【広がる経済成長格差💦】G20が直面する持続的な成長軌道の諸課題🌏:日経新聞解説📰2023/07/21
日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖
長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!
G20「不均等な成長」直面 財務相会議が閉幕 議長総括、新興国の不満にじむ 共同声明6連続見送り
記事に対するコメント📝
インド西部のガンディナガルで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議をテーマに記事を作成しました
インドが公表した議長総括は
世界経済の成長の鈍さを指摘し
「なお不均等だ」と訴えているように思います
グローバルサウスの代表格として各国債務や
気候変動問題などで先進国への不満があるそうです📝
気候変動などの問題などを念頭に
「グローバルな課題のほとんどは『南』がつくり出したものではないが、私たちに大きな影響をもたらしている」という発言から目を背けてはならないように思います💦
なお、金融市場に焦点を当てれば
先進国を中心とした金融引き締めが
途上国の債務負担を重くしているとの認識も
経済理論上においては間違っていないと思いますね
最近は、アメリカ経済のインフレ過熱も
収まってきたように思います🙄
米欧を中心にしたインフレや金融引き締め、途上国の債務問題などを挙げ「リスクのバランスはなお下方に傾いている」と言われながらも
依然として、リスクが顕在化していることに
異論は無いと思います
依然として、ロシア-ウクライナ間での
紛争も継続されています💦
新型コロナウイルス禍からの回復局面が一服した世界経済は、持続的な成長軌道に乗れず難題に直面しているなかで、今後のグローバル経済はいったいどのような方向へと進んでいってしまうのでしょうか?🌏
動学的マクロ経済成長:Ramsey Modelの解説🌟
以下では、いきなりになってしまって申し訳ないのですが
マクロ経済学の主要テーマである経済成長論について、大学院レベル&学部レベルの内容を取り上げることにします📝
$$
Euler Equation of the Ramsey Model\\
\\ \\
\acute{u} {(c_{t})}=\frac{1+r_{t+1}}{{(1+ρ)}{(1+n)}}\acute{u}{(c_{t+1})} \\
\\ \\ \lim\limits_{j\to∞} \frac{(1+n)^{j+1}k_{t+j+1}}{\prod_{i=1}^j(1+r_{t+i})}=0
$$
この2つの式こそ、動学的確率的一般均衡モデルならびにRamsey Modelを説明するうえで大切な代表的家計の生涯効用最大化行動を説明する「オイラー方程式」と動学的モデルの成立条件となる「横断条件」になるのです📝
資本蓄積過程の定式化
分析の簡略化のために資本は減耗しない(δ=0)ということを過程しましょう
すると、このマクロ経済における資本蓄積式は以下のように表されます
$$
Capital Accumilation\\
K_{t+1}-K_t = I_t \\= S_t = Y_t -C_t …①
$$
①式の両辺を労働人口(Lt)でデフレートすることによって一人当たりの変数で資本蓄積式を表記することができるのです
ここで、生産関数を定式化しておきましょう
生産関数はコブダグラス型関数を仮定し、規模に関して収穫一定という設定であることをご理解ください
$$
Production Function \\
Y_t = F(K_t,L_t) = K_t ^{\alpha} L_t ^{1-\alpha}\\
————\\
Production Function per person\\
y_t = f(k_t) = k_t ^{\alpha}…②
$$
①式と②式などを組み合わせて整理することで以下の式を得ます
$$
\frac{K_{t+1}}{L_{t+1}} \frac{L_{t+1}}{L_t} - \frac{K_t} {L_t}\\
=\frac{Y_t} {L_t} - \frac{C_t}{L_t}\\ \\ \\
(1+n)k_{t+1}-k_t = k_t^{\alpha} - c_t …③
$$
一人当たり資本蓄積式、③式を導出することができたのですが
この式をさらに変形することで、一人当たりの資本の変化を表現する式を得ることができるのです
$$
k_{t+1} = \frac{ k_t^{\alpha} + k_t - c_t} {1+n}\\
\\
Δk= k_{t+1} - k_t = \frac{ k_t^{\alpha} - n k_t - c_t} {1+n}…④
$$
このように一人当たりの資本の変化Δkについて、その関係式を導出することに成功しました
今後、Ramsey Modelの分析を進めるにおいて、この一人当たり資本がどのように変動していくのか、ということに着目しますので、この関係式を必ずご理解くださいね💖
【学部レベル】ソローモデルのお復習い🌟
ソローモデルについて簡単にまとめていきたいと思います
記号は、Ramsey Modelと全く同じ表記で説明できます📝
$$
Solow Growth Model\\
1:Y_t = K_t^{\alpha} L_t^{1-\alpha} \\where, 0 ≦\alpha ≦1\\ \\
2: K_{t+1} -(1-δ)K_t = I_t = S_t = sY_t \\
⇒divided by L_t \\ \\
(1+n)k_{t+1} - (1-δ) k_t = s f(k_t) = sk_t^{\alpha} \\ \\
k_{t+1} = \frac{s f(k_t)+ (1-δ)k_t} {1+n}\\ \\
Δk = k_{t+1}-k_t = \frac{[sf(k_t)-(n+δ)k_t]}{1+n}
$$
Solow Modelの資本蓄積は、上の式における一人当たり資本蓄積以下のように判定されます
$$
Capital Accumulation \\
\\
(a) sf(k_t) > (n+δ)k_t \\⇒k_{t+1}>k_t\\ \\
(b) sf(k_t) = (n+δ)k_t \\⇒k_{t+1}= k_t\\ \\
(c) sf(k_t) < (n+δ)k_t \\⇒k_{t+1}< k_t\\ \\
situation(b) is called steady state. \\ \\
in the steady state\\ k_t = k^* has established. \\ \\
sf(k^*)= (n+δ)k^*
$$
ここで、1人当たり生産関数をktの形で表記し直して、ktについて解いていくと以下のようになります🔥
