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KAGAYA作品との出会い

7月14日。私は「星の本」を探すため、古本屋を訪れた。星の写真がメインであれば、写真集でも、図鑑でも、ポスターでも、何でもよかった。時間を掛けて探したが、星の写真よりも、星の説明がメインの本ばかり、探すのを諦めて帰ろうとした時だった。何気なく写真集コーナーに目をやると、気になる本を2冊見つけた。2冊ともパラパラとめくって見ただけで、内容までは分からない。1冊はデジタルペインティングで描かれた画集で物語になっている。とても美しい惑星と自然が描かれた、幻想的で不思議な感覚になる。子どもには理解できないであろう、言わば大人の絵本だった。もう1冊は、星と風景を同時に撮影した写真集で、全ての写真に神が宿っているとしか思えない。写真を見る者を、実際に撮影したその場所に誘うような、写真に引き込まれる、生きた写真集だ。とても気になる2冊だったが、写真集は探していた星の本のイメージに近かったが、古本に千円以上出したくないのと、一番見たい星が写ってなかったので、購入ぜすに帰った。

7月16日。姉と会った。姉が、欲しかったけど買わなかった絵の話をした。
姉「以前、カガヤの絵が欲しくて、色んな所に電話して問い合わせたけど、どこに掛けても冷たくあしらわれて、最後に電話した所からは、"業者でしょう"と言われ、"業者じゃないです。なのにどこに掛けても冷たくあしらわれます"と言ったけど、冷たい態度に買う気が失せて買うのをやめた。スマホで検索してカガヤの絵を見てみて。凄く綺麗な絵よ。あんたは絶対買うべき」
検索すると「KAGAYA」で絵と天体写真が出た。一昨日の古本屋で気になった2冊の本と、絵と写真がそっくりだった。KAGAYA氏は、宇宙と神話の世界を描くデジタルペインティングの世界的先駆者でもあり、天空と地球が織りなす風景写真を撮影する星景写真家でもあった。
私は、古本屋のあの2冊がKAGAYA作品かどうか確かめずにはいられなくなり、急いで古本屋に向かった。2冊ともKAGAYA作品だった。
姉の元に戻り、購入した2冊のKAGAYA作品を見せた。
姉「そうそう!これこれ!欲しかった絵はこれに似てる。この本どうした?」
私「一昨日、古本屋で見つけて、気になってはいたけど買わなかった。今日の話でKAGAYAさんのじゃないかと思って、確かめに行ったらそうだった。今日この話をしてなかったら絶対買ってなかっただろうし、この話が買う決定打になった。何かに導かれた」
姉「そうだろうね。あんたがこの本を買うように決まってた」
私「この画集の物語を読んだら涙が出てきて。読んでみて」
姉「これは、KAGAYAさん絶対分かる人よね。分かってるよね」
私「私もそう思う」


画集【聖なる星世紀の旅】KAGAYA  

遠い未来
人は星へと旅立ち 新世界と夢を手に入れた
それでも忘れなかったのは 故郷(ふるさと)の惑星の記憶…
地球文明は科学の進歩にあわせて精神的にも成長していた
星へ向かう人類に 武器や兵士は必要がなかった…
あらゆる夢を手に入れた人類にとって
富や所有欲といったものは もはや意味がなくなっていた
精神的に成熟した人類は 法律もなしに正義が
守られるほどになっていた 
これはあたかも 人類が伝説の中に描いていた
理想の「黄金の時代」のようであった…
他の恒星系で生活を始めた人々は
地球を聖なる惑星として何世代にもわたって語り継いだ
人類発祥の聖なる惑星を実際にたずねること
多くの人の憧れとなっている…

1ページから4ページの物語の一部を抜粋。
この物語は、何度見ても涙が溢れる。これを書いている時も涙が溢れた。「どうすれば地球が元の自然に戻り、安寧秩序が保たれた平和な惑星であり続けるのか」私が導き出した理想の世界と同じことを、この物語は描いていた。驚きと同時に涙が溢れ、同じ考えを共有した物語に出会えて嬉しかった。そして、この物語は理想でもあり、実際に起こるであろう未来でもあると感じるのだ。理想の未来になることを信じている。

遠い星からはるばるやってきた旅人は
これから訪れる聖なる惑星を眺めるために 
ここにたちよります
地球で暮らした人々は
一歩離れたこの場所で
人生を振り返るように感慨の表情で母星を見つめます…

最後のページの一部を抜粋。
さて、「ここ」とは、「この場所」とは、どこだと思いますか?最後のページも何度見ても涙が溢れます。この物語では、聖なる地球を実際に訪れて旅をすることが、多くの星や銀河の人々の憧れとなっているのです。私は、最後のページの絵が一番好きかもしれない。【聖なる星世紀の旅】が好きで、声に出して読んでいると、途中涙で声をつまらせる。


写真集【悠久の宙】KAGAYA 

全てのページの写真がまるで生きているかのよう。写真なのに、実際にその場で見ているかのような感覚になる。神が宿っているとしか思えない、一つ一つの写真を拝みたくなるような、まるで神様がKAGAYA氏に、「自分を、自然を、星を撮るように」と、撮影を特別に許可したかのような、引き寄せられる写真集だ。各写真に添えられた言葉の全てが心に響く。


写真集【天空への願い】KAGAYA 

姉と会った後、本屋にKAGAYA作品を探しに行った。最新作【天空への願い】が沢山並べてあった。フィルムがしてあり内容を見れなかったが即購入。家に帰り早速読んだ。36ページを開いた瞬間、私はハッとした。私が探していた理想のアンドロメダの写真があったからだ。あまりにも突然探し物が見つかったので、驚いて「ハッ」と声に出た。36ページのアンドロメダの写真を見た私は、涙が止まらなかった。私の出身地であるアンドロメダ。沢山ある星の中から、アンドロメダを撮影し、掲載しているのが嬉しかった。
「KAGAYAさん、ありがとうございます。感謝の気持ちで一杯です」

探し物はちょっとしたきっかけで見つかる。きっかけとなるメッセージを見逃さないように、自分に素直になること。古本屋からスタートして、姉の話からKAGAYA作品の話題になり、古本屋で気になっていた2冊の本が実はKAGAYA作品で、最後に本屋で購入した【天空への願い】に欲しかった写真があった。全てが導かれた必然の出来事だった。

        黄金の虹        
思い通りの姿を現すとは限らないのが自然ですが、ふとした瞬間に、願ってもいない姿を見せてくれるのもまた自然なのです。
    【天空への願い】KAGAYA     






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