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ありがとう、津野米咲さんと「Joy!!」のこと。
何気なくネットニュースを眺めていたら、「津野米咲さん 死去」の文字列が目に飛び込んできた。
僕の脳が、すぐに反応した。
津野米咲さんといえば、あの「Joy!!」の作詞・作曲者だ。
まだ僕が中学1年だったある日、食卓のテレビでSMAPが歌っていた。
無駄なことを 一緒にしようよ
忘れかけてた 魔法とは
つまり Joy!! Joy!!
どこか吹っ切れたような前向きな歌詞と、明るい曲調。
これが、僕と「Joy!!」との出会いだった。
「Joy!!」との出会いをきっかけに、僕の世界は広がっていった。
この曲は、テレビドラマ「幽かな彼女」の主題歌だということ。
それまでの僕は、テレビドラマを観たことがなかった。
けど「Joy!!」についてもっと知りたくて、翌年に再放送された「幽かな彼女」を全部録画した。
ドラマのストーリーと「Joy!!」の歌詞が、どことなくリンクしている気がして楽しかった。
「幽かな彼女」への熱が高じて、学園祭のクラス演劇で脚本に挑戦した。
「人生うまくいかないこともたくさんあるが、それも後から思い返せば全部正解だ」みたいな、今はもう見返せないくらい恥ずかしい内容だったけど。
「Joy!!」との出会いから5年が経って、高校3年になった僕は大学受験のため東京に行った。
そういえば、「幽かな彼女」のロケ地は東京だったな。
ドラマのロケ地を訪れたのは、このときが初めてだった。
香取慎吾さん演じる主人公の住むマンション「メゾン羽生」こと「求道会館」を、実際に見ることができた。
5年前テレビでみた建物が、目の前にあるのは不思議な感覚だ。
ドラマではあんなに騒がしかったのに、実際に行ってみるとなんだかよそよそしい感じがした。
ちなみに、このときの受験は失敗した。
その後1年の浪人を経て、僕はいまの大学にいる。
実は「Joy!!」と出会ったとき、僕は作詞・作曲者についても調べていた。
津野米咲さん。
当時はまだ、インターネットで検索してもほとんどヒットしなかった気がする。
今日知ったのだが、津野さんが「Joy!!」を書いたのは活動開始から3年目、21歳のときだったそうだ。
「Joy!!」を書いた津野さんは、いまの僕とほぼ同い年だ。
津野さんのメッセージは、あの頃の僕に確かに届いていた。
いま、「Joy!!」は僕の価値観になった。
「寄り道するから、人生は豊かになる」
僕の座右の銘の1つだ。
これまでの人生で、僕なりに「無駄なこと」をたくさんしてきた。
ベタな脚本も書いたし、大学受験にも失敗した。
でも僕は、これからも「無駄なこと」をやめるつもりはない。
「Joy!!」は歌う。
どうにかなるさ 人生は
明るい歌でも歌っていくのさ
Joy!! Joy!!
あの頃の僕らに
今夜だけでもいいから
朝まで Joy!! Joy!!
津野さんからのメッセージを抱きしめて、僕は今日も生きる。
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