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ぼくがモノを買うときはAIDMAでもAISASでもなくTRARA

年始のバーゲンセールで物を買ったひとも多かったかもしれないが、ぼくは年末に既に冬物がセールだったので好んできているアウトドアブランドの服を何着かかってしまった。

年に何回も服は買わないし、シンプルな生活にしてなるべくものは持てない方が好きなので、たまの贅沢としてして自分を許してしまった。

春に向けてお店も在庫を吐き出したいのでセールの値引き額も魅力的でいろいろなお店に足を運んだ人も多かったに違いない。

人が何かを買うまでのプロセスというのはマーケティング業界ではかなり研究されていて特にデジタル分野での広告マーケティングなど、最初にいかに関心を持たせるかということが最近は盛り上がっていると感じる。

ふと、そんな買い物をしながら人が物を買うまでの教科書的なフレームワークを振り返った。そのフレームワークと実際の消費者としてのぼくはどういう思考プロセスで物を買うか考えてみた。

だいぶ違う部分と近しい部分が色々あるような気がしたというような話をさせていただければと思う。

■ AIDMA(アイドマ)

まずはこれから。1920年代にアメリカの広告業界で消費者がどのように商品に関心をもち、実際の購買行動につながるかということを体系的に説明する概念が生まれた。マーケティング界隈では知らない人はいないと思われるので、あくまでさらっとだけ説明しておくと、イニシャル順に以下のような順番で人々は感心を持つという考え方だ。

Attention(まず注目する、知るきっかけをもつ)
Interest(次にその製品やサービスに関心をもつ)
Desire(それが欲しいと思う)
Memory(その製品やサービスを記憶する)
Action(実際にそれを買う)

これはそれぞれAttentionを「認知段階」、Interest、Desire、Memoryを「感情段階」、Actionを「行動段階」という分けられるので、それぞれの段階で適切なマーケティングや広告の活動をすべきという考え方となっている。それぞれの段階で企業側が何をすべきかというのをざっくりと書くと以下のように整理できる。

Attention(認知度向上させることを狙う)
Interest(製品に対する評価の育成をする)
Desire(ニーズを喚起してほしいと思わせる)
Memory(記憶のよびおこし)
Action(買うための機会の提供)

詳しいことは教科書やネット検索をすればわかるので説明的なものははこのへんで。ちなみにAIDMAのMを、動機(Motive)と定義するモデルや、確信(Conviction)とするAIDCAモデルもあっていろいろな派生系があるがあまり知られていないし、AIDMAがもっとも有名かなと思う。

このモデルのことを考えるたびにまず知ってもらうところからはじめて買ってもらうための全体的なプロセスが大切ということを教えてくれる。

ぼくの勤めている会社はBtoBなのでこういったモデルは当てはまりにくいが、それでも新規事業をスタートするときや、最近会社ではじめたデジタルマーケティングの分野でもどういった潜在顧客に自社の部材を紹介するかというときに使えるモデルなので必ずしもBtoBだけで使うというものでもない。

先程派生系がいくつかあるということを書いたが、結局はどの購買決定プロセスモデルを用いるべきかは業界に大きく左右される。

業界におけるその製品やサービスがおかれたそれぞれの状況によってその製品のターゲット顧客がどういった購買行動をするかを個別に自社で定義してみるところからはじめると自社にぴったりの購買プロセスがあきらかにできるので、どういった打ち手が足りていないのかとか、どういったことをやったから成功したかというような本質に迫るような分析がしやすくなる。

AIDMAが正しいか間違っているかということではなく、これをきっかけに自社のお客さんの身になって、自分のお客さんがどういった購買行動をとるかということを考えさせてくれるという意味でこの1920年代に生まれた考え方はとても貴重なものとぼくは考えている。

■ネットで使えるAISAS(アイサス)

AIDMAがモノを自分で見て消費するモデルとして有名だが、もう一つ知っておいて損がないのは、ネットでの購買行動のプロセスモデルとして有名なAISAS。

これは電通の秋山さんという方が提唱したモデルで、AIDMAに対比されるものとして取り上げられることが多い。残念ながらあまり海外では聞いたことがないので、基本的に日本のビジネス界では有名な概念なのかもしれない。AISASのモデルは以下のようにネット時代の購買行動について説明している。

Attention(同じ)
Interest(同じ)
Search(★検索する)
Action(同じ)
Share(★共有、商品評価をネットでシェア)

「A」は、Attentionでまず知ってもらうということでAIDMAと一緒。「I」もInterestで興味や関心を引くという意味でここまではAIDMAとおんなじ。

次の「S」はSearchで検索を意味することからGoogle や Yahoo! などでの検索行為のことをいっている。ネット時代は関心をもってから検索をするということを多くの場合おこなうのでこれはネットならではの概念と言える。

そして個人的にはサーチの後少し飛んでいる気がするが「A」は、Actionで実際の購買行動をさしている。最後の「S」はShareでこれもネット時代の特有の行動として例えばFacebook や Twitter 、インスタなどでのシェアを意味している。

ぼく個人としてはサーチの部分は共感するが、最後のシェアの部分については一切やったことがないし動機もよくわからない。もうすでに思考がおじさんなのかもしれないが、結構同年代や年配の方でもシェアをしている人が結構いるので単にぼくがそういったことをしようと思わないだけかもしれない。

自分が買ったものや食べたものをシェアすると自慢していたりリア充感を出したいのかと思ってしまうし、そもそも自分が満足すればそれで良いというか、Actionでぼくの購買行動は完結する。そこからシェアするということについてはもうちょっと研究してみないと自分としては理解が難しい概念だと感じている。

