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花とみどりで商店街を元気にする「みちくさ市」、小中学生とはじめる、小さなまちづくり

1月29日、商店街の空き地で花とみどりを楽しむ「みちくさ市」を開催!

↓イツノマで制作した『つのTV』(都農町公式YouTube)

空き家・シャッター店舗がならぶ街都農町の商店街。
ただしここは、いまでも毎年、町最大のイベント「一之宮都農神社夏大祭」の御神輿行列の舞台。町民には古くから中心地としての認識があります。

そのため「商店街のにぎわいが薄れている」=「町に元気がない」と感じる町民も多くいます。

1.グランドデザイン

ぼくらは昨年、これからの100年のまちづくりを、パッとみてわかるように、グランドデザインをつくりました。商店街一帯は「さるきたくなる愉歩道」(さるく=あるくの意味)と位置づけました。

グランドデザインを、絵に描いた餅で終わらせないよう、都農町役場と昨年10月より、具体的な各拠点の整備・投資計画を策定中です。

商店街について、ハード面では側溝・舗装・沿道の整備、ソフト面ではシャッター店舗・空き家・空き地の有効活用などの議論を進めています。

「さるきたくなる愉歩道」の実現のために、いますぐできることからはじめたいと提案、町有地を活用した実証実験をスタートしたのが昨年末。

実験場所は、商店街の真ん中にある空き地、(通称)マーケット跡地。

2.小中学生が主体のイベント


 ぼくらがお手伝いしている都農中学校総合的な学習「つの未来学」で、気候変動対策をテーマに100のアイデアを提案したことをきっかけに、2021年9月、町として「ゼロカーボンタウン宣言」を表明。
 
具体的なアクションとして、町内の小・中学生選抜チーム「Green Hope」を結成。15回のディスカションを経て、昨年3月に都農町議会に対しゼロカーボンの施策提言!

提言した「木と花を2万本植える」をうけて、今年は商店街の緑化と活性化を話し合ってたので、マーケット跡地の企画は、Green Hope主催で行うことにしました。

3.商店街×町民ワークショップ

小中学生と商店街にゆかりのある住民とワークショップも開催。

空き家の活用アイデア
マーケット跡地の活用アイデア

ワークショップで出たアイデアをもとに、マーケット跡地のイメージスケッチを作成。

「こんな風になるといいね」という仮説を実験で検証、微調整して、実現させよう!

4.イベント企画・準備

1,700㎡ほどの少し荒涼とした敷地。砂利敷きであたりは古い家と空き家。

イベントの名前は、小中学生がいつでも気軽に立ち寄れる=道草できるようにしたい!というアイデアがでて「みちくさ市」に決定!

若手のスイートピー農家の細野啓志郎さんにお声がけしたところ、快諾!

現場でイベントのレイアウトを話し合い

町内の三鍋種苗店さんも協力もいただくことになり「花とみどり」で商店街を元気に、というコンセプトが深まっていきます。

いち早く参加表明をいただいていた、町内生花店の華りんさんと、商店街の花屋さん「TAKARADA FLOWER」さんにも大々的に協力いただき、小中学生が一番やりたがっていた「フラワーアート」づくりが具体的に前進。

実質3週間の準備!

フラワーアートのつくりかたについて、花関連の事業所さんが真剣に協議
葬儀で使用済みのオアシスを再利用してスイートピーの差し台に
フラワーアートの真ん中に飾る絵を書く(美術部だからうまい!!)
スイートピーのまわりを飾る杉の苗をかき集めに
Green Hope発案のキャラクター「アースちゃん」に塗装
飲食店を含めた出店者のみなさんと段取り打合せ
フラッグの支柱となる竹を加工
応援に駆けつけた奈良女子大学のみなさん

5.みちくさ市開催!

お金も時間もなかったため、一昨年にぼくらも一緒につくった「一之宮マルシェ」のゲートやフラッグを有効利用。

一昨年開催した「一之宮マルシェ」でつくったゲートを再利用

チラシも内部で作成して、小学生たちを中心にビラ配りや回覧板、町内掲示を進めました。

①花のプランター作り

2月11日に3年ぶりに開催される尾鈴マラソン。(ぼくもハーフ走ります!)

中町自治会・北町自治会では、ランナーの方々に気持ちよく走ってほしいという思いで、マラソンコースになる商店街沿道に約100台の植栽プランターを設置!

当日朝7時から自治会のみなさんと一緒に100台のプランターづくり 
30人以上の協力で1時間もかからず完成!速い!!
プランターのままだと味気ないので木枠をつけるワークショップ
町長と議員さんも熱心に木枠づくり!

②スイートピーのフラワーアート

Green Hopeの小・中学生が中心となり、約1,000本のスイートピーをつかったフラワーアートづくりをTAKARADA FLOWERさん監修で実施。

宮崎県はスイートピー生産量、全国一!
生産者の細野さんは、

町内にスイートピーの生産者は13件いますが、JAなどに出荷するため、実は町内の人がぼくらのスイートピーを見ることはほぼないんです。みちくさ市を機に、町の人にぼくらの花を見てほしいし、子どもたちには花を売ってほしいです!

町の子どもたちが集まってくれました。
完成!
スイートピーは小学生が販売担当して完売!
三鍋種苗店はオリジナルの寄せ植えを
華りんさんのブーケづくり体験は大好評

③ゼロカーボンに共感する出店者

町内の飲食店は、ゼロカーボンに共感。プラスチック容器を使わず、極力ゴミも最小化できるよう工夫してお店づくりを。

(出店者)
株式会社南国CBF(南国プリン・飲食)
はなかぜてい(クッキー・グラノーラ)
都農ペレット工業株式会社(ペレットでつくるピザ体験)
世界のごはんや(カレーライス)
じろう畑とまさみの食卓(揚げ餅・生搾り人参ジュース)
BUNMEI(ドーナツ)
HOSTEL ALA(お汁粉・コーヒー)

ペレットでつくるピザ
ペレットプールに子どもたち大興奮

④重要文化財「赤木家」内覧会


「みちくさ市」会場の道路を挟んだ正面に建つ「赤木家」は、都農町唯一の重要文化財。現在、保存修復工事中ですが、工事完了後には、町民も利用できる活用案を計画中。

当日は、赤木家の内覧会を開催、町民からこれからの活用アイデアを募集。
10人程度かなと思ってたらまさかの30人!都農町では珍しい行列に

6.アンケート

みちくさ市は、宮崎大学地域資源創成学部の協力もいただき、継続的に町民アンケートをとりながら、一緒に常設化の企画をしていきます。

常設に向けて、飲食コンテナやステージに期待が。

商店街については、聞くまでもなく満足度は超低め。
一つひとつやっていきましょう!

当日協力してくれた大学生が書いてくれたイラスト!嬉しい。

7.これから

中心地である商店街のハード・ソフト整備の実現を目指して実験をはじめた「みちくさ市」。毎月開催決定!

予算や人手には限りがあるけど、小中学生や町内の花とみどりの町内事業者を中心に、「小さなまちづくり」の歩みを進めて、「大きなまちづくり」として描いたグランドデザインを具現化させていきます。

次回は3月5日!
通りの名前をみんなで決めるイベントも予定してます。

 

(参考)宮崎日日新聞 掲載記事

(参考)「みちくさ市」プレスリリース


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