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レストランとお酒

外食産業における飲食の”飲”について考えます。


はじめに


飲食店で働いているとよく耳にする言葉で、

「ソフトドリンクだけでお酒飲んでないからね。」
「レストランに来て飲み物も頼まないなんて…」

なんて言葉を聞きます。
正直な所、飲食店では飲み物を頼まないお客様を軽視する傾向にあります。
飲食店の原価率はフード原価とドリンク原価のそれぞれでバランスをとっている店が多いです。
ドリンクを頼まれないとその分客単価が減少してしまい、売り上げが減ってしまうので、そういう気持ちは分かります。

しかし今回はその中で、ドリンクの正しい立ち位置、
もっと健全なバランスのとり方を考えていきたいと思います。


最近の傾向


最近では若い人を中心にでお酒は飲まないけれど居酒屋の料理が好き、
お酒は飲めないけれど何かノンアルコールの飲み物が欲しい。

そういった人が増えているように感じます。


それがどういうことかと言うと、
決して彼らは居酒屋やレストランなどに悪気があるわけではなく、
今までと違う楽しみ方をされているように感じます。

・お料理やその空間を楽しんでいる
・あまりお酒は飲めないので一杯だけ飲む
・今日は休肝日

飲食店の楽しみ方の多様性は昨今の流行を見ているとただ食べるだけではなく
InstagramなどのSNSにアップするといったことなどもあるかと思います。
撮るだけ撮って捨てる人もいますが、今回は違うお話をしたいので置いておきます。(そういうことはしないで頂きたいのですが…!)

では私が現状考える必要な前提を次の項でまとめたいと思います。


お客さんと飲食店の認識の違い


お客さんの考え方が時代と共に変遷していると思います。

そんな中でお客さんの考え方についていけていない飲食店店員が多いとように感じます。
それを昔ながらと捉えるか、時代遅れと捉えるかはお店の経営方針だと思います。

この認識の違いをいかに埋めるかですが、
選択肢は二つです。

1.昔ながらの店なので昔ながらのサービスを提供する。
2.お客様に合わせてお店のスタイル(商品のラインナップ等)を変えていく。

前者についてはそのままでいいかと思います。
私自身もそういったいい意味で前時代的な飲み屋は好きで通っているところもあります。
そういったお店には新しいお店ではどうやっても勝てない趣深さがありますし、懐の深さを感じるのでぜひ長らく続けていってほしいと思っております。

今回の記事に関してはどちらかの優劣ではなく、
後者のアプローチについてお話を進めていきたいと思います。


どうすればいいのか?


第一に、飲食店の方の認識を変える必要があります。

ノンアルコール商材をマイナスになるデメリット要因としてとらえるのではなく、
本来ならお茶や水で終わるお客様が注文し、注目されうるラインナップにすることでリピート率、注文率を上げる施策として打ち出すことが必要かと思います。

例を挙げますと、
 ブドウジュース
 ウーロン茶
 ジンジャーエール

よりも、
 ホワイトグレープジュース 
 水出し烏龍茶
 自家製ジンジャーエール

といった具合にひと手間加えるといいと思います。
原価や時間が以前よりもかかってしまいますがその施策をすることで売値が1.5~3倍になってもお客様の満足度は上昇するとかと思います。

また、ただのタンブラーからワイングラスなど他と違う提供をするようにしてもまた変わるように感じます。
お酒を飲まない方に対してのアプローチを消耗戦と捉えるのではなく
あくまで再来につなげる積極的な戦略を施していく必要があります。


まとめると


私はサービスマンとして、
ドリンクというものを、原価率を下げるための補助的なメニュー、お料理のわき役とするのではなく、
レストラン及びすべての飲食業における、最大の料理、飲み物という二つの支柱であるべきだと考えます。

ワインやお酒は栓を抜いて注ぐだけです。
生産者やまつわるストーリー、自分がなぜそれを選んだかをしっかりと考え、
お客様に自信を持って提供するかがサービスだと考えます。

ノンアルコール飲材も同じく、自分がなぜそれを選んだのか、
どういう思いで提供しているのか。

適当なもの出したくないじゃないですか?
一番いいものを一番いい状態で出したいですよね。

なぜそれを

なぜ今

なぜここで

なぜ貴方はそれを提供するのか。


もっと考えたいと思います。
考えて、結論を出すのが大事だと思います。

現状を楽しんで、理想を実現するための第一歩を踏み出していきましょう。





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