代表の磯山です」とか「VCの三野さんです」とかって紹介しても、その1回で人の名前を覚えるのは大変です。

マックスでギリギリ2人ですね、「名前」を覚えられるのは。

そうなると、「どの立場の人の発言なのか」が分からないので、途中から話の流れが分からなくなってしまうんですよね。

だから、今回のインタビュー記事を書くにあたっては「いかに登場人物を減らすか」を考えました。

あと登場人物を減らした2番目の目的は、この後の最後の章で詳述しますが、「情報の密度」を上げるためにも、今回の記事では「インタビュアーだったぼく」の存在は決して、「代表の磯山がインタビュアーを務める」という形にしました。

ぼくがいて、弊社の代表もいる状態だと、単純に「インタビュアーのぼく」が話しているという、あんまり情報密度の高いところにも文字数を使ってしまうので、であればインタビュアーを弊社の代表の磯山にしてしまえば、磯山が話したいことは、ぼくからの質問を受ける流れにしなくても、勝手に話しだすことができます。

そのため、当日ぼくがVCの方々に聞いていたことを、「磯山が質問している」という体裁にしました。

逆に言うと、「インタビューはwevnalの代表の磯山がしている」ってことを読者の方に認知してもらないと話の流れが分からなくなるので、本文に入る前に太字で、かつめちゃくちゃ丁寧に役職も名前もフルネームで書いて、「インタビュアーは磯山だよ!」ってことを主張するように意識しました。

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「インタビュアーは磯山」であることを読者の方に理解してもらって、且つ「磯山」はインタビューということで、記事中の表記を「名前」ではなくて「━━」にすることで、記事中に出てくる人の名前をさらに1名減らしたのです。

そうすれば、ニッセイさんとのインタビューでは名前が出てくるのがニッセイのVCの「三野」さんだけ、アーキタイプさんとのインタビューではアーキタイプのVC2名の「野村」さんと「福井」さんだけになります。

イメージしやすいように、アーキタイプさんとの記事の一場面をスクショで載せておきます。

スクリーンショット 2021-10-10 13.35.14

ちなみに記事に映っている写真の左側がぼく、右側が代表の磯山です

こうすれば、ニッセイさんの記事を読んでいる時は「━━の表記は、wevnalの代表の人」、「名前が出ている人はVC側の人」という認識で、極力読者の認知に負担をかけずに、立場の理解がしやすくなります。

アーキタイプさんは上記の画像のように2名の名前が出てくるのですが、まあ2名ならギリギリ覚えられるかなというのと、最悪覚えられなくても2名はどちらもアーキタイプ側の人で立場は同じなので、「━━はwevnal側の人」と「名前があったらVC側の人」というので、内容の理解にあたってはそこまで大きな支障は出ません。

ということで、今回は「磯山が直接インタビューする」という形式を取って、読み手がわの負担を減らすこと大事にしました。


③文字数が10,000字を超えても気にしない

ここまでまだ本文の内容的な話に関して1文字も触れていないのですが、このままいくとすごい分量になりそうなので、今回の記事ではひとまずこの見出しをラストにします。

最後は、「記事の文字数」に関して。

結論から言うと、写真の注釈やプロフィールなんかも入れると、今回のインタビュー記事は11,000字を越えています。

まあ、少なくはないです。

あと、さっきの2番目の項目を読んでいただいた方の中には「2社のVCに投資してもらってそれぞれにインタビューしたのなら、分けて公開すれば良かったのでは?」と思った方もいるかもしれません。

10,000字を単純計算して2分割すると5,000字で、まあそれだけでもそれなりのボリュームですよね。

実際、ぼくも2記事に分割するかめちゃくちゃ検討しましたし、弊社の執行役員やそれこそ代表の磯山からも、「2記事に分けた方がいいかも?」の案をもらいました。

ただ、最終的にぼくは「絶対にこれは1記事にまとめた方が良いな」と判断して、2社のVCさんへのインタビューの内容を1記事にまとめました。

執行役員の先輩にしても、代表の磯山にしても、いちメンバーであるぼくのやり方を信頼して尊重してくれて、もう感謝しかないです。

執行役員の方とぼくとの会話↓(会話のタイミングはインタビュー実施前です)

図2png

一応2つ補足しておくと、1つは最後の執行役員からの「任せるわ」は吐き捨てる感じの「もう良いよ」じゃなくて「俺にはイメージが湧ききってないけど、ふじもん(=ぼくのことです)がそう言うなら任せるよ」のポジティブな意味での「任せるわ」です。

基本的にインタビューとかライティングとかのところに関しては、「目的」だけすり合わせて、「その後の具体的なやり方のところは任せるわ」と普段から良い意味で自由にやらせてもらっているという背景があっての「任せるわ」の言葉です。

補足の2つ目は、この会社はインタビュー実施前の会話なのですが、実際にインタビューさせてもらって、結果的にVC2社さんでそれぞれ大きく違う展開の話になったので、そういう意味でも、インタビュー後にももう1回、「これは別々のインタビュー記事にして2本に分けて出す方が良いのでは?」と検討しました。

ただ、やっぱりこれは「2つのインタビューを通して"会社を変えていくぞ"ってメタメッセージを伝えることが一番大事だ」と判断して、まとめることにしました。

社長も同じく最終的には「任せるよー!」って言ってくださったので、メンバーへの信頼という観点で、弊社はマジで最高な会社です。

社長との会話↓(インタビュー実施して、原稿までできたタイミングです)

