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やっぱり心って大事。リーダーとメンバーの関係から6つのリーダーシップの取り方を使い分ける

誰しもいろいろな組織に属していてそれぞれの組織ではリーダーがいる。会社でも上司だったり社長がリーダーとして存在する。PTA会長もいれば、マンションの理事長もいるし、部活や趣味の世界でもリーダーは公式、非公式問わずいるものだ。

自分があるときはリーダーだったり、誰かがリーダーシップを発揮している組織でメンバーとして活動することもある。ぼくらはそういった人間関係の中で生きている。

人間関係が仕事の生産性には大きく影響しているというのは100年前に「人間関係論の租」と言われているエルトン・メイヨーが実証実験を行っている。どんなに優秀な人がいても組織で働く以上は人間関係でパフォーマンスは大きく左右される。

ところがリーダーが優秀だからといってチームが良いパフォーマンスを上げられるわけではないのは誰もが経験を通じて感じていることかもしれない。僕の会社にも優秀な上司がいる部署というのはあるが、必ずしも上司が優秀だからといってチームのモチベーションが高かったり、良い結果を生んでいなくて、むしろ逆に雰囲気が最悪な部署も結構ある。

この原因の一つはリーダーのリーダーシップの取り方にある。チームのメンバーとの相性によってはリーダーがいかに優秀でもチームとしてのパワーは発揮できないことになってしまう。

そんなリーダーシップの取り方について6つの方法があると説いた人がいる。ぼくがリーダーシップについて考えるときに常に振り返るようにしている点でもあるのでシェアさせていただく。

■ 人の優秀さはIQだけではない

頭の良さはIQで測れるが果たしてそれだけで優秀なリーダーやサラリーマンとなれるかは限らない。そんなことを説いたダニエル・ゴールマンという人がいるのを知っている人も多いではないだろうか。

彼は作家であり心理学者だった人でニューヨークタイムズの記者としても活躍した人。何で有名かというと”EQ”という概念を初めて体系的に説いたことで有名になった人だ。

EQというのはemotional quotientという英語の略で少し難しいが 日本語では感情指数と言われている。彼はIQ(知能指数)重視の伝統に疑問を呈し、「心の知性」の概念としてEQという考えを確立している。そして必ずしもIQが高い人が成功しているとは言えず、EQが大きく影響していることを説明してくれている。

そんな彼は部下との人間関係がリーダーシップに及ぼす影響力や、どういったリーダーシップをとったらよいかということを体系的に説明をしてくれているのでその6つのリーダーシップの型について一つずつぼくなりに説明を加えてみたい。

■ビジョン型

ビジョン型のリーダーシップというのは組織のビジョンだけを提示するというリーダーシップのスタイルの取り方。”会社のあるべき姿”を提示してあとはメンバーにやり方を任せるようなやり方で、こういったリーダーシップが機能するかはメンバーの特性にも大きく影響する。

このビジョン型のリーダーシップがうまくいくのには、メンバーたちがモチベーションが高くて能力も高くないとうまくいかないといえる。

達成難易度が高いビジョンだけ提示されたメンバーがぶら下がり型のメンバーだけだとしたらビジョンだけを提示されてもうまくいくはずがない。リーダーは到達地点だけをしめして実行プロセスをメンバーに任せてメンバーが舵を取るようなスタイルで成功をするにはメンバーがそれぞれ自立していて、多くを語らずともそれぞれが機動的に動けるような組織である必要がある。

■コーチ型

コーチ型というのはリーダーがコーチしながらリーダーシップをとるというスタイル。リーダーがメンバーの自主性を引き出しながら目標達成へ促すようなやり方がコーチ型のやり方といえる。

このやり方というのはメンバーそれぞれの性格や個性をつかんでコーチとして導き、やらせてみて育てていくというやり方なので、メンバーと関係が悪いとうまくいかない。”あいつ何言ってんだ”ということをメンバーから思われてしまう。一方で、とても自立している組織では、コーチをしようとすると”うざい”と思わわれしまって過干渉だと感じるチームには合わないやり方といえる。

■仲良し型

仲良し型というのはメンバーとリーダーが仲良くやるというパターン。リーダーとしては能力不足だけどメンバーから慕われているような場合に有効なやり方といえる。

だいたい普通は能力が低いとリーダーとしてメンバーには認められていないことが多いが、人間性が良くて憎めないような人がリーダーとして存在することはかなりあるパターンといえる。

