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ローリング・ストーンズの好きな曲31位-40位

彼氏になりたい
パラシュート・ウーマン
イフ・ユー・キャント・ロック・ミー
イッツ・オンリー・ロックン・ロール
エモーショナル・レスキュー
オール・アバウト・ユー
シー・ワズ・ホット
サッド・サッド・サッド
ミックスト・エモーションズ
フリップ・ザ・スイッチ

■ローリング・ストーンズの好きな曲31位ー40位
順位はつけられないので今回も発表された順になっています。加えて同じアルバムに収録されている場合は曲順で並べています。ロック・パターンの曲が多くなりましたが21位ー30位がバラエティに富んでいたのでその反動もあるのかもしれません。カバー曲に類するそれを含めて七曲がロックンロール、ブルースが一曲、ファンクが一曲、キース・リチャーズのボーカル曲が一曲です。なんとなくストリート・スライダーズのアルバムみたいな構成になったような気がします。一方ではこの構成は海苔弁当(のり弁)を連想させられます。確かオカズが三品、白身魚とちくわの天ぷらとから揚げ、それ以外がご飯の上に海苔が乗っている状態のお弁当、値段も安くて飽きさせないのも魅力です。前回の多種多様の21位ー30位が幕の内弁当みたいでした。そのようなことを考えると後に主婦になった女性ミュージシャンはアルバムを作るような要領で主人や子供のお弁当を作っているのではと思っています。幕の内弁当みたいな日やのり弁みたいな日もあるのかもしれませんがたまに怒られるようなことをしでかしたら作ってもらえず外食へ、定番は吉野家の牛丼並盛りですがこれはご飯と牛肉で構成されていてロックンロールとブルースで構成されているアルバムみたいです。ロックンロールに寄せているブルース・マンのアルバムはこのような感じかもしれません。

「彼氏になりたい」
「彼氏になりたい」は1963年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲でセカンド・シングル、作詞作曲はジョン・レノンとポール・マッカートニーです。後にビートルズがセルフ・カバー、メイン・ボーカルはリンゴ・スターです。初期はともかくカバーに躊躇のないローリング・ストーンズ、それは黄金期から断続的に継続、むしろ、その黄金期に積極的なイメージさえ感じられますが結果的に探求心を刺激、原曲と比べるのが楽しいです。「彼氏になりたい」はビートルズらしさとローリング・ストーンズらしさが示されています。やはり、ビートルズは四人が歌えるという特徴を発揮、一方、ローリング・ストーンズはブライアン・ジョーンズが活躍、スライド・ギターの迫力が際立っています。スライド・ギターは「リトル・レッド・ルースター」のイメージが個人的には強いです。ガイド・ブック等を読んで「彼氏になりたい」がスライド・ギターと知りました。このようなスライド・ギターを後に聴くこともないですがローリング・ストーンズの多面性を確認させられます。加えてピル・ワイマンのベースも印象的です。ローリング・ストーンズはキース・リチャーズのギターとチャーリー・ワッツのドラムの関係が密接、故にベースの自由度が増すらしいですがそれを納得させる「彼氏になりたい」です。この曲から感じられることはビートルズは曲を作るという意識が強いことでローリング・ストーンズは演奏するという意識が強いことです。

「パラシュート・ウーマン」
「パラシュート・ウーマン」は1968年に発表されたローリング・ストーンズのアルバム「ベガーズ・バンケット」の収録曲でブルース・ナンバーです。「ベガーズ・バンケット」はブルースに寄せたアルバムですが中でも収録曲の「ストレイ・キャット・ブルース」は異彩を放ったブルース・ナンバーです。ローリング・ストーンズを機会にマディ・ウォーターズ、B.B・キング、ロバート・ジュニア・ロックウッド、さかのぼって、ロバート・ジョンソン等、いくつかのブルースの巨匠や名盤を聴いてみましたがそれらには「ストレイ・キャット・ブルース」ほどの特殊で緊張感のあるブルースはありませんでした。ロック・バンドのローリング・ストーンズだからできるブルースと解釈していますが後に「ミッドナイト・ランブラー」、「シスター・モーフィン」等に受け継がれています。一方、真正面からブルースと向き合ったのが「パラシュート・ウーマン」です。カバー曲と疑わないくらい純度の高いブルース、手っ取り早く先人たちをカバーすれば済みそうですがそうしなかったことに真摯にブルースに取り組むローリング・ストーンズを確認することができます。

