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マシマロを聴くと、気が楽になる

私はあまり好き嫌いがない。好きはあるが、嫌いな食べ物はほとんどない。ただ1つだけ苦手なものがある、マシュマロだ。

マシュマリストの方には、申し訳ないが、いかんせんあまり良さがわからない。あのシュワシュワと口の中で溶けていく感じが苦手なのだ。それがきっとマシュマロの良さなんだろうけど、私にとっては、なにを食べているのかよくわからない、捉えどころのない感じが苦手だ。

でも、奥田民生のマシマロは好きだ。とても好きだ。マシマロという曲名なのに、マシマロは本文とは関係ないって歌っちゃうのが好きだ。関係ないのだけど、ちょっと似ている感じもする。聴き出すと、テンポが良くて、あっという間に終わってしまう。歌詞も意味があるようなないような、捉えどころがない。ただ聴き終えた後は、何とも言えぬ心地よさが残る。気が楽になる。不思議だ。

そんなマシマロとの出会いは中学生のころだ。当時、同じく民生の「さすらい」にドハマりしていた私にとって、奥田民生はとても生き様がカッコいい大人だった。まさに奥田民生になりたいボーイど真ん中だった。そんな民生が新曲としてマシマロを出すと聴いて心が躍った。

そんな奥田民生になりたいボーイですら、初めて聴いたとき、正直良さがあまりよくわからなかった。なんかふざけた曲というかギャグっぽい曲なんだなぁと感じた。ただ不思議にとても耳に残った。一度聴いたら忘れられない曲だった。だから当時もそれなりに聴いていた。なぜかわからないが心地よくなるからだ。

奥田民生は、ちょっと表向き飄々としているし、ちょっとどこかふざけたオジサンな感じがする。でも曲を聴くと、熱い何か、とても熱い何かを感じる。じわじわと心の奥のほうで感じさせる。だから、曲を聴いた後は、心が動かされるので、もう少しだけ頑張ってみるかと感じることがよくある。

ポイントは、めっちゃ頑張ろうというより、まぁいろいろあるけど、もう少しだけ頑張ろうかなという点だ。自己啓発ぶち上がり系ではなく、それとなくじわじわ系だ。

マシマロは、そんな民生の良さが抜群に出ている。パッと聴くと、ふざけた曲な感じがする。PVもどこかというか大真面目にふざけている気がする。テンポがよいから左から右に流れてしまうが、実はところどころのメッセージがサブリミナル的に突き刺さってくる。

雨降りでも気にしない、遅れてても気にしない、笑われても気にしない

冒頭は気にしないシリーズで始まる。この歌詞も深いことを言っている気がするが、アップテンポで軽快な分、流れていく。これがスローテンポな曲だったら、ちょっとしんみりし過ぎてしまう。

だめな僕を気にしない

そして、だめな僕を気にしないとくる。でも聴いているとそんな強いメッセージというか、サッと流れてしまう。この大事なこともサッと流してしまうのが凄いところだ。だから気が重くならずに、軽くなるのだと思う。

げにこの世はせちがらい、その点で君はえらい

せちがらい世の中で頑張っている人を讃えている気もするが、リズミカルな曲調があいまって、どこかふざけている感じにも聴こえる。

いっしょにパイを投げよう

あっ、やっぱふざけてたんだ。

君に口出しは無用、ただ静かに見ていよう
君とともにいれるよう、日々努力し続けよう

あっ、でもやっぱふざけてない。なんかいきなり熱いのをぶっこまれた感じがする。ずっと同じ曲調だから、なにがなんだかわからなくなる。

そして、最後にあの名言が飛び出す

マシマロは関係ない、本文と関係ない


いや、関係ないんかーーーーーーーーーーい


最後の最後の読後感はこれで終わる。

完全に気が抜ける。気が楽になる。

そして、いつの間にか受け取っている民生からのメッセージに

勝手に心が動く仕掛けになっている。

名曲すぎる。

ぜひ、悩み過ぎてしまった夜におすすめです。


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