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それでまあ、2記事に分けず1記事にした理由の大半は、弊社の執行役員と代表とのそれぞれの会話のなかで書いてしまっているのですが、ここをもうちょっと汎用性を持たせて書いていこうと思います。

ちなみにちょうどさっき、ぼくがこれから書こうとしていた内容を言語化してくれているブログがあったので、そちらから引用します。

参考にした記事は『情報の大洪水時代になぜ”重いコンテンツ”を作るのか』で、詳しく知りたい方は、ぜひ元記事を読んでいただければと思うのですが、記事に出てきた式だけひとまず紹介すると

高単価(値) x 多分量 = 高価値

です。

これだけだとあんまりなんのこっちゃか分からないと思うので(ぼくなりの解釈で)補足すると、「高単価(値)」というのは、1文字あたりや、1秒あたりに詰まっている情報量の話です。

「多分量」はそのままですね。

だから、「密度の高い情報(=高単価)をたくさん(=多分量)入れ込むと、結果的に価値の高いコンテンツ(=高価値)になる」という話で、言い換えると手軽に摂取できるコンテンツへのアンチテーゼ的な内容でもあります。

ぼくもこの主張には同意で、たとえばそれこそ今回の資金調達の裏側のインタビュー記事は、10,000字を超えているんですね。

そんでもって一応書いておくと、今回のこのnoteも、多分最終的に10,000字を超えると思います。(いまで8,078字)

ただ、それでまあインタビュー記事で10,000字って少なくはない、というかむしろ多い部類に入るとは思うんですけど、個人的にはもう5,000字とか6,000字とか以上のコンテンツになるなら、変に文字数や内容をケチって7,000字や8,000字にするよりも、伝えるべき内容を極限まで情報密度を高めた10,000字にした方が、結果的に読者にとっての価値になると思うんですよね。

ぼくが上のツイートで引用した箇所をこちらにも掲載すると、ロジックとしては下記です。

読み手のコストはどこかのラインでサチってプラトーに入るので、結局しっかり意味を詰め込み、それなりに密度も体積も大きいものを作って”意味の総質量”を上げていった方が、読み手にとってのコスパと価値の大きさの両方を取れるコンテンツになるかなと思います。

「サチって」とか「プラトー」とかって言葉は、馴染みのない方もいると思うので、図を下に書きました。

イメージとしては、「序盤は受け取る情報量が大きくなるのと比例して、受け手がその情報を摂取するのに必要な(主には認知的)コストも大きくなるけど、一定のラインを超えると、そのコストの大きくなる傾きが緩やかになる」って感じです。

図3

何となく直感的に「ああーあるある」ってなっていただけ方もいらっしゃるかなと思います。

だからまあ、今回の資金調達のインタビュー記事に関しても、「どうせ5,000文字以上はいっちゃうなら、変に文字数をケチるよりも、10,000字超えちゃっても、伝えるべきことを伝えきった方が高密度で詰め込んだ方が良いな」と判断しました。

とは言え、これは自戒の念を込めた内容ですが、別に文字数が多いことや動画時間が長いことは別に正義でも何でもなくて、傾きが緩やかになっているとは言え、受け手のコストが大きくなることは間違いないので、「そのコストの増大以上の情報量の密度と内容であるか?」という問いかけは、常にし続けるべきです。

あと、これはまあどちらかと言えばビジネス的な文脈での「情報を欲しい!」って人に向けたコンテンツの話を想定しているので、そもそも情報を求めていない、「息抜き」とか「心の安寧」とかを求めている人にとっては、情報の密度が高いと逆に疲れてしまうので、そこはまた別の議論です。

あとまあ、主に情報を求めている人に対しても、ずっと高い密度で提供し続けると流石に疲れてしまうので、途中での「息抜き」や「減速」を入れることが必要なこともあります。

この情報密度の話はまたそれはそれで長いので、ひとまず関連するnoteだけ貼っておきます。

「情報量」と「情報密度」の議論は、概念が曖昧かつ汎用的な話なので、とても奥が深いですね。


最後の一言

他にも書きたいことは山ほどあるのですが、ちょっと終わらないので、今回の記事はひとまずこの3点に絞って書きました。

それでまあ、これはあくまでもぼくのこれまでの経験ベースの話が主なので、今回の一つひとつの判断が正しかったのか間違っていたのかは、正直分からんです。

逆に、今公開からまだ1ヶ月も経っていないこの時期で、その答え合わせをそもそもするのかという議論もあります。

記事ごとに変数が多過ぎるので、単純なABテストもできないですし・・・。

ただ、だからこそ、「より良いコンテンツとは?」は常に探究し続けていくところだなと思っています。

とは言え、一応何か数値的なものを出しておくと、PVは公開してから1週間で1,500PVを超えたくらいです。

大手のメディアさんとか、それこそ冒頭で取り上げたえりらざぴさんのnoteと比べるとめちゃくちゃ少ないと思いますが、ぼくたちの会社の知名度や社員皆さんのSNSのフォロワーの数を考えると、悪くはない数字なのかなと思っています。

ということで、こういうことは書かないとどんどん忘れていってしまうので、今回は先日公開した資金調達の裏側のインタビュー記事に関して、制作段階でぼくが考えていたことや工夫したことなどを書きました。

読んでくれた方の、何かしらの参考になる部分があれば嬉しいです。

そして資金調達の裏側のインタビュー記事も、ぜひ読んでください!


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