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宮崎で台風14号にビビりながら、まちづくり会社として必要な「守りの経営」を学ぶ。

宮崎県都農町に移住して2年半。台風に免疫がない中、過去に経験がない規模といわれた台風14号に、正直ビビりまくった1日半。

経営者としては、やっとの思いで今月開業できたトレーラーホテルが吹き飛んでしまうのでは?という目先の不安とかもあって悶々と。

激しい雨風の音が鳴るなか、家に閉じこもって「守りの経営」を読みふけってました。

過去の経営経験も含めて肝に銘じたい内容を書きました。
ぼく自身の今後の経営目標、備忘録としても活用したく。

1.5年に1回、大きな変化

リーマン危機、東日本大震災、新型コロナウイルス。
自分たちの力だけではどうしようもない世界的な変化が経営を直撃。

ぼく自身、2020年4月に都農町へ移住・起業するなり、新型コロナウイルスでお先真っ暗に。

幸い、都農町の方々のご厚意でなんとかチャンスをいただき、生きのびてますが、いくら細かに戦略を描いてビジネスモデルをつくったところで、前提条件が変わってしまうと木っぱみじんになると実感中。

この先も5年に1回は何かが起きる
すべてなくなると考えると思考停止になってしまうので、本のとおり、
年商の25%相当がなくなるとシミュレーションしてみる。

2.固定費4ヶ月分の預金

経営でもっとも重用な資産は現金。Cash is King。
生存ライン預金残高は固定費の4ヶ月分

新型コロナウイルスの影響を受けた飲食店の実際の売上事例から、4ヶ月で売上が60%の場合、固定費の4.2ヶ月分のキャッシュが必要という計算。

早速、自分の会社の固定費を計算、預金残高の2〜3ヶ月程度しかないなぁ。

今年早々に都農町がふるさと納税取引停止となったり、収支が悪化してひやりとしたとき、売上がなくなって何ヶ月もつかなと考えていたので固定費4ヶ月分は腹落ちする額。

3.営業利益率10%以上

日本の中小企業の営業利益率は3.0%程度、大企業で7.1%程度。
先輩経営者から営業利益率が10%ない事業は事業とはいえない、と言われてたことを思い出しました。

営業利益率10%で税引後の剰余金を6%
4年間備蓄して24%
5年に1度、年商の25%相当を失うとしてギリギリの線

現状、営業利益率は7%程度。がんばらねば。
毎年、剰余金を出して備蓄以外に選択肢なし。
このままだと5年に1回の有事に耐えられないことは明らか。
利益率にこだわろう

4.BS思考へ

PLに偶然は、ある
BSに偶然は、ない
BSはその会社の歴史の積み上げ

本にも書いてあったけど、ついつい目先の利益、営業に走り、決算で利益だせて一段落、というサイクルで終わりがち。

いま一度、BSに目を向けて、
流動資産>固定資産
純資産>負債
のバランスをつくろう!

PLと違って、1年ですぐにどうなる、というものでもありません。
今年はトレーラーの浄化槽などで借入金を増やしてしまったし。。
負債>純資産がしばらく続きそう。
根気強い利益の備蓄が必要。。

5.ROAは20%目標

自社が保有する総資産に対して、どのくらいの割合で利益を出すか。

ROA(Return On Asset)
アメリカの上場企業で約6.0%
欧州の上場企業で約4.2%
日本の上場企業で約2.7%
中小企業で出すべきROAは10%
資産を必要としない業態なら20%

ぼくらのような会社なら20%は目指したい。
ROAで必要な利益額を算出したうえで、営業利益率から逆算して売上目標をたてる。
生き残りのためと考えるとわかりやすい指標。
早速、来年度の計画をたてはじめよう!

6.1社依存度25%以下

すべての卵を一つのカゴに盛るな

分散という戦略は、経営の定石「集中と選択」と相反してておもしろい。
本では、上昇し続けないといけない時期の次の段階からは「集中と選択」より「分散」のほうが適していると。

集中は上げに強いが、下げに弱い
分散は効率に劣るが、下げに強い

5年に1回、大きな変化や、今後の経済下降局面においては「分散」の重要性が増すかも。

4つの分散として、①顧客②事業③取引先④役割を挙げています。

前述のとおり、会社が耐えられる売上減少を年商の25%とした場合、

顧客は4社以上。1社あたりの依存度は25%以下

小さな町で経営していくと、顧客そのものが少ないので、どうしても1社あたりの依存度は高くなりがち。
このあたりは、小さな町の株式会社として共通の課題ではないでしょうか?

それだけに、委託事業と自主事業や、町内顧客と町外顧客など、ポートフォリオを慎重に考えていく必要があります。

とはいえ、案件やネットワークがなければはじまらない話なので、いただけるチャンスを一つひとつモノにして信用いただいてリピートしてもらって、の先にしかない話ですが。。

7.認知バイアスの脅威

最後の章で、7つの脅威から会社を守るとして、その7つめである自分自身が最大の脅威としていました。

もっとも気をつけなければいけないのが経営者の油断
油断すれば、
学ばなくなる→成長が止まる→後退・退化
行動しなくなる→成長も変化もない→顧客は飽きる

油断するメカニズムが「認知バイアス」として7つ紹介されてました

①ダニング・グルーガー効果
能力の低い人は、自分を過大評価。能力の高い人は、自分を仮称評価
②自信過剰の法則
自分の評価を高く見積もってしまう
③自己奉仕バイアス
成功したのは自分のおかげ、失敗したのは他者のせい
④可用性ヒューリスティック
最も手近な情報だけをベースに、判断や意思決定をしてしまう
⑤確証バイアス
自分が正しいという証拠だけ集め、反対意見を見ない
⑥正常性バイアス
自分は大丈夫だろうと災害などの危険性を低く見積もる
⑦サンクコスト効果
捧げた何か(サンクコスト)が大きいと途中でやめられなくなる

自分を振り返ってみると、④⑤⑥は否定できず。。反省。



まちづくりや地方創生で、どんな場がつくれようとも、どんな活性化策を実現しようとも、民間を支える株式会社が赤字だったり、環境変化ですぐ潰れてしまうようではお話しにならないと思います。

台風明けの都農港で、あらためて台風が過ぎ去ったことに安堵するとともに、株式会社として生き残るためにも、有事の際に備えて蓄えを増やさねば、と思いました。

台風14号の被害にあわれた方々へお見舞い申し上げます。
これから台風14号を迎える地域の方々の無事を祈ります。

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