エンリケ後悔王子

Emily likes tennis(Gt,Cho) schedars(Gt) ハリエ…

エンリケ後悔王子

Emily likes tennis(Gt,Cho) schedars(Gt) ハリエンタルラジオ その他サポートギターや寄稿など オリックスが好きです

最近の記事

disillusion

なんでこんなことで情緒が乱れるんだろうな…。 頭痛で視界が揺れる中、うっかり乗ってしまったグリーン車750円の座席を少し倒し気持ちを落ち着かせてイヤホンを耳につける。 「へー、H君もバンドやってたんだ。どんなのが好きなの?」 会社の飲み会で、2つ下の部下とひょんなことからバンドの話になった。会社の中で私がバンドをやっていることを知っている人は1人しかいない(その人物の夫がサークルの同期という奇跡が起きてしまったため)。「学生時代はバンドをやっていた」という体でやってきた。

    • loser

      フィクションかも知れないし、現実なのかも知れない。 最初に出会ったのは7年以上前だろうか。以前の職場で仲の良い顧客がいた。業務用の携帯に時折「やべ~よ~会社潰れちまうよ~」「暇ならメシ行こうよ~」などとしょうもない電話をかけてきて、一児の父である中年男性とは思えない緩さと幼さにいつの間にかこちらもタメ口で「とりあえず落ち着こっか」「忙しいから無理」などと対応するようになっていた(あまり褒められたものではない)。一人親方的な仕事で業界的に先輩に可愛がられるタイプなのだろうか。

      • standing on the edge

        こんなはずじゃなかったを繰り返しているうちに取り返しがつかないくらい歳を重ねていることがとても恐ろしい。記憶力を頼りにあの頃のアンセムを爆音で聴いても、時間は戻らない。少なくとも子供の頃思い描いた35歳はもっとまともで、もっと大人だった。 そういえば身近な「まとも」の権化こと兄一家は仕事の都合でもうすぐ日本を離れてしまう。兄の子たちは将来何らかのプロフィールを綴るときに「幼少期は親の仕事の都合で海外で過ごす」と書くのだろうか。受験英語以降が一切更新されないどころかポロポロと

        • Israel's son

          秋から試験がポツポツあり、受かったり受からなかったり。大学時代とは言わないが20代の頃にもうちょっと勉強しておけばという気持ちはあるが、いくらでも思いつくそれらしい言い訳で何とか合格者一覧に載っていない自身の受験番号のことを頭の片隅に追いやる。ライブを詰め込みすぎたとか、体調を崩していた。だなんて。さもしい。 ここ数年、バランスをとろうとしてバランスを崩している。「まとも」を一顧だにすらせずに解き放たれた人たちに強い憧憬を抱いているくせに、普通になろうと歪な矯正をしている。

          my little underground

          1番苦手な作業と言っても過言ではないかも知れない。私は家具を組み立てるのが圧倒的に苦手だ。空間認識能力が皆無なのだろうか。取説の図解を見ても平気で間違える。これは流石に1人でいけるだろとかつて臨んだローテーブルの組み立て(部品6つくらい)すら机下の収納スペースの取り付け方を間違えた。 暫く前に届いたが手を付けられずにいた机(学習机とオフィスデスクの中間のようなやつ)に悪戦苦闘しながら、悲鳴をあげる腰をさすりながらそれでも計半日かけて完成した代物…その仕上がりに満足していた。

          So young

          C-PAP治療を転院することになり家から3分の病院に行ったが待たされること1時間…ライブの入り時間は刻一刻と迫っていた。 新しい医者は「これからは3ヶ月に1回でいいですよ。若い人の貴重な時間を奪いたくないんでね」と言っててカッコよかったがまずさっきの1時間を返して欲しかった。 SHIN-ONSAIというイベントに出た。小ホールと言えどキャパは広く、オウガとほぼ被りでガラガラだったらどうしようと思ったがたくさんの人が観てくれた。やれることはやった…と思う。 小ホールに出て

          never lose that feeling

          安酒で薬とサプリメントを胃に流し込む。それが酩酊か睡眠かはわからないまま目が覚め、変わらない、少し温い地獄のような日を繰り返す。場所もわからないくせに、リセットボタンを探している。トップバリュの黄色の酒は、変な臭いがする。インダストリアルな味がする。美味しくはない。 高校生の頃、バンド組みたい…なんて思いながらもそんな友達はおらず外部で組む度胸ももちろんなく、ひたすら鬱屈としていた。毎週自転車圏内に3店舗あるブックオフに通うのが唯一の楽しみだった。そこでふと目にした「もう一

          never lose that feeling

          atelier

          「お、久しぶり。元気?」 もう滅多に係わることもなくなった同期と、たまたま研修時に本部で鉢合わせた。 「あんまり…」 エレベーターが私たちがいるフロアに着き、扉が開く。 「あのさ、1分だけ…」 彼は去就を早口で私に告げた。 何が正解かわからない。適切な言葉を考えあぐねた挙句 「過去も、未来も、肯定できるようになるといいな」 と誰に向けたのかわからない、ペラッペラな戯言を発していた。 かくいう自分はどうなんだ?彼は、通勤時や休みの日に真面目に勉強して国家資格を

