こんにちは。編集部員Sです。本日7月19日は、『三田文學』2024年夏季号(158号)の発売日です。
特集は「台湾現代詩――輝ける海洋の花」。昨年11月に開催された国際的な詩歌イベント「高雄世界詩歌節」の中核を担った高雄の青年詩人6名の鮮烈な作品を、取りまとめ役の詩人・林達陽氏による解説と、日本から参加した詩人・柏木麻里氏のエッセーとともに紹介しています。
小説のラインナップも、台湾との関連性が深いものとなっています。東山彰良氏「CRYING」は台湾が舞台。マッチングアプリを通じて女性たちと出会うなかで、「僕」は思いもよらない出来事を幾度も経験し、人間精神における「打撃」と「崩壊」について思索を深めていきます。李琴峰氏「愛の魔女/なんてことない些細な雑談」は、台湾生まれの「私」が、米アイオワ大学で行われる世界最大級の作家滞在プログラムに参加した際の物語。民族やジェンダーというアイデンティティの根幹をめぐる問題の困難と希望が描かれます。
朝吹真理子氏と中国、モンゴル族の作家・索南才譲氏の新連載「往復書簡 大草原と東京をつなぐ文学の通信」も要注目であり、今号は『三田文學』の売りである国際性が存分に発揮されています。
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