「イフ・ユー・キャント・ロック・ミー」
「イフ・ユー・キャント・ロック・ミー」は1974年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲、オリジナル・アルバム「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」のオープニング・ナンバーです。ぶっきらぼう、単純明確、そのような言葉が浮かんでくるようなギター・リフが痛快な曲です。キース・リチャーズによるリフと思いますが性格も滲み出ているような気がします。ローリング・ストーンズはキース・リチャーズのギターとチャーリー・ワッツのドラムが土台を作っていると聞きますがそれも理解できそうな言わば二人のキャッチ・ポールが展開されている曲、加えてグルーヴという言葉が当てはまるような曲でもあります。ドラムの圧も迫力がありますがスタジオなのかエンジニア等の特殊な技術なのかは分かりませんが目を見張るものがあります。実はそのあたりは鈍感、それ故に感じられるのはやはり特殊な細工が加わっているような気がします。ライヴ・アルバムの「ラヴ・ユー・ライヴ」では「一人ぼっちの世界」とメドレーで演奏、自然な繋がりから「一人ぼっちの世界」が手本になっていると思うのはストーンズあるあるかもしれません。

「「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」
「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」は1974年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲、同名アルバムのタイトル曲及びシングル曲です。ローリング・ストーンズのロックンロール・ナンバーと言えば「サティスファクション」や「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」を連想させられます。これらはロックンロールの最新型や未来に向けた意志を感じさせます。一方、「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」はロックンロールの伝統的なスタイルを感じさせます。付随して「ブラウン・シュガー」や「ハッピー」にもそのような意識を感じられます。個人的にはストリート・スライダーズを連想させられる「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」です。ストリート・スライダーズの「EASY ACTION 」は間違いなくこの曲から影響を受けていると思います。この曲に限らずストリート・スライダーズはローリング・ストーンズを手本にしているのが一目瞭然です。ところがストリート・スライダーズには似合わないローリング・ストーンズの曲もいっぱいあります。一例を挙げると「2000光年のかなたに」、「悪魔を憐れむ歌」、「アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト」等、なんとなくミック・ジャガーが横道無尽に動き回っている様子を想像できますがよくよく考えるとミュージック・ビデオで見られる泡まみれはストリート・スライダーズのハリーには似合わないです。あのミュージック・ビデオ、チャーリー・ワッツが一番、最初にダメージを受けているのが面白いです。

「エモーショナル・レスキュー」
「エモーショナル・レスキュー」は1980年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲及び同名のアルバム・タイトル曲です。ミック・ジャガーのファルセットが印象的、不評の声も聞きますがアルバムを通して聴くと良好なアクセントになっています。アルバム「エモーショナル・レスキュー」はファンク、レゲエ、ディスコ、加えてカントリー、ブルース、そして、キース・リチャーズのボーカル曲、それら以外のロック・パターンが四曲の計十曲で構成されています。キッチリと明確に示されているので聴きやすいです。付随して充実が当てはまる内容、例えるならロック・パターンの四曲がご飯でそれら以外の六曲がオカズ、作ってもらうお弁当の理想的なパターンです。作ってもらうお弁当は飽きることがありません。だからなのかもしれませんが聴く機会が多いアルバムです。大胆にファルセットを試みたミック・ジャガー、それは器用さの表れだと思いますが最も発揮されるのはコンサートでのステージ・アクションです。ガイド・ブック等でそれを取り上げ賞賛されることも少ないので過小評価が当てはまるそれなのかもしれません。因みにファルセットは例えるならお弁当のオカズのソースのないチキン・ナゲット、それがないと味気ないです。学生の頃、母親が作るお弁当にはソースがないことが度々ありました。

「オール・アバウト・ユー」
「オール・アバウト・ユー」は1980年に発表されたローリング・ストーンズのアルバム「エモーショナル・レスキュー」の収録曲、キース・リチャーズが歌うクロージング・ナンバーです。キース・リチャーズのハスキー・ボイスが沁みるバラード、キース・リチャーズのバラードは疲労感が滲み出ていますがこの曲も該当、歌詞も確認すると疲れたという言葉があちこちで確認することができました。ミック・ジャガーが歌うには不釣り合い、何しろ、健康志向のミック・ジャガーが歌っても説得力がありません。仮説になりますがキース・リチャーズが提案するバラードは疲労感を示した曲、でも、結局、ミック・ジャガーの解釈から感傷を示す曲へとすり替わってしまっているという可能性です。アクターとしての素質や健康志向を考えると充分にありえることのように思えますが個人的な解釈はバラードの役割として疲労感のキース・リチャーズ、感傷のミック・ジャガーと位置付けています。「オール・アバウト・ユー」は疲労感が滲み出ていますが感傷も表れていて疲労感と感傷がほどよくブレンドされています。比率で表すと60%と40%で疲労感が多いような気がしますがミック・ジャガーがこの曲を歌っていたら感傷が勝っていたのかもしれません。付随して仮にミック・ジャガーが歌ったら「愚か者の涙」みたいになるようにアレンジが加わっていたかもしれません。