          人形の家

          特に後先も考えずに移住してから早10ヵ月、漸く以前の家の処分が決まった。「いやぁ、不動産屋向いてないですわ」(自身は不動産屋ではないけど)知り合いの業者にボヤキながら安堵と脱力と共に契約書をなぞる。後は何事もなく決済してくれと祈りを込めて印鑑を捺した。リリースを控えているLPのプレス代は何とか捻出できそうだ。名盤になる気しかしない。 「ホントにね、バンドと野球だけで暮らしていきたいですよ」野球を観た後、トリプルファイヤーの大垣さんらと安酒を煽りながらお互いの贔屓の暗黒時代を

          nothing much to lose

          大学時代の友人と久しぶりに会い映画を観た。 回転寿司で感想を交わす。「にしても、昔みたいに食べられなくなったよな」「わかる。10皿いかずに『もういいや』ってなる」そう答えた私の眼前には最終的に12皿が積み上げられた。 横浜でもう一人の友人と合流するまで1時間強あった。どうしよっか。とりあえず、海、見に行くか。 日はまだ高く、風もそれ程なく、「冬の海も悪くないね」人がまばらな海をほとんど会話もせずにただ見ていた。十代のセンチメントとは明らかに異質な、大切な燃料が漏れ出ている

          nothing much to lose

          emptiness inside

          何も出来ないを繰り返しているうちに34歳になってしまった。そして今年も終わってしまう。 宅建は持ってても自宅は一向に売れない。目減りする通帳の残高を睨むが増える気配はない。頭で資金繰りを計算をし、ため息をつく。 就職してからずっと勉強をサボってきた、そのツケを嫌というほど払わされている。喪失した習慣はなかなか戻らない。通勤の往復2時間、スタジオの往復3時間。教科書の中身は意識の圏外を通り過ぎていく。 ペルソナが剥がれそうになった。泥酔した場末のスナック。本能が終電を知ら

          令和の光

          本当にみみっちいというか貧しい話ではあるが、大学生の頃はとにかく何か拾っていた。お母さんのしまむらコーディネートファッションレベルでお洒落に無頓着だったため、服は大学のゴミ捨て場に捨ててあったテニサーのウェアなどを着ていた。マンガが捨ててあれば拾ってサークルの部室に置いていた。拾った教科書は溜まると教科書を買い取ってくれる謎のサークルの“モエモエニャンコさん”なる女性に売っていた(メールアドレスがそうだったのでそう呼んでいた)。「あの人何なんだろうね」と当時のベースの泉君に訊

          フィールドオブドリームス

          喉の酷い腫れと頭痛、鼻水。「あーやっちまったかなぁ」低い天井を見上げため息をつく。身体が自分のものではないかのような浮遊感。 ひとまず職場に連絡し、然るべき時間にあらゆる病院に電話をする。合否待ちの受験生のような気持ちで日中を過ごす。 結論から言うとただの夏風邪で安堵したが、翌日、未決裁の書類の山に再び体調が悪化する感覚を覚えた。 禁忌を犯してしまった。通勤時にグリーン車に乗る行為。ホームでsuicaを機械にかざせば、苦痛の通勤時間は小旅行のような気分になる。流石に缶ビ

          フィールドオブドリームス

          海がきこえる

          8年住んだ家を引っ越した。温いタナトスのようなものにずっと引かれながらも重い腰がなかなか上がらずにいたが、勢いが大事だ。お金のこともあまり考えないようにしよう。と都心から離れ特に土地勘もない神奈川の果てに居を構えた。「俺がwebライターだったら刺し違える覚悟でサンクションを与えてやる…」と思うくらい不動産屋と揉めたけど何とか新しい暮らしにも慣れてきた(残置物がまだ旧居にあるが…)。 東京でまだ消耗してるの?と煽る気持ちは一切ないが、よいグルーヴのある地方都市だ。時間がゆっく

          I'm losing more than I'll ever have

          ライブ前のスタジオはいつもと違う場所で、店長は以前何度か対バンした人だった。覚えていてくれた。新しくバンドを始めたんですよ。と会話をする。ロビーで会った人も以前よく対バンしていた人だった。またグッドマンかどこかで会いましょうと会話をする。 対バンのsoukのドラムはエダクニさんで、昔エミリーとおまわりさんでだろうか、対バンしたしボーカルの方もお互い別のバンドで対バンしたことがあった。AnisakisもCompact Clubで何度か対バンした。突段のこのみいるさんもソロの頃

          I'm losing more than I'll ever have

          バグ

          Dinosaur Jr.のドキュメンタリーを先日観た。 どこまでも不器用な男たちが鈍い光を放つ美しさと耳を劈く爆音が余韻のように残っていた。 多感な10代後半から20代前半にかけて、Jマスシスとケヴィンシールズは私の師のような存在だった。自身のメンタリティはルー・バーロウに近かったが。 そういえばSEBADOHのrejectという曲、めちゃくちゃ暗くて大好きで高校生の頃布団を被って真っ暗にしながら何度も聞いていたな。「何だよこれ、俺じゃん」って歌詞カードを読んだり。