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中途入社の邪魔をする懲りない面々②~おっと君とは乾杯しない

(①からの続き)

ダメなマネージャーが壊した部門の立て直しのために入社したことが3回。
ダメなおっさん担当者を追い出すために入社したのが2回。
素人のおじさんから引き継ぐために入社をしたことが1回。
問題があったマネージャーが退職するので、その後任として入社したことが1回。
こんな転職ばかりなのだが、炎上している職場の火消をしても喜んでくれる人ばかりではない。
むしろ火事場が居心地のいいザッツ・サラリーマンの世界があり、それでぬくぬくしている住人たちは実は多いのだ。
「うちの部長はダメ上司なので」「うちの会社は優秀な人が居着かない」と、一見は会社を憂いてお嘆きのようではあるが、口だけで自ら何かを変えるアクションを取るわけではなく、裏を返せば現状維持で居心地が良くて、在籍年数が無駄に長い中高年はどこにでもいる。
ダメ上司なら仕事の手抜きはできるし、優秀な社員が活躍されては困ったことになってしまう。
一方で、転職をして入社する側の立場としては、「私が入社したら、御社の喫緊の課題をこれこれこうして解決してみせましょう」とアピールをして採用されているのだ。
“よそ者”に対する度が過ぎた緊張感が入社初日から眼に見えてしまう腐った職場もある。
私自身入社当日に自分の席に案内されて、周りに挨拶したら分かりやすく睨み返された職場が3社あった。
「あ~歓迎されていないのね」と秒殺で理解できたし、これから駆逐していく人間の顔も分かった。
初対面の人間を睨みつける大人の余裕のなさは可愛らしいものだ。
自分の子供には礼儀正しく挨拶をしなさいと教育をしているのだろうか?
中途入社の私をオフィスで敵視する中高年は、子供の非行とか引きこもりの家庭での問題を抱えていたなぁ。
サラリーマンの職場での余裕のなさは、家庭の事情からかもしれない。

さて話を戻して、入社初日にあった面白い出来事といえば、その夜のささやかな歓迎会での出来事だった。
「これからよろしくお願いします」と私が乾杯のグラスを少し差し出すと、60歳を超えたご老体が、「おっと、君とは乾杯しない」と、あからさまに嫌な態度を取り、自分のグラスをひょいっと引っ込めた。
そのご老体は既に定年退職を迎えており、1年更新の再雇用契約を会社と結んでいた。
私が入社したことで、自分の仕事を奪われてしまうのではないかと恐れて、子供じみた行動をとった。
どうやらそのご老体はお金に困っていて、1日でも長く働かなくてはいけない個人的な事情があったようだ。
仕事ぶりとしては、昔話や自慢話を社内に大声でアピールをして、「俺がまだまだ頑張らなければ!」と吠えてはいたが、たいそう暇そうだった。
会社の外では話しを聞いてくれる人がいないのだろう。
高年齢者雇用安定法や高齢者就業確保措置により、企業はその社会的要請として、60歳を超えた大きな子供たちの託児所としての機能を果たすようになったのだ。

(③に続く)

中途入社の邪魔をする懲りない面々①
https://note.com/keichotanigawa/n/n23f481886cc2

中途入社の邪魔をする懲りない面々③~教えるのは嫌だね!
https://note.com/keichotanigawa/n/n65cbfc3090e9

中途入社の邪魔をする懲りない面々④~PC壊れて資料がないです
https://note.com/keichotanigawa/n/n08ef3c2af870

中途入社の邪魔をする懲りない面々⑤~謙虚さが足らない!
https://note.com/keichotanigawa/n/nf8cbcbb9454e

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