【頑張らない営業術】《Chapter 3》「自分の会社の事業以外でも"バリュー(価値)"を提供する」
《前回まで》
前回は、営業アプローチをする上で"やってはいけない行動"と"やった方がいい行動"についてお伝えしました( 前回記事はコチラから )。
今回は、実践的なテクニック部分のノウハウを共有させていただきます。
基礎概要は前回までのChapterで把握できたかと思いますので、今回も肩に力を入れずに、現場で反復してトライをしながら、ご自身の営業に刷り込んでいきましょう!
《Chapter》
1. "関わる必要がないタイプの人"を決める
2. やってはいけないこと
3. 自分の会社の事業以外でも"バリュー(価値)"を提供する
4. 深い仲になるパートナーは少なくて良い
5. 頑張らない営業がクリエイティブな未来を助ける
《Chapter 3》
自分の会社の事業以外でも"バリュー(価値)"を提供する
【紹介営業の柱を構築する】
▼長期的な視野を持つ▼
上手くいかない営業マンが陥りがちな要素として、『短期思考』があります。「今プレゼンしなきゃ契約してもらえない....」、「今月中のノルマがあるし、契約決めないといけないから、無理矢理にでもアプローチしないと.....」、「ニーズが見えないけど、とりあえず話を聞いてもらおう.....」等、これらは全て短期思考の営業マンの特徴です。この思考や口癖に少しでも心当たりのある方は要注意です。
短期思考はつい"目先や直近の問題が解決すれば何でもいい"という結論に走ってしまいがちです。自己都合で物事を考えてしまっているため、本来クライアント様のご事情や気持ちを察しなければいけない立場の営業マンが迷惑がられてしまうのは、当然のことのように思えます。
短期的な思考は一切排除しましょう。
▼価値提供をする▼
では、長期的な視野を持った営業活動とは何なのでしょうか。
お相手が必要なタイミングで、必要なコンテンツを提供する。そして、該当されるクライアント様をご紹介いただけるようなパートナーシップをしっかりと構築する。これが、長期的に結果を残し続ける上で必要な営業活動のポイントです。
クライアントに該当する方だけではなく、お会いした方々にとって、欲しい知識や情報をお伝えし、必要な人脈やクライアント候補となる方をご紹介することで、"バリュー(価値)"を提供できる自分自身を作り上げることができます。必要なニュース知識や雑学を吸収、人脈を構築し、積極的に自己を高めていきましょう。
ここでの価値提供を「自分の会社の事業の範囲内」だけに留めておくのは、かなり短期的な思考です。自分の仕事とは関係なく、お相手にとって価値のある方(クライアント候補や協業パートナー様)をご紹介してあげたり、価値ある情報や知識を積極的に提供しましょう。注意点として、あなたがビジネスマンをご紹介する時は、不必要に紹介手数料は受け取らないください。関連する事業以外で商いを行った時、あなたは《何でも屋》に成り下がります。紹介営業の仕組み作りをする際に、《何でも屋》は過小評価されがちです。たまに「複数事業やってます〜♪」と自慢気に話している自称・起業家さんがいたりしますが、長期的な関係作りをしていく上で、それは無駄なブランディングです。『あなたが何屋さんなのか』は一言で言えるようにしましょう。
▼紹介営業の仕組みを作る▼
日々、お会いしてきた方のアポイントの内容を日報として、議事録に残している営業マンは多いかと思います。どのようなシステムを使おうが、スプレッドシートで管理しようが、ツール自体は何でもいいので議事録に残しましょう。しかし、議事録に残すことその行為自体は正直意味はなく、活用しなければ意味がありません。
議事録を活用する上で、大きなポイントは2つあります。1つ目は『お会いした方々の整理』です。どのような方とご縁をしたか、どういうお人柄だったのか、この方は何を求めているのか、自分は何をギブできるのか、等をメモしていきます。特に、まず自分は『何を相手にギブできるのか』を中心に物事を考え、記載していきましょう。自分の提案は二の次です。
2つ目は『相手のニーズをマッチさせる』です。お会いした方々を整理したら、次のフェーズとして、自分のお会いした方々で、繋がりそうな方々やターゲット層に近しい方を議事録のリストの中からピックアップをし、実際にご縁を紡いであげることを積極的に行いましょう。
※上記は私の以前使っていたアポイントメモの一例ですが、参考までに※
【現場営業のテクニック】
▼『目の前の人には売らない』▼
次は現場で使える実践的テクニックをいくつかお伝えします。
こちらは、営業アプローチの基本となります。異業種交流会や飲み会、ビジネスマッチングアプリやSNSなどでお会いした初見の方とのアポイントで、目の前の方へプレゼンするような行為をあえて行わず、「貴方の周りで〇〇に興味がある人、〇〇の事業の会社さんを紹介してもらえませんか?」と、紹介営業ベースで話を進めてみてください。仮に、目の前の人が興味がありそうであれば、「私が興味あります」というアクションが来るので、後日スケジュールを取ってきちんとプレゼンをしていきましょう。特にリアクションがない場合は、PRトークは絶対に必要ありません。お相手に精神的ストレスや不快感を与えないようにしましょう。"傾聴"を意識して、ヒアリングを徹底していきます。お相手に気持ちよくなっていただくことを主軸に、メリットのある人をご紹介する、お相手が興味がありそうな情報を提供する、という部分を落とし所にしましょう。
▼『人間の集中力の限界』▼
人間は長時間集中力が続きません。人は15分周期で集中力が途切れるタイミングが来てしまい、最高でも30〜60分ぐらいが限度となっています。初回アポイントで話が弾んだとしても、30分ほど経過していれば、その後のプレゼンテーションは控えた方がいいでしょう。お相手が興味がありそうであれば、次アポを取って、意識もしっかりとした状態で、10〜20分で完了するプレゼンを行う方と良いでしょう。
▼『単純接触効果(ザイアンスの法則)』▼
1968年にロバート・ザイアンスさんという心理学者が提唱している法則です。大変有名な法則なので、ご存知の方も多いと思います。
相手の目に触れさせる、接触させる回数が多ければ多いほど、信用度が上がるという法則です。ザイアンスの法則は長時間人と接するよりも、コマーシャルのように短期間で何回かに分けることで、効果を最大限に発揮します。
前述にも関連するのですが、話が盛り上がって30分ほど経過している方は、再度別日程でお会いしたケースの方が、より信用度が上がった状態でお話をすることが可能となります。
しかし、ザイアンスの法則にもデメリットがあり、第一印象があまり良くなかった場合やお会いした時の空気感が微妙だった場合は、より関係値が悪くなってしまいます。初回アポイントの空気感が悪かった場合には、無理に時間を引き伸ばさず、早めに切り上げましょう。お相手がテイカーではなさそうな場合には、しばらく期間を空けて、自分のスキルや精神的レベルが上がった状態になったら、再度コンタクトを取ってみましょう。また、違った視点で、交流ができるはずです。
◆次回は◆
今回は価値提供の方法や、基本的な営業テクニックの部分を学んでいきました。ご自身の立ち位置作りや、紹介営業の基盤が把握できたかと思います。
「お相手に価値提供する」ということを軸にすることで、思考や視野も広がりますので、様々な知識や情報をインプットすることが楽しくなってきます。価値提供をコツコツこなしていくと、感謝もされる機会も多くなりますので、営業活動が徐々に楽しくなってくると思います。
ガチガチにならず、提供できる自分になっていきましょう。
次回は、数字的考察から《深い仲になるパートナーは少なくて良い》ポイントについて、解説してまいります。
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