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変化を嫌う人を動かす、を読んだ。

本書は、うまく変化を起こせないという多くの人が直面している問題に対し、人的要素に焦点を当てて解決策を探った点が画期的である。アイデア自体の創出方法やフレームワークを解説する書籍は多くあるが、人間の本質(本性)を認めて、正面から向き合ったことが本書の特徴である。*訳者あとがきから抜粋

弾丸が強く速く進むにはどうすればよいか?強力な火薬を装填し発火すれば良い..これは燃料追加型の発想であり、実は100%正しい選択ではない。見えない空気の壁という「抵抗」をいかに低減させられるか?が、実は非常に重要だということを、本書では示している。

DXをはじめとする、世の中のあらゆるデジタル化が円滑に推進できないのは何故か?たとえば高齢者=デジタルが苦手という構図の真相とは何か。ただ単純に新しいシステムや技術を理解する力が欠乏しているのか?

…そうではなくて、「自分より年齢の若い人間に教えを乞う(乞わなければならない」状況が耐え難いという、心理的な障害が潜んでいたりする。つまり、何をするにせよ人の気持ちを理解することが重要だという、基本への立ち返りをこの本で痛感した。

併読をオススメしたいのは、今話題になっている「解像度を上げる」の著書の馬田さんの前著、「未来を実装する」である。こちらもイノヴェイションを推し進めるには、キーマンへの根回しなど人的戦術の重要性を強調されており、必読の1冊。

つまり、我々は生きている人間であり、感情があるということだ!

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読書感想文

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