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町民ってだれ?人口減少を総数と年齢だけ眺めてても解決できない問題

まちづくりはだれのためにあるのか?と問われれば「そこに住む町民のため」と即答できる。

では、「町民」ってだれ?と問われたらどうでしょう。。

「みんな」というのが実在しない無責任思考ワードだとすると、「町民」も同じかもしれません。そう言っとけば角がたたず、いいことしているように聞こえる響きあり。

しかし、廃校活用や商店街の再生など、人を呼びこむ必要がある企画の実務では、「みんな」「町民(住民)」では深まらず先に進めません

1.出身・継続居住別構成比

そんなことを思い悩みながら一つのアンケート結果に注目。

都農町都市計画マスタープラン(令和3年3月)

町民というと「町で生まれ育った人」という先入観。

このアンケートの限りですが

・都農町生まれ育ちの人より、町外生まれの人の方が多い
・一番構成比が高いのは、都農町生まれ、Uターン

3カテゴリーの比率

①生まれてからずっと住んでる:25.8%
②都農町生まれ、Uターン:37.1%
③町外生まれ他:36.6%

問題は、この比率そのものがどうかということではなく。2050年に向けて、カテゴリーごとの減少幅を分析、予測、戦略をたてていくなのでは?

まちづくりは、10