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世界から僕が消えても
※この話にはイジメ、自殺未遂などの言葉が出てきます。気分が落ち込んでいる方、感情の引っ張られやすい方は読む際には自己責任でお願いします。
「ばいばい」
たったその一言で僕は世界から消えた。大多数の人は僕が消えたことにすら気付かないような世界。数日経てば気付く人も出てくるのかもしれないが、気付いたとして、そこで仮に一瞬話題にあがったとして...本当に一瞬のこと。
僕は幼い頃は誰とでもすぐに打ち解
靑白く烟り沇るる霏往くは
岡平 光希
岩瀬 翔
光希:カチッと言う安物のライターの音と共に俺は軽く息を吸う。ジジっと微かに煙草の先端に火が点る。空気と共に大きく息を吸い、煙を肺に充満させる。それからふぅ、と溜息にも似た息を吐き出す。口から出た白い息は霞のように拡がり消えて行く。煙草の先からは青白い煙が燻る。その行方をじっと見つめていると喫煙室のドアが開いた。
翔「お疲れ様でーす。あれ?先輩、辞めたんじゃなかったんです
世界からボクが消えたら
山中 将平
吉野 駿
幾井 司
三苫 寿樹
将平:確かにここに居るはずなのに。声が届かない。僕の存在は恐らく空気中の二酸化炭素よりも認識されていない。きっとみんなからしてみれば背景の一部。それ以上でもそれ以下でもない。
SE:教室の雑踏
将平:朝教室に着くと僕の席には違う人が座っている。僕の隣の席の幾井くんと後ろの席の吉野くん、その2人と仲のいい三苫くんが、まるで当然と言った顔でその席で談笑
前略、20歳の僕へ。
『思い返すと充実した毎日がそこにあって、昨日の事のように鮮明に思い出されます。君は今、キラキラとした学生生活を送っているね。学校の友達にバイトの仲間。偉そうに後輩に実習指導なんかもしてさ。バイト先では店長にも認められて本部のビルのある店舗にも引き抜かれて。学校に行ってバイトに行って、たまの休みには彼女とデートをして。学園祭の実行委員なんかもやったりして。そろそろ卒業も迫ってくる時期だけど、特に何も
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