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人間はロボットに仕事を「奪われる」のではなく、ロボットの仕事を「創ってあげている」

自動車やエアコン、平面ディスプレイやアニメなどが発明される前の古代ローマで、エアコン付の車に乗ってアテネに向かう車内でアニメを鑑賞したいと望む者など誰もいなかっただろう。
※本中より引用


『〈インターネット〉の次に来るもの』を読んだ感想、第8回です!

第1回 現代に生きるぼくたちはみな、「永遠の初心者」
第2回 スティーブ・ジョブズの「最大の功績」
第3回 「変革」を起こすのに最も適した時代は?
第4回 カメラの未来は「撮ったもん勝ち」
第5回 AIの「進化した姿」とは
第6回 「人工知能」という呼び方は変えたほうがいいかもしれない
第7回 「失う」ことは、「研ぎ澄ます」ことでもある


本中では、ロボットが人間の仕事を代替する際の4つのタイプを紹介していました。


①人間ができるが、ロボットの方が上手にできる仕事

例えばいま、スポーツの様々な場面で『ビデオ判定』が導入されています。

人間の審判にもジャッジはできますが、細かいジャッジになればなるほど、カメラの方が正確に捉えています。


②人間にはできないが、ロボットができる仕事

例えばいま、『世界で43番目に人口の多い国は?』と聞かれて、パッと応えられる人はほぼいないと思いますが、グーグル検索の窓に打ち込めば、一発で出てきます。

人間の仕事をロボットが奪ったことばかりがニュースで話題になるが、人間は不可能な仕事にロボットが使われて非常に役に立っていることこそが最大の恩恵だと言える。
※本中より引用

筆者にここまで断言されると、ぼくたちは奪う奪われるというより、まさに『役割分担をしているのでは!?』という気になってきます。


③われわれが想像もしなかった仕事

これこそ、ロボットが代替すべき仕事の極めつけだ。
※本中より引用

第1回のnoteでも書きましたが、新しい発明は、また新たな渇望を生み出します。

冒頭で引用した箇所を再掲すると『自動車やエアコン、平面ディスプレイやアニメなどが発明される前の古代ローマで、エアコン付の車に乗ってアテネに向かう車内でアニメを鑑賞したいと望む者など誰もいなかった』のです。

新たな渇望は、また新たな仕事を生み出し、そしてその仕事がまた新しい発明をもたらす。

ここで強調したいのは、オートメーションによって生まれた新しい仕事のほとんどは、別のオートメーションしか手掛けられないということだ。
※本中より引用

と書かれているように、このサイクルがずっと繰り返されるのです。


④まずは、人間にしかできない仕事

『まずは』と前置きされているのは、いまは人間にしかできないことも、そのほとんどは『いずれ』ロボットもできるようにになっていくからです。

そして筆者いわく、(少なくとも当分の間は)人間にしかできないことの1つは『人間のしたいことはそもそも何なのか?』と決めることだと言います。

いま、『自分は何が好きなのか?やりたいことなのか?』を見つけるノウハウをいろんな人が語っていますが、それはまさに、ロボットによってぼくたちのある程度の衣食住は低コストで満たせるようになり、『生存のための』仕事に迫られなくなった結果、『じゃあ何やろうか?』という問いが引き起こした現象です。


しかし、『人間のしたいことはそもそも何なのか?』を決めることは、『大いなる語義矛盾だ』とも筆者は言います。

なぜならば、③でも書いたように、ぼくたちの渇望の前には、常に『新しい発明』があるからです。

しかし新しい発明をするためには新しい(自動化する必要のある)仕事が必要なんですが、新しい仕事は新しい渇望によってもたらされるという堂々巡り.........

なんですが、これまでの歴史でちゃんと『新しい(テクノロジーの)発明が渇望を呼び起こし、そして新たな仕事を生む』というサイクルができあがっているので、きのうのnoteにも書いたように、AIが進歩すればするほど、ぼくたちは新しい『人間とは何か』という問いに対する答えを見つけます。


そして筆者は、この永遠のサイクルについて

われわれ人間の役割は、ロボットのために仕事を作り続けることになる――この作業は決して終わりがないだろう。
だからわれわれの仕事も少なくとも一つはずっと残るのだ。
※本中より引用

と述べています。

『われわれの仕事』というのは、『ロボットに代替される仕事を創り出す』ということですね。

でもこれは別にロボットに利用されているというマイナスな意味ではなく、むしろぼくたちにとってのメリットなのです。

なぜならば、

その新しい仕事が、われわれ自身を拡張していくのだ。
ロボットのおかげで、われわれはもっとも人間らしい仕事に集中できる。

からです。



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