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死んでもいい (映画057)

「死んでもいい」

原作は西村望の「火の蛾」、「死んでもいい」は1992年に公開された石井隆監督作品です。大竹しのぶ、永瀬正敏、室田日出男、それらが演じる登場人物の三角関係と殺人、ジャンルとしてサスペンスとラブ・ストーリーに位置付けられるのかもしれませんが緊張感があって終始ドキドキさせられた映画でした。大竹しのぶと室田日出男は夫婦で不動産屋、そこで働くことになった永瀬正敏が演じる青年と不倫関係となる大竹しのぶが演じる妻、結果、共犯で室田日出男が演じる夫を殺人、そのような物語です。夫婦仲は悪くはないし、夫も悪い人間ではないですが、年の離れた夫婦というのが要因なのかと思ったりもします。青年の不安定さも滲み出ていて年上の異性は魅力的に見えたりもするのかも、また、見かけは怖そうですが優しい夫というのも隙を作ってしまったのかもしれません。あれこれと考えて勝手に解釈、納得するのは個人の自由ですが、確かなことは場合によってはいくつかの事柄が重なると不倫や殺人に至ってしまうということです。加害者になる場合も被害者になる場合もあるのかもしれませんが本作の場合は加害者の心理が強調されていてうっすら不幸や悲劇がわかっていながらの行動が虫の本能や宿命のようで原作のタイトルと映画のタイトルも納得です。

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