「シー・ワズ・ホット」
「シー・ワズ・ホット」は1983年に発表されたローリング・ストーンズのアルバム「アンダーカヴァー」の収録曲及びセカンド・シングル曲です。「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」に並ぶ伝統的なスタイルのロックンロール・ナンバー、ところがエレキ・ギターは暴力的な音、まるでチェーンソーのような唸り方や暴走族の爆音を連想させられます。この組み合わせにギャップもあって興奮させられます。アルバム「アンダーカヴァー」に誘導させられてそのようになったのかもしれませんが「刺青の男」に収録されていたらもっとマイルドな音になっていたことでしょう。勝手な思い込みですが「シー・ワズ・ホット」のギターの音はキース・リチャーズ自身はあまり好きそうな音ではありません。とは言え、キース・リチャーズが好みそうなタイプの曲調です。セカンド・シングルというのも納得、「アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト」がミック・ジャガー寄りの曲だからという短絡的な理由です。「シー・ワズ・ホット」のエレキ・ギターの音が好み、例えば「スタート・ミー・アップ」のエレキ・ギターがそのようなチョイスだったら良かったとちょっと不謹慎なことを考えたりもしています。

「サッド・サッド・サッド」
「サッド・サッド・サッド」は1989年に発表されたローリング・ストーンズのアルバム「スティール・ホイールズ」の収録曲及びオープニング・ナンバーです。清々しいロックンロール・ナンバー、ミック・ジャガーが曲タイトルの部分を歌うとそれに応えるようなキース・リチャーズのギター・リフが好感触、付随してコンビネーションやキャッチ・ボールが良好です。「スティール・ホイールズ」の収録曲の「ミックスト・エモーションズ」と良好な関係の「サッド・サッド・サッド」、これは「イフ・ユー・キャント・ロック・ミー」と「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」の関係に似ています。故にアルバムの「スティール・ホイールズ」はアルバムの「「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」を手本にしていると思っています。確かにロック・パターンを中心にした両アルバムですが大きな違いは異色作の「コンチネンタル・ドリフト」が「スティール・ホイールズ」に収録されていることです。この曲があるかないかでアルバムの印象も大分、異なります。わざわざ、この曲の為にモロッコに行って現地のミュージシャンとセッションを行なったという話にはアルバムに対しての情熱が感じられます。

「ミックスト・エモーションズ」
「ミックスト・エモーションズ」は1989年に発表されたローリング・ストーンズのアルバム「スティール・ホイールズ」の収録曲及びシングル曲です。ミック・ジャガーとキース・リチャーズの和解を示す映像の後押しもあって実に晴々とした気分にさせられる曲です。ストーンズ・サウンドのど真ん中を射抜く典型的なロック・パターンと思いますがこの感覚は新鮮、リアル・タイムで背景を知っているから尚更なのかもしれないです。「ダーティ・ワーク」やキース・リチャーズのファースト・アルバムでもダイレクトに示されていた不仲ですが反動として大変な盛り上がりに繋がった仲直りです。喧嘩するほど仲が良いと言われますがこれも典型的なパターン、夫婦漫才みたいで笑みも浮かびます。あの頃、ミック・ジャガーやキース・リチャーズに限らずメンバー各々、ソロ活動が目立ちましたが二人共、他のメンバーのソロ・アルバム等を絶賛していて、一方、互いのアルバムについては和解後も酷評し合っていたのは実に面白かったです。以前、漫才コンビのおぼんこぼんの不仲、仲直りも話題になりましたが必然的にあの頃のミック・ジャガーとキース・リチャーズのことを思い出します。

「フリップ・ザ・スイッチ」
「フリップ・ザ・スイッチ」は1997年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲、アルバム「ブリッジズ・トゥ・バビロン」のオープニング・ナンバーです。怒りや不快の解消の手段として異議や反抗、立ち向かう為の防御や攻撃、時に復讐、つまり、それらがロックンロールだと思っています。付随してロックンロールとは?という問いや自問自答はエレキ・ギターと答えますが「フリップ・ザ・スイッチ」はこれらに当てはまる曲です。根源となるのは権力、立場の有利に基づく態度や言動に触れると言わばロックンロール・スピリッツの意識や感覚が呼び寄せられますが具体的な出来事として浮かぶのはサーやナイトの称号をキース・リチャーズが否定を貫いたことでした。それを連想させる「フリップ・ザ・スイッチ」のギター・リフはキース・リチャーズで間違いないと思いますが痛快で勇気を後押しさせられます。権力とは異なりますがこの曲を聴いて浮かぶ光景はステージに上がってきた客をギターで殴るキース・リチャーズです。動作として極めてなめらか、ギターのストラップを首から外してネックを両手で握ってギターのボディで一撃する様はスムーズでギターを持ち慣れていないとできないことです。付随してギターの形をわきまえた扱いは流石、それに止まらず淡々と弾きあらためる様も同様、冷静さも示されていて唖然とさせられます。一括でロックンロールやキース・リチャーズ、加えてエレキ・ギターの役割を象徴するような場面ですが特にキース・リチャーズに寄せる信頼はこの出来事は大きいです。首からぶら下がった勲章よりもやはりギターをぶら下げているほうがキース・リチャーズらしいです。


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