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【為替レートのリスクプレミアム💚】拍車のかかる円安とスタンバイ状態にある為替介入:日経新聞解説🔥2023/11/02

日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖

長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!


円、33年ぶり安値迫る 日米金利差は依然縮まらず 潜在成長率の低さ背景に

 日銀が10月31日に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を再修正した後、円安に拍車がかかった。背景にあるのは米国などとの金利差だ。
米欧の金利には先高観が残る。市場は日本経済の潜在成長率に照らして金利の上昇余地が乏しいとみる。円安に歯止めがかからなければ、政府・日銀が為替介入に踏み切る可能性もある。

 円相場は31日のニューヨーク市場で151円74銭まで円安が進んだ。昨年10月21日に付けた安値(151円94銭)にあと20銭の水準まで迫った。これを超えて円安が進むと、1990年7月以来33年ぶりの安値となる。

 円はほかの通貨に対しても弱含み、全面安となっている。対ユーロでは1ユーロ=160円台と08年以来、15年ぶりの円安・ユーロ高水準を付けた。

 背景には米国などとの金利差がある。
 足元で米国の長期金利は4.9%程度で、日本は0.95%前後。昨年10月21日時点では米国は4.2%で、日本は0.25%だった。ともに0.7%上昇しており、金利差は4%弱で不変だ。日本の長期金利の上昇は海外と連動し、金利差がなかなか縮小しない。

 米国を起点に相場が変動する局面は続きそうだ。1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、3日には10月の米雇用統計の発表がある。結果や内容次第では米金利やドルが再び騰勢を強める可能性もある。

 円相場は日銀がYCCを再修正すると発表する直前は、1ドル=149円30銭台で推移していた。それが151円70銭台まで下がり、わずか半日で2円以上も円安・ドル高方向に振れた。

 通貨当局は急速な円安に神経をとがらせる。神田真人財務官は1日朝、記者団に介入を含めた準備状況を問われると「スタンバイ(状態)だ」と述べた。
 スタンバイは昨年9月に政府・日銀が24年ぶりの円買いの為替介入に踏み切る直前に神田氏が使った言葉だ。
市場では「口先介入の強さとしては最高レベル」(三菱UFJ銀行の井野鉄兵チーフアナリスト)との受け止めがある。

 介入による円高は時間稼ぎにすぎない。日米の金利差が縮まらない底流には、日本経済の実力の低迷がある。
日銀によると、潜在成長率は0.6%程度と米国(1.8%)の3分の1ほど。金利の引き上げが経済に及ぼす負のインパクトは、日本の方が大きいことを示す。
 このため日銀は金融緩和を続けざるを得ない状況に陥っている。長期金利から予想物価上昇率を差し引いた「実質金利」は米国のプラス2.5%に対し、日本はマイナス圏内に沈む。

 物価上昇率との比較でいうと、日本の長期金利は低すぎるともいえる状態だ。
円で運用するよりもドルで運用した方が利益が出やすく、ドルに資金が流れ込む理由のひとつになっている。

2023/11/02 日本経済新聞 朝刊 3ページ
出所:三菱UFJ銀行公表

記事に対するコメント📝

外国為替市場は依然として不安定な動きを見せているように思います💦

本日の日経新聞において、マーケット総合における為替の記事を参考にしてみましょう

出所:日本経済新聞

円相場は続落しているように思います
午後5時時点は1ドル=151円38銭と、前日の同時点に比べ1円09銭の円安・ドル高につけているとのことです

これは、日銀が前日決定した長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の柔軟化が想定よりも小幅な政策修正にとどまったと受け止められたことによるマーケットの期待や予想の変化ではないかと推測されています

日米金利差が大きく開いた状態が続くと判断した市場参加者から円売り・ドル買いが出たとみても良いでしょう📝

アンカバーの金利平価:Uncovered Interest Parity ✨

先渡取引を実施しないときの現在・将来の為替レートと金利の関係は以下の通りです

$$
\\1+i =\frac{E_{t+1}^e}{E_t}(1+i^*)\\     \\E_{t+1}^e:Expected  Exchange  rate
$$

カバー無し金利平価において、将来の為替レートは投資家の期待で評価されています

ここで線形近似をおこなうと以下のように定式化できます

$$
i=i^*+d_{t+1} ^e\\      \\d_{t+1} ^e \equiv e_{t+1}^e-e_t\\             ≒(\frac{E_{t+1}^e-E_t}{E_t})
$$

なお、上記の式においてdは為替レートの期待変化(減価)率であることを確認しておきます

そして、カバー無し金利平価(UIP)の解釈としては、為替レートの変動リスクをカバーしなかった場合、自国資産と外国資産の期待収益が等しくなると言えます

そして、為替レートの期待変化率が両国の金利差を一致することになります
※今回は、先渡レートによって将来の利益を現在時点で確定しておくカバー付き金利平価(CIP)の議論は割愛しています🙏

為替レートのリスクプレミアム💴

以下では、為替リスクプレミアム(rp)を以下のように定義して説明していきたいと思います
なお、カバー付き金利平価(CIP)は成立していると仮定します

$$
\\rp \equiv f_{t+1}-e_{t+1}^{          e}\\       =i -i^*+e_t-e_{t+1}^{          e}\\        =i-(i^*+d_{t+1}^{          e})\\      \\CIP:i=f_{t+1}-e_t+i_t^*\\         \\If, UIP  is  established ⇔rp=0
$$

ここで為替リスクプレミアムは定義よりカバー無し金利平価からの乖離ですので、カバー無し金利平価(UIP)が成立しているのであれば、為替リスクプレミアムはゼロとなります

また、為替リスクプレミアムに対して以下のような解釈ができます
もし、為替リスクプレミアム(rp)がゼロより大きい場合、市場参加者は自国資産に対して外国資産よりも高い収益率を要求していることを意味しています

すなわち、自国通貨が減価するリスクを重視し、割増(premium)の収益を要求している状況になります

また逆のケースも同様の議論ができます
為替リスクプレミアム(rp)がマイナスである場合、市場参加者は外国資産に対して自国資産よりも高い収益率を要求していることが示されます

すなわち、市場参加者は外国通貨が減価するリスクを重視し、その分のプレミアムを要求している状況にあるということです

このような理論を解釈していくことで、日経新聞の記事への理解を少しでも深めていけるようなれば幸いですし
私自身も実態経済の動向を経済学の知識で簡潔に解釈できるような取り組みを進めていきたいと思います

前回ご紹介した記事💖

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あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
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