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名画座のある暮らし

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映画は好きだけど「映画好き」と言えるほどでも、ましてや「映画通」でもない書籍ライターが、とあるきっかけで名画座通いをはじめ継続。シロート目線での素朴な発見や感動を綴る。
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#映画感想

誰かと生きていくことの、わずらわしき幸せ

誰かと生きていくことの、わずらわしき幸せ

2022.05.10 晴れ @ギンレイホール
掲載は観賞順

梅切らぬバカ「子を愛しく思えることの幸せ」をかみしめる度 ★★★★★

「だれかを愛しいと思う気持ち」に勝るものはない、と再認識できる映画。

加賀まりこさん、やさしい表情もいいですね。
ホールのスタッフさんがSNSで紹介していた、「月曜日のユカ」(1964)も観てみよう。

老後の資金がありません!日本芸能界の面々を楽しめる度 ★★★

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「社会のルール」で返り討ちを企む人々

「社会のルール」で返り討ちを企む人々

「社会システム」をどう「使う」か、を扱った2作品。

2022/04/22 ㈮ 晴れ @ギンレイホール
*掲載は観賞順

「皮膚を売った男」「芸術はバクハツだ」は本当だったと実感する度 ★★★★★

実在する現代アーティストをモデルにしているそうで、その発想の自由さがアートなのね、アートって社会倫理とかの既成の枠にはまらないからアートなのよね、と改めて認識させられる。
アートって、コワい、けど興味

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「真実を知りたい」「正しいことをしたい」という「欲」

「真実を知りたい」「正しいことをしたい」という「欲」

2022.04.05@ギンレイホール 晴れ
掲載は、観賞順。

『空白』「不器用」×「運のなさ」の救われ方を観てみたい度 ★★★★☆

「不器用か!」と突っ込みが入りまくる人間が、これでもか、と登場。
不幸しか予想できない展開がどんなふうに決着するのか、見守りました。

古田新太演じる父親役の変遷が救いです。

『由宇子の天秤』「正しい」かどうかは、どうでもいい度 ★★★★★

「真実を知りたい」

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権力の「青写真」から抜け出す方法は…

権力の「青写真」から抜け出す方法は…

*掲載は観賞順 2022/03/24,25 @飯田橋ギンレイホール

たいていの物語に出てくる「取り調べ」のシーンは、「相手の中に答えありき」で進められる。
一通りの証拠があって拘留されるの(が前提)だから、そうなのだろうけれど、その答えを引き出す(自白ですね)手段は、当然制限がある(原則)。

けれど、国家の進退にかかわる問題となると、、、というオソロシイ現実が描かれている「実話」の映画化2本立

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「名誉」とか「尊厳」とか

「名誉」とか「尊厳」とか

2022/03/15 晴れ @ギンレイホール

掲載は観賞順。

プロミシング・ヤング・ウーマン大事な人に大切なことを確認したくなる度 ★★★★★

サイコ、ホラー、ミステリー、リベンジもの、というエンターテイメントのジャンルで、ストーリー性と演出できっちり楽しませてくれる映画。

そして、楽しませられながら、きっちり考えさせられる映画。
自身に引き寄せて考えると、いろんな意味で怖い。
だって、こ

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大切な人と過ごす時間に「長さ」はない

大切な人と過ごす時間に「長さ」はない

2022.3.2 ㈫曇り@ギンレイホール

掲載は観賞順。

Our Friend「大事な人と向き合えるのは幸せ、、、なのよね」度 ★★★★★

実話に基づいたエッセーの映画化、というのがうなずけるリアル感。
主に、夫婦のすれ違いの描写で既視感が。。。おうぅ。

「マドンナ一人に男二人(友情あり)」
「妻(または夫)の闘病もの」
な鉄板二枚重ねな設定。
涙腺ガバガバ人なので、もちろん泣かされました

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「最強の報復」について考える

「最強の報復」について考える

2022.2.8㈫ 曇り@ギンレイホール

掲載は観賞順。

MINAMATA現代の問題として受け止めたい度 ★★★★★

「水俣病」という名前は教科書で知ってはいたけれど、そのレベル。
つまり、私にとっては「歴史」に分類されてしまっていたけれど、全然そうじゃない、現在進行形の「現実」だと思い知る。
それは、原告のチッソと被害者の間での訴訟が全面的に解決してはいない、といった現実だけじゃない。

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「これで終わりじゃない」と思う勇気

「これで終わりじゃない」と思う勇気

2022.1.25㈫晴れ@ギンレイホール
(掲載は観賞順)

アナザーラウンド飲酒をして仕事をしてみたくなる度 ★★★★★

「血中アルコール濃度を0.05%に保つと仕事も人生もうまくいく」という仮説を、ミドルクライシス真っただ中の男4人が検証する映画「アナザーラウンド」。

これ、人種によって違うよね、体質も個体差あるよね?
てか、そもそもこの説を唱えたノルウェー人哲学者フィン・スコルドゥールっ

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「本物」の力がすごすぎる

「本物」の力がすごすぎる

2022.1.18.㈫ 晴れ@飯田橋ギンレイホール
(掲載は心の震度順)

ブータン山の教室本物の力に圧倒された度 ★★★★★

ブータン人でも行ったことのない人がほとんどであろう僻地、標高4800メートルの山岳村ルナナ。その学校がメインの舞台の作品「ブータン山の教室」。
主人公など「お話」を演じる必要のある役者は約3人で、それ以外はすべて実際の村人が出演者。
虚構が現実を誠実に再現しメッセージを

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