$$
where, f(k^*) = (k^*)^{\alpha} \\
s(k^*)^{\alpha} = (n+δ)k^* \\ \\
\\ solving for k^* \\ \\
k^* = (\frac{s} {n+δ})^{\frac{\alpha} {1-\alpha}}\\ \\
GDP per person \\ in the steady state\\ \\
y^* = f(k^*) = (k^*)\\ \\
=(\frac{s}{n+δ}) ^{\frac{\alpha} {1-\alpha}}\\ \\
c^*: Consumption per person \\in the steady state\\ \\
c^* = (1-s) (\frac{s}{n+δ}) ^{\frac{\alpha} {1-\alpha}}
$$
最後の式は、1人当たり消費が、定常状態において動学的に最適化された状態であることを示しています
この状態を、ソローモデルにおける「黄金律」と言います
1人当たりが最大になっている経済成長過程ということで黄金律水準と呼ばれている点を覚えておいてください
これは非常に興味深い点なのですが、この黄金律水準の1人当たり消費を達成するために必要な最適貯蓄率の値は、なんと資本分配率αであることが判明します
この計算過程は以下の通りです
1人当たり消費の式の最大化条件として、一度貯蓄率sで微分する、もしくは両辺から対数を取ってから、sで微分しイコール 0とおく、計算プロセスを取ります
$$
c^* = (1-s) (\frac{s}{n+δ}) ^{\frac{\alpha} {1-\alpha}}\\
Taking the Logarithm from both sides,\\ \\
In(c^*) =In (1-s)+\frac{\alpha} {1-\alpha}In (s)-In({n+δ})\\ \\
\frac{dc}{ds}=\frac{-1}{1-s}+\frac{\alpha} {1-\alpha}\frac{1}{s}=0\\ \\⇒(1-\alpha)s=(1-s)\alpha…\\
Finally, we get s^*=\alpha^*
$$
補論:コブダグラス型生産関数と要素分配率の関係
補論として、コブダグラス型生産関数の係数が、α が資本分配率、そして1ーαが労働分配率であることを説明しますね👍
ここでいう、資本分配率θkは生産された付加価値のうち、株主のような資本の提供者に分配される付加価値の割合とします
労働分配率θLも同様に、生産された付加価値のうちどれだけ労働者に分配されているのか、という指標になります
物価水準をP=1として基準化したと仮定したときに、企業が直面する利潤最大化問題は以下のようになります
$$
Max:π_{K_t,L_t}=F(K_t,A_tL_t)-r_tK_t-w_tL_t\\ \\where,F(K_t,A_tL_t)=K_t^{\alpha}(A_tL_t)^{1-\alpha}
$$
再度確認しますが、第t期においてrは資本のレンタルコスト、wは実質賃金率を表しています
生産関数がコブダグラス型であると仮定したとき、資本Kと労働Lについての利潤最大化条件は、各生産要素の限界生産性が、要素価格に等しくなるという1階の条件という以下の関係を満たします
$$
F.O.C for Profit Maximization\\ \\
Marginal Productivity of Capital\\ \alpha(\frac{K_t}{A_tL_t})^{\alpha-1}=r_t\\
\\Marginal Productivity of Labor\\(1-\alpha)A_t(\frac{K_t}{A_tL_t})^{\alpha}=w_t
$$
ここで上の2式を以下のように書き換えると、また新たな視点から考察できるようになるのです
$$
MPK: \alpha(\frac{K_t}{A_tL_t})^{\alpha-1}\\ \\
=\alpha\frac{[K_t^{\alpha}(A_tL_t)^{1-\alpha}]}{K_t}\\=\alpha\frac{Y_t}{K_t} =r_t \\ \\MPL:(1-\alpha)A_t(\frac{K_t}{A_tL_t})^{\alpha}\\
\\=(1-\alpha)\frac{[K_t^{\alpha}(A_tL_t)^{1-\alpha}]}{L_t}\\
=(1-\alpha)\frac{Y_t}{K_t}=w_t
$$
ここで、資本分配率θkと労働分配率θLの定義を定式化したいと思います
$$
θ_K:\frac{(r_t K_t)}{Y_t} \\ \\θ_L:\frac{(w_t L_t)}{Y_t}
$$
この関係を整理すると、私たちは以下の結論を得ます
$$
θ_K:\frac{(r_t K_t)}{Y_t}=\alpha \\ \\θ_L:\frac{(w_t L_t)}{Y_t}=1-\alpha
$$
よって、補論で説明を試みた
コブダグラス型生産関数の係数、αが資本分配率θkとなること、ならびに1-αが労働分配率θLであることの証明となりました💖
コブダグラス型生産関数は非常に経済学において登場する機会が多いので、ぜひご理解いただけますと幸いです
本日の解説は、以上とします
大学院レベルのマクロ経済学はやはり簡単ではありませんね😢
しかし、このレベルの議論を追求することで、もっと経済の動向や社会現象の本質的な問題、政策の整合性などがわかるようになってきます
だからこそ、大学院レベルのマクロ経済学の
概要や基本的な概念だけでも心得ておくことが賢明であるように思います💗
マガジンのご紹介🔔
こちらのマガジンにて
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています
今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚
最後までご愛読いただき誠に有難うございます!
あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏
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ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
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大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
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