けんご

奈良県出身の大学生。今は東京で暮らしています。

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最近の記事

「尖って生きろ」というけれど

帰省して訪ねた母校で、お世話になった先生と再会した。 先生はこの3月で定年を迎え、4月から再任用期間に入ったらしい。 「最近僕もちょっと丸くなりましてね」 「あかんあかん、お前は尖っていけ」 笑いながら話しかけた僕に、先生からお叱りの言葉が返ってきた。 「最近お前みたいな生徒がおらんくなってなあ」 最近の生徒は、なんでも丸く収めようとしてばかりだという。 周囲の顔色を窺っては自分も歩調を合わせようとする生徒に、先生は不満げだ。 今からずっと前のこと、先生が初めて赴任

    • 「師走」をマラソンと読んだあの頃

      「いよいよ師走!1年の締めくくりをしよう」 もう10年も前だろうか。12月のはじめのことだ。 小学校で配られた学年便りの冒頭に、その文言はあった。 師走。 未知の言葉が目前に現れた瞬間。 私はその正体を探るべく思考を巡らせる。 「先生!これは『いよいよマラソン』って読むんですか?」 質問する私は自信に満ちていた。 私の小学校では、毎年12月にマラソン大会がある。 マラソンは、年内最後の一大行事。 たしかこの日は、マラソン大会まであと1週間を切っていた。 「君の推測

      • 「えんま様」はアイドルグループの売れっ子だった!?【龍谷ミュージアム】[ミュージアムに行こう#002]

        先週末、京都市の龍谷ミュージアムに行ってきました。 この記事では、「特集展示:西七条のえんま堂-十王と地獄の美術-」を取り上げます。 「特集展示:西七条のえんま堂-十王と地獄の美術-」京都・下京区の「西七条えんま堂」に伝わる十王坐像を中心に、「あの世」にまつわる文化財が紹介される展示です。 龍谷ミュージアム事務部のYouTubeチャンネルで、展示準備の様子が公開されていました。 ところで、みなさんは「えんま様」についてどんな印象をお持ちですか? 僕は小さい頃に「悪い

        • インドから日本へ、仏教は広く、寛く。【龍谷ミュージアム】[ミュージアムに行こう#001]

          先週末、京都市の龍谷ミュージアムに行ってきました。 この記事では、龍谷ミュージアムとシリーズ展8「仏教の思想と文化-インドから日本へ-」を取り上げます。 龍谷ミュージアムとは龍谷ミュージアムは「仏教総合博物館」。 西本願寺の「学寮」を起源とし、現在でも仏教研究が盛んな龍谷大学の特色を活かしたミュージアムです。 「大学博物館の枠を超え、街に開かれた仏教総合博物館として展覧会事業を通した仏教文化の普及に努める」ことを理念として掲げており、かなり充実した展示環境が整っています

        「尖って生きろ」というけれど

        • 「師走」をマラソンと読んだあの頃

        • 「えんま様」はアイドルグループの売れっ子だった!?【龍谷ミュージアム】[ミュージアムに行こう#002]

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          noteの連続投稿が途絶えたら、気が楽になった話。

          noteの連続投稿が途絶えた。 初投稿から、騙し騙し60日間続けてきた連続投稿だった。 絶望に包まれるのかと思っていたけれど、実際はその真逆で、僕は肩の荷が下りたように気が楽になった。 初投稿は8月20日。 初めて近くの山に登ったことを取り上げた。 何度も何度も推敲を重ね、執筆に1日以上をかけた大作だ。 それから、せっかくなら毎日投稿に挑戦したいと思って、毎日投稿を続けることにした。 毎日投稿を続けたら、noteが褒めてくれる。 最初は数字が1つずつ増えていく

          noteの連続投稿が途絶えたら、気が楽になった話。

          ありがとう、津野米咲さんと「Joy!!」のこと。

          何気なくネットニュースを眺めていたら、「津野米咲さん 死去」の文字列が目に飛び込んできた。 僕の脳が、すぐに反応した。 津野米咲さんといえば、あの「Joy!!」の作詞・作曲者だ。 まだ僕が中学1年だったある日、食卓のテレビでSMAPが歌っていた。 無駄なことを 一緒にしようよ 忘れかけてた 魔法とは つまり Joy!! Joy!! どこか吹っ切れたような前向きな歌詞と、明るい曲調。 これが、僕と「Joy!!」との出会いだった。 「Joy!!」との出会いをきっかけ

          ありがとう、津野米咲さんと「Joy!!」のこと。

          「天のくに・天川村」を歩く旅〔4.みたらい渓谷〕

          (この記事は「天のくに・天川村」を歩く旅〔3.洞川散策〕の続きです) 9月13日から1泊2日で奈良県の天川村に行ってきました。 この記事では、最後の訪問地・みたらい渓谷の様子をお伝えします。 みたらい渓谷には遊歩道があります。 この遊歩道は、天川村の川合集落と洞川集落を結んでいます。 今回僕は、川合から洞川に向かって歩くことにしました。 宿泊していた洞川温泉からバスに乗り、天川川合で下車。 このバス停に隣接した「天川村総合案内所」には、きれいなトイレがありました。 こ

