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トレーナーインタビュー③

第3回目は、現在プレミアリーグ
Arsenal Football Club(アーセナルFC)にてスポーツセラピスト(soft tissue therapist)として活躍されている
山本 孝浩(やまもと たかひろ)さんにインタビューさせていただきました。


経歴

山本 孝浩(やまもと たかひろ)

メディカルトレーナー/ストレングストレーニング指導系の学校→
日本鍼灸理療専門学校 本科(花田学園)

所有資格:鍼灸、あん摩マッサージ指圧師、JSPO-AT

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現在

プレミアリーグアーセナルFCにて、スポーツセラピスト(soft tissue therapist)として、働かれています。

山本さんは、ローマやパルマ、ボローニャ、フィオレンティーナ、ボルトン(中田英寿選手のパーソナルトレーナーとして)

その後、ウェストハム、さらにはイタリア、イングランド、ウェールズ代表でも活躍されていました。

イギリスでセラピストとして活躍されている、日本人のパイオニアと言っても過言ではありません。

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なぜセラピスト(トレーナー)を目指したのか

高校時代は野球をやっており甲子園を目指していました。

当時はサッカーより野球の方が人気がありました。高校二年生の頃、怪我をしてドクターストップがかかりました。

途中で部活を辞めて何をしようかと考えたとき、自分自身も経験した、スポーツ障害、外傷に興味を持ちました。同じ部員にも怪我をしてる人が多く、本を読んで色々、調べていました。

高校生の時から、興味を持っていました。

花田学園に入学する前から、民間のフィットネスクラブでトレーニング指導をしていました。そのあと「三宅スポーツマッサージ」にて、昔でいう修行(勉強)をさせてもらっていました。

専門学校は国家試験を取るための基礎的なカリキュラムなので、学校へ通いながらスポーツチームなどの現場、治療院でトレーナーに必要な指導を受けたり先輩達の活動を見れた事はものすごく大きかったです。

学生時代は、時間がある限りマッサージ等の練習、先輩の治療を見る、そして現場に行かせていただく。ということをしていました。

当時、三宅先生がベルマーレ平塚(現:湘南ベルマーレ)のヘッドトレーナーをされていたので、初めはユースチーム、その後にトップチームでアシスタントとして活動をさせて頂きました。

学校は夜間だったので、現場へ行く日は朝5時30分に家を出てグラウンドに行き、夜は学校へ戻り18時から21時までとハードな日々を送っていましたね。

そして夏休みは、高校のサッカーや大学野球の現場にも行ったり色々な競技の現場を見させてもらい勉強になりました。
鍼灸、あマ指の国家資格の合格発表の時は、高校サッカー選抜のヨーロッパ遠征に帯同していました。

ですので合格発表に行けなかったので、友達に合否を見に行ってもらいました。笑「合格していない」と思っていたけど、何とか合格していました笑

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(イタリア代表の時)

海外の設備に驚いた

学生時代に高校サッカー選抜のヨーロッパ遠征に2年連続で帯同をさせてもらっていました。

スイスとドイツに行き、その国のリハビリ施設やトレーニングをする設備を見させてもらいました。
その時、当時の日本とは比べ物にならないくらい発展しており興味が湧いてきました。

しかし、帰国すると毎日仕事が忙しくバタバタしていたので考えることができていなかったのですが、ベルマーレ時代チームメイトであった中田英寿選手に誘われ、彼がローマへ移籍するタイミングで自分もイタリアへ飛びました。
彼が現役引退した2006年までの6年間 彼と一緒にイタリアとイングランドのクラブを渡り歩きました。

その後、日本へ帰る事も考えましたが、幸いにも以前在籍していたフィオレンティーナから誘いをもらいイタリアへ戻り、その後にまたイギリスに戻って来ました。

現在、アーセナルでは5シーズン目。

ヨーロッパに来て20年になります。

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選手からの「ありがとう」という言葉が…

セラピスト(トレーナー)をしていて嬉しいことは、担当した選手やチームから「ありがとう」と言われた時は今までの疲れが全部吹き飛びますね。

そして、長いシーズンを通して一緒に戦い抜き最後に優勝をつかみ取れたら最高です!

欧州で活躍している選手達はアジア人に比べると身体が大きいので彼らを相手に仕事するには、自分自身のコンディショニング管理も仕事のうちだと感じています。

これが、モチベーションです。


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やりたいという気持ちは持ち続ける。

学生へ
日本のトレーナーは治療、リハビリ、トレーニングなどマルチになんでも出来る人が多いですが(と言うかやらなければいけ無いのが現状だと思います)、
ヨーロッパの大きいクラブだと分業制が多いので(特にイングランドは)欧州で挑戦を目指すのであれば何か「武器、強み」を持って居ると良いと思います。

日本でトレーナーという言葉はかなり幅が広く多種多様なのでその中で自分がどんなトレーナーを目指すか方向性を決めて行く事も大切だと思います。
そして仕事をする以前にVISAの問題や言葉の問題もあるので、その辺りも色々と準備が必要になると思います。 私自身、中田選手の仕事のあとはVISAの問題を解決する事が一番苦労しました。
VISAに関して言えば、自分が働きたいと目標としている国の資格を取る事が出来れば、一番堅実だと思います。その国で大学や専門学校へ通う事が出来ればで人々との繋がりが広がるので、後に仕事をもらえるチャンスは広がると思います。仮に雇い主が見つかりそこのチームやクリニックとの契約書があれば労働VISAはすぐに下りると思います。
私の場合、長年欧州に居る事により人との繋がりが広がり、それで仕事をさせてもらっている、とてもラッキーなパターンだと思います。

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前回のインタビューさせていただいた渡邊さんと山本さん、お二方におっしゃっていただいた共通のことは、「何で勝負するのか」と「VISA」でした。

トレーナーになりたい!だとどの方向性でやりたいのか。

トレーナーといえど「アスレティックトレーナー」「メディカルトレーナー」「コンディショニングトレーナー」「ストレングストレーナー」「フィットネストレーナー」と様々です。

重なることもありますが、それぞれ違います。ですのでどのようにしたいのかで取得すべき資格が変わってくるのです。

更に、ヨーロッパにはトレーナーという職業はありません。ヨーロッパでは主に「フィジオセラピスト」や「スポーツセラピスト」「マッサー」が活動しています。

そしてVISAの問題。現地の人から見て私たちは外国人です。現地のセラピストと同じことが出来るではダメなのだと思いました。何か他のセラピストにはない強みをつけなければ、雇ってもらえない。また国によって制度が違うので、調べないといけません。

今のうちからできることは、どうやったら現地のセラピストに勝てるのか、VISAはどうするのか、もっと考えなければならないと改めて感じました。

山本さん、お忙しい中インタビューを受けていただきありがとうございました!

イギリスでセラピストを目指している方だったら、知らない方はいないのではないかと思います。山本さんはものすごい技術や知識をお持ちだと思うのですが、それと同じくらいの人間性もお持ちなのだと思いました。インタビューも快くお受けいただき、インタビュー中もすごく丁寧にお話ししていただきました。技術や知識だけではなく、人間性もものすごく大切だと感じました。イギリスでお会いできるのを楽しみにしております。

お忙しい中本当にありがとうございました‼

引用:https://twitter.com/afcstuff/status/723299879406186497?s=20

https://qoly.jp/tag/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%AD%9D%E6%B5%A9

https://www.football.london/arsenal-fc/news/arsenal-coaching-backroom-staff-emery-16902478

最後までお読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願い致します。

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