■他にも割と聞くことがあるSIPSモデル

これも割といろいろなところで聞く概念。特徴としてはソーシャルメディアの影響を考慮した購買行動モデルになっていてBtoBの製品には当てはまりにくいがBtoCについては当てはまるものも多いかもしれない。これも電通がつくったといわれているモデル。

AISASと何が違うのかというところではAISASではシェアというところでソーシャルメディアの影響について織り込んでいるが、SIPSはもっとその影響はでかいのではないかということを考えられた概念。

S…共感する(Sympathize)

I…確認する(Identify)

P…参加する(Participate)

S…共有 & 拡散する(Share & Spread)

このモデルはソーシャルメディアを頻繁に使う人を対象にどういった行動をとっているかということを説明しているにすぎず、実際に広告戦略とか販売戦略を打つときにには戦略的に使えるツールとはなっていないのでAIDMAのように体系だてて使うことはできない。

あくまでSNSで購買行動をする人について分析しているので、消費者の行動を分析する時に使えるものとして考えておいた方がよいかもしれないと思う。

この考え方のポイントはAttentionから始まらないというところが一番大きいと個人的には感じる。購買の出発点が広告やCMじゃなくてSNSなどから「かわいい」というような共感からはじまっているというところが重要だと思う。たとえば気に入ったインスタグラマーやユーチューバーに商品を紹介してもらうビジネスがさかんだが、そういったところから消費につながるのでマーケティングの方法も現代は複雑化している。だいたいゲーム実況なんて需要が全くないと思われていたところに実は大きな需要があるなんて誰が最初にわかっただろう。

このSIPSモデルは消費者がさらに自分でその製品やサービスを共有・拡散するのでアメーバー的に情報が広がっていくというパワフルなポイントが隠されている。SNSでつぶやいたら割引するようなサービスというのはこういった拡散力を狙ってのことと整理することができる。

■ぼくなりの購買行動はTRARA

今日はAIDMA、AISAS、SIPSなど消費者の購買行動について、年始のバーゲンやセールの買い物に出たついでに考え直したことをあらためてとても簡単にまとめてみた。

大切なのはこれらの概念があっているかどうかということよりも、自社の製品やサービスを購入してくれるお客さんがどういった行動をして実際に消費してくれるかということを考えるきっかけであるということといえる。

お客さんをターゲッティングする上でどういったお客さん像かということは考えることが多いと思うが、そういった人が実際にどういった行動をして自社の製品を買ってくれるかという部分まで考えられるとマーケティング戦略は一段深掘りすることができる。

ちなみにぼくもじぶんがものを買うまでの行動についてどういったプロセスをたどるか?ということについて少し考えみた。

ぼくの場合はこんな感じで実際にものを買うまでのプロセスになっていることが多い。

THINK(まず自分にとって何が必要か考える)

RESEARCH (必要なものについて調査する)

ASSURE(それが本当に必要か考える)

RETHINK (もう一度他の出費や給料から考える)

ACTION (実際に買う)

ぼくとしてはあまりウィンドウショッピングもしないし、SNSで他の人の商品などをみたりすることはない。

広告はネットではなるべく踏まないように気をつける。テレビも録画がメインでリアルタイムではまず見ない。

基本的に物は少なくした方が思考の整理がしやすいのんでミニマリストではないが、断捨離は好きでお気に入りの少ないモノで生活することをが好きだ。そんなぼくとしてはまずはじめに「Think」するということが来る。部屋の整理をしているときや、仕事の効率性を上げるにはどうしたらよいかといったときにまず必要なものについて考える。

次にResearch。AISASでいうところのSearchとはちょっと概念が違う。ちょっと言葉遊び感はあるが、サーチは検索するということに対してリサーチはもっと調査に近いレベルで調べるという意味をぼくは感じている。もちろんその中にはサーチは含まれているのでネットで検索していろいろなメーカーのサイトからレビューから比較サイト、雑誌からなにから徹底して調べるし、実際にいろいろなお店にいって物に触れたり、店員に聞いたりその道に詳しい会社の同僚などにも聞いてみる。そうして総合的に情報を集めることをしてみる。

次にASSURE。もう一度自分の気持ちを確かめるというプロセス。いろいろと調べた結果、やっぱり欲しいのかという気持ちを確かめてみるという工程を踏む。自由に使えるお金は少ないので何かを犠牲にしたり後回しにする必要も出てくるので、気持ちを確かめるようにしていることが多い気がする。

次にRethink。もう一度考えてみる。最初のThinkよりもリサーチという工程を挟んでいるのでもう一段深掘りして考えるというプロセスにはいる。自分としてはこういう理由で欲しいと思っていたが、実際にそれに関する情報を集めた上でもそれが欲しいと思えるか、買うならどこのブランドのものが良いかといったことを考える。Assureのプロセスで気持ちは固まっているのでなにを買うかということについてもういちどよく考えてみるというプロセスを踏んでいる。

そして最後にActionというところは変わらない。散々悩んで買っているので買った瞬間の満足度はかなり高いが、実際にそれをつかってみて、想像したように生活に定着するかはわからない。7−8割は満足しているケースが多いが、中には思っていた理想の生活ができず結局続かなかったり使わなくなってしまうものもある。まあこれはどんな消費でもいえることなので致し方ないことなのかもしれない。

ぼくの内的な購買行動に至るまでのプロセスはだいたいこんなパターンが多い。

略してTRARA(トララ?)流行りそうな気配は全くないし内省ばかりしているので冷静な消費者すぎてマーケティングや広告戦略では使えないかもしれないですね。。。。

Keiky.

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