          「天のくに・天川村」を歩く旅〔4.みたらい渓谷〕

          「天のくに・天川村」を歩く旅〔3.洞川散策〕

          (この記事は「天のくに・天川村」を歩く旅〔2.洞川温泉〕の続きです) 9月13日から1泊2日で奈良県の天川村に行ってきました。 この記事では、洞川集落を散策する様子をお伝えします。 お世話になった旅館を出て、最初に向かうのは鍾乳洞。 山腹にある鍾乳洞に到達するためには、山を登らなければなりません。 そこで登場するのがモノレールです。 下の乗り場でインターフォンを押すと来て下さいました。 写真では分かりづらいですが、かなり急な斜面を登ります。 体を支えているのは背もたれ

          「天のくに・天川村」を歩く旅〔3.洞川散策〕

          「天のくに・天川村」を歩く旅〔2.洞川温泉〕

          (この記事は「天のくに・天川村」を歩く旅〔1.大峯登山〕の続きです) 9月13日から1泊2日で奈良県の天川村に行ってきました。 この記事では、宿泊した洞川温泉の様子をお伝えします。 大峯山から旅館のおっちゃんが運転する車に乗って、この日宿泊する「桝源旅館」に到着しました。 洞川温泉街の一角に位置する行者宿です。 道に面した部屋に案内してもらいました。 縁側のちょうど真上の窓が、僕の部屋の窓です。 とにかく部屋が広い! 部屋に入ってすぐに、道に面した8畳の部屋がありま

          「天のくに・天川村」を歩く旅〔2.洞川温泉〕

          「天のくに・天川村」を歩く旅〔1.大峯登山〕

          9月13日から1泊2日で奈良県の天川村に行ってきました。 この記事では、最初の目的地である大峯山登山の様子をお伝えします。 大峯山は、役行者(えんのぎょうじゃ)が開き、平安時代から盛んになった修験道(しゅげんどう)の道場として知られています。 修験道は、山岳修行によって呪力を体得する信仰のこと。 こうして修行する人のことを「山伏」と呼び、現在でも多くの山伏が大峯山を訪れるそうです。 旅の始まりは近鉄吉野線の下市口駅。 8時20分の始発バスは、洞川(どろがわ)温泉ゆき急行

          「天のくに・天川村」を歩く旅〔1.大峯登山〕

          もしかして「好き」と「嫌い」は紙一重?

          みなさんは、プロ野球に「好きな球団」「嫌いな球団」がありますか? 僕は長年「アンチ巨人」です。 「関西出身なら阪神ファンですか?」って聞かれることもあるけど、別にそこまで阪神に入れ込んでいるわけではありません。 だって、巨人は「球界の盟主」ですよ? つまり、巨人は「勝って当然」なわけです。 「勝って当然」のチームが勝ったって、面白くないじゃないですか。 「勝って当然」のチームが負けるから、ドラマになるんですよね。 というわけで、僕はいつも「巨人が負けないかな〜」と思

          もしかして「好き」と「嫌い」は紙一重?

          本編はエンドロールのためにある

          「本編のオマケのエンドロール」じゃなくて、 「エンドロールを楽しむための本編」って言ってしまってもいいんじゃないか。 昨日の「金曜ロードSHOW!」で、『コクリコ坂から』が放送されていました。 ところが映画の本編が終わったら、すぐに番組の宣伝に移ってしまったんです。 エンドロールを待ちわびていた僕にとっては、非常に残念なことです。 そもそも、エンドロールをみるか否かについては色々な人がいて、 映画館でも、本編が終わったらそそくさと席を離れる方が結構いらっしゃいます。

          本編はエンドロールのためにある

          「です・ます」か、「だ・である」か。

          昨日初めてnoteに記事を投稿しました。 そこで問題になるのが、「敬体と常体、どちらを使うべきか?」ということ。 そもそも、敬体とは「です・ます調」、常体とは「だ・である調」のことです。 僕は元来、大抵の文章で常体を使ってきました。 主な理由はこの2つ。 1 文末のバリエーションが増える 2 文量が少なく済む 敬体だと、どうしても文末が「です」「ます」ばかりになってしまいます。 そもそも「文末に『です』or『ます』をつける」のが基本的な敬体の作り方なのだから、これは

          「です・ます」か、「だ・である」か。

          「日が昇るたかまど山」ってどんなトコ?

          日が昇る たかまど山に さわやかに 草木はのびる 中高生のころ、ことあるごとに歌った「学友の歌」の冒頭。 奈良を歩いていると、街の東南に高円山(たかまどやま)がよく見えます。 毎年8月15日には「奈良大文字送り火」が行われるのもこの山。 つまり高円山は、奈良にとって、僕にとって、非常に馴染み深い存在なんです。 しかし僕は、いまだに高円山に登ったことがなかった。 そんなわけで昨日、行ってみることにしました。 この日も奈良の街からは高円山が見えています。 頂上付近に木がなく、

          「日が昇るたかまど山」ってどんなトコ?