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【基礎基本が肝心🔥】為替レートの決定理論と応用モデル解説:国際金融論✨No.7

今後、定期的に投稿していく
【国際金融論】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
「国際経済学の分野」について学んだことを
アウトプットしていきたいと思います👍


前回の記事は、こちらになります

はじめに:モデルの導入前に

開放経済における対外取引は、財・サービスに係る「経常取引:Current Account」と、金融資産に係る「資本取引:Capital Account」に大別されるということは、こちらの記事で解説しています💖

これらの取引の根本的な相違点は、次の2点です

  1. 資本取引の単位費用が、経常取引の単位費用より小さいこと

  2. 資本取引の所要時間が、経常取引の所要時間より短いこと

これらの相違から、国際取引に障壁(=資本規制や取引数量制限、莫大な取引費用の存在など)がない場合
内外の資産市場はほぼ常時均衡状態にあると見なせますが
内外の財(サービス含む)市場は必ずしも均衡状態にあるとは限らないのです
資本の移動というのは、時間が掛かることが多いです

「金融市場における資本」とは少しニュアンスが違うかもしれませんが、材市場における資本を考えるみます
工場や家を建てる時間が1年以上掛かるケースが多いことに対して、鉄鋼原料が貿易される時間は相対的に短いというイメージで良いと思います📝

短期と長期の違いについて

今一度、ここで「長期と短期の違い」について確認しましょう
国際マクロ経済学における「長期」とは、財市場と資産市場の両者が均衡状態 に達する期間を指します
その一方で「短期」とは、瞬時に均衡状態に達する資産市場のみが均衡す る期間を示していると理解してください

私が解説する内容は、内外の財市場・資産市場が共に均衡状態にある場合の為替レートの決定理論 を取り扱うことにします

以下では、まず為替レートの均衡に関する古典的な概念である
「購買力平価説」および購買力平価と密接な関係にある
「実質為替レート」について説明することを試みます

その次、貨幣市場に着目した為替レートの長期均衡理論である
「マネタリー・アプローチ(貨幣接近)」について考察してみようと思います

また、購買力平価説およびマネタリー・アプローチに基づく為替レートの実証分析についても言及します

そして、私が卒業論文を執筆するときに留意点を指摘しながら理解を深めていくことにします💝

為替レートの短期的均衡モデル:Part④

為替レートの決定理論について、これから丁寧に解説していきたいと思います
長期均衡モデルで大切なことは「財・資産両市場の均衡」を考慮することでありました
しかし、実際の経済は「短期」的な変動によって
経済のファンダメンタルズが変化することも多いです


以下では、財(及びサービス)市場における均衡が成立せず、相対的に取引に係るコスト・時間が短い資産市場における均衡のみが達成されるような短期における為替レートの決定理論をご紹介することにします
ここでは、産出量、物価水準、内外金融資産の供給残高は所与と見
なされますので、ご留意ください

短期と長期とはまた異なる視点を持っていることは
上記で解説いたしましたが
今後は為替レートの決定理論における
長期のモデルではなく
短期のモデルを順番に解説していきたいと思います

金利平価について:Part①


登場する記号一覧は、以下の通りです

$$
S : Local  currency  exchange  rate \\
i =  Interest  rate  \\
( i = 1, …, n )\\
I : Investment  or  Profit \\
* : Foreign  Variables \\
F : forward  rate \\
e :  Expectation  value
$$

1)金利平価と実質金利

財市場において価格を指標とした裁定を通じて一物一価の法則が成立するのと同様に、 資産市場においては、異なる通貨建て資産から得られる利子収益を指標として、共通通貨 建てに換算した利子収益が裁定を経て均一化すると考えられます
この考え方は、金利平価( Interest Parity)と呼ばれています

ここで、資産の満期が1年である自国通貨建てと外国通貨建ての資産の金利をそれぞれ it 、it* 、資産を購入する時点と満期時の為替レートをそれぞれ St 、St+1 、投資額を It とした場合、自国・外国通貨建て資産に投資した場合の1年後の収益額(Id & If) は以下のとおりに定式化できるのです

$$
I_{t+1}^d = I_t ×(1+ i_t) \\     \\
I_{t+1}^f = (\frac{I_t}{ S_t}) ×(1+{i_t}^*) \times{S_{t+1}}
$$

金利平価が成立する場合、上2式が等しくなるとされています
要するに、自国と外国で同じ額の資産を同じ期間運用した時に得られる収益に差がないということです

ここでの関係を整理すると、金利平価の成立を表す下式(金利裁定式)が得られるのです

$$
Interest  Power  Parity \\   \\
(1+i_t)=(1+{i_t}*)×(\frac{S_{t+1}}{S_t})…①
$$

金利平価が成立するための条件🔖

金利平価が成立するためには、財市場における一物一価の法則の成立と同様にある条件が存在します

①国際資本取引に対する障壁(為替管理、先物為替予約の不履行リスク、利子課税など)が存在しないこと

②資本取引コストが存在しないこと

③資本収益に関する情報が取引主体間にて完全に共有されること

という条件が満たされる必要があるのです

資産市場と財市場との性質の違いから
購買力平価の成立条件に比べ、金利平価の成立条件は(少なくとも先進国間の資本取引においては)比較的容易に満たされることがわかりますね

他方、①式において重要なポイントは
外国建て資産の購入時に、満期時の為替レートが予見できないことであります
投資家が将来の為替レートをいかに捕らえるかによって、2種類の金利平価の考え方が存在するのです

今回の解説はいかがだったでしょうか?
金利平価の基礎概念についてご理解いただけたと思います
次回は、カバー付き金利平価について理解を深めていきたいと思います👌


For You:マガジンのご紹介🌟

こちらのマガジンにて
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

また、経済学理論集などは
こちらをぜひご覧ください💖


今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚


Ending:最後までご愛読いただき誠に有難うございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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