能力が低いのに人間関係が良いような関係がある場合はとても適したやり方といえる。

このやり方を機能させるにはリーダー自身が自分のダメな部分を認めることがとても重要になる。ここでプライドをだして突っ張ってしまうとそもそも人間関係はいいはずはないので、好かれているということはダメさを認めていることが前提となっているはずだ。

そういったことをさらけ出すけど、それをメンバーに補ってもらえるようなリーダーシップの取り方というのはありえるのだ。この6つの中では特に人間関係が良いことが前提となるパターンなので難しいが、いったんこの関係がうまく築けると良いチームになって、リーダーがメンバーをサポートするような関係が出来上がるので良いパフォーマンスを引き出せる場合がある。

■調整型

調整型というのはメンバーのモチベーションがそれぞれ高くて結束力を高める必要があるときに有効なリーダーシップの取り方といえる。

リーダーとしてはメンバーの自主性や能力を尊重することが鍵となる。メンバーはモチベーションが高いので、課題を一緒にディスカッションに巻き込むイメージで取り組むことが大切になる。

モチベーションが高いメンバーは最初から関与できることに喜びを感じるし、メンバーがリーダーと一緒に意思決定をすることでそれぞれがもっているパワーを発揮できるようになる。

こういった組織の場合にあまりに強いリーダーシップを一方的に発揮するようなリーダーシップをとると逆効果となってしまい、もともとモチベーションが高いメンバーのモチベーションが低くなってしまう可能性もあり注意が必要だ。

■率先垂範型

垂範(すいはん)というのはちょっと難しい言葉だが、”模範を示す”という意味で手本になるということ。率先して模範となるというリーダーシップの取り方を率先垂範型リーダーシップと呼んでいる。

リーダーが模範となるということからいえることはリーダー自身が実務能力が高いことが前提になる。リーダーが模範をできない場合はこのリーダーシップの取り方はできないことになる。

そしてもう一つ重要な要素がこのリーダーシップが機能するのはメンバーのモチベーションや能力がある程度あることが必要になる。ものすごく高い必要なないが、リーダーの模範的な仕事の仕方を見て、自分でそれを活かそうと思えるくらいのモチベーションは必要ということだ。

こういった自分が一生懸命働いて具体例を部下に示すタイプのやり方をあまりに強制的にやりすぎるとメンバーの反発をくらうので注意が必要なやり方ともいえる。”だったら一人でやれば”と思われてしまうとチームとして良いパフォーマンスを上げることはできない。

■命令型

最後の6つ目が命令型。

もっともありがちで最もうまくいかない昔ながらのパターンとぼくは感じるやり方。リーダーは自分が上司であることを明確にして、自分の命令に対してすぐに反応するようにメンバーに徹底させる。

このやり方が利くのはメンバーの自主性がないとき。特にメンバーのやる気が引き出せる状況ではないが、会社からは短期で結果を出すように命令を受けているような場合がある。もしくは任せたいが、ぶら下がりの指示待ちの部下ばかりで全然自立して行動をしない部下ばかりの時にも使える。

こういったやり方は度が過ぎると嫌われるので、リーダーは自分の影響力を高めることが必須となる。例えば恐れられるくらい結果を出している上司だったらどうだろうか。もしくはオーラがバリバリで仕事に対して真剣な姿勢をしているリーダーだったら、一方的な命令に対しても部下は聞く姿勢を示すだろう。

逆に立場を利用して、口だけは威勢がいいが、自分のことばかり考えているようなタイプがこの命令型をやったとしても部下からは良いパフォーマンスを引き出すことは不可能なので、まずは自分自身が覚悟をもって命令をするように認識する必要がある。

■まとめ

どのリーダーシップの取り方が自分にとって向いていいて心地よいだろうか。それは今のチームのメンバーと相性が良いやり方だろうか。

今の働いている部署や会社のメンバーの特性を考えたときにどのリーダーシップの取り方がもっとも合っていると思えるか。

自分がすでにリーダーである場合、よいリーダーシップの取り方は6つのパターンからわかったとしてもそれを自分が実行できなかったり向いていないと感じるかもしれない。そんなときには完全にそういったやり方に移行することはできないが、ちょっとそういったエッセンスを足す程度でも効果はある。


逆に自分がリーダーでなくても自分のリーダーと自分の部署の関係を観察してみて合っているといえるだろうか。

こんなことを考えて「自分だったらどういうリーダーシップを発揮するか」ということを考えても面白いかもしれない。

keiky.


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