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素敵なクリエーターさん達の作品をお勧めしたいマガジン

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私の心が素直に動いた、他の方の素敵なお勧めしたい作品の掲載。 最近は、作者の方にきちんと許可を得て掲載してます。
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#自由詩

詩「崩壊」

腹筋は崩壊しないし 涙腺も崩壊しない 感情が震えれば仰々しくなく笑い 縺れることなく泣く 建物は崩壊するかもしれないし 家族も崩壊するかもしれない でも世界は崩壊しないだろうし 不安は煽られないだろう お好み焼きをひっくり返すように 言葉をひっくり返してみればいい 崩壊しそうになったら 感情を解放してみればいい

【詩】くらげ

世間を泳ぐ 何度か波に沈みながらも 本当は ぷかぷか浮かぶ くらげみたいに ただ身を任せて 漂いたい #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

題名 「見えない影」

皆が持つ心 そして抱えているもの。 表面には見えない 数々の思いが影を作りだす。 揺れる影を曇らせ 心の中で深く彷徨い 生きる理由を問う。 内へと秘め込み 追いつかない影を さらに追いかけて 誰も居ない砦に迷い込む。 そして外を映す鏡は幻のように 煌めき揺らめいている。 本当の真実が何も見えないまま 微熱の日々は続き 自分を責めて 誰かを攻めて すべてを拒絶する。 否定の日々が心を走り抜け さらに自分は傷を負う。 その姿に震えが止まらず もう充分だろうと囁きが聴こえる。 自分

【詩】嫌い

嫌い という二文字は たったのこれぽっちで 人を 泣かせることが できる なんと 豪華な捨て台詞であることか なんと 痛々しい響きであることか それだけで 血にまみれる廃人が うようよしていることを あろうことか 当に放し飼いしている君は 知らぬまま 嫌い という二文字は たったのこれぽっちで 人を 死に追いやることが できる なんと 効果的な技であることか なんと 原始的な武器であることか それだけで 人生をさまよう人が 数多となくいることを まさかまさか

【詩】自分知らず

強がりの 後ろに隠れる臆病が 見つけて欲しいと 寂しがる 心が寒いと 涙を流す そんな私を 知りたくないと 知らないふりをすることは 強がりなのか臆病なのか そんなことも分からない 私は私を何も知らない

【詩】堤防にて

防波堤の突端で猫と一緒に 波の浮き沈みを くつろぎながら 眺めている 隣で魚を釣っているおじさん 小魚を釣ると 猫の前に置いて 美味しそうに 猫は魚を食べる 釣り人がくれる魚を のどかな空気の中で 猫は毛づくろいをして 昼寝をして 気長に待つ サンダルを持って ゆっくりと歩いていると 猫もまた 後ろを追いかけるように ゆっくりと歩く 都会の喧騒はそこにはない 汚れたとは言わない ズルくなったとも言わない ただ都会の生き方に 慣れてきただけ 無邪気だったあの頃 都会

【詩】星空

夕暮れに 浮かび始める街並みは 化粧をしたように華やかで 眩しさを少しずつ 受け取りながら すり抜けるような 帰り道 陽が落ちたら 夜空の時間 集めた光を心に灯し ここに居るよと上を向く 目が合う星を探してみる 私らしく瞬けば 誰かがきっと気付いてくれる 私が私を信じれば 誰かがきっと見つけてくれる 空は広く 星は数多に

【詩】銀河系

止めてしまえば楽なことを 僕はなぜ続けているんだろう 追い立てるのは 人ではない 時間でもなければ 考えてみれば 僕は追い立てられていない 誰からも 自分からも 追い立てられなければいけない世界 追い込まれる世界 追い込む世界 追いつめる世界 人工的に出来た円の中で 喜び悲しみ つついて笑い泣かせても 見てるだけ 僕はそれを黙って見ている 円の中を 重みを得た球は円の外に はじき出される 球の重さなんて人それぞれで きっとかまわない 円の外に出そうな男の子を

【詩】煙立つ

炭焼の煙立つ空  夕暮れの 冷える体に湯吞かな #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】偽り

いつも自分に嘘をついて 周りに流されながら 仲間外れにされないように 空気を乱さないように いつも自分を裏切って 周りに合わせながら 風に飛ばされないように 投げ出されないように 「にせもの」の自分と 「ほんとう」の自分 慎重に選んで 倒れないように 自分を支える #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】こころの音

落ちる髪には音もなく 私だったものが 消えていく 離れる心にも音はなく 二人だったものが 消えていく 響かなくなったことに 気付けないから 気付かない 二人が遠くなった夜 心をもっと 澄ましていたなら あなたから 私が落ちていく

終演

心で喜んでみては その分だけ 苦く 苦しい思いをする かけ引きとかは 昔から嫌い まるで盤上のゲームみたいに 敗者は頭を項垂れるだけ ブレーキの故障で 先走り過ぎて そっと 追いかけていた背中を 追い越してしまったみたい 手を伸ばしても 手を伸ばしても あなたを掴まえる事は 私には難しかった 哀しいのに 苦しいのに 涙の流し方もわからない 無慈悲で曖昧な言葉だけが 脳裏でフラッシュバックする どうせ 無関心な対象物ならば 切って捨てれば良かったのに 優

題名 「旅立ちの時」

朝焼けを見つめながら 少しざわつきを覚える。 あらゆる場面が思い浮かび 過去からの記憶が ゆっくりと今へ届き 胸を熱くする。 大切にしてきた儚い日々が 目の前に映ると 心が弱くなり後ろを向く。 でもこれからは お互いの道を それぞれに歩む時。 前を向けと心が急かし 重くなる背を 秋風はそっと押していく。 溢れる涙の濡れたまつ毛は 微笑みが乾かす。 約束は出来ないけど またいつの日か… そんな思いが心を駆けめぐる。 さよならは告げず 永遠へ向かう姿を 見つめるように 大きく手を

【詩】感情制御

浮き沈みの激しい感情を制御して 何に抗うのでもなく 「普通」のふりして生きている #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #日常 #スキしてみて #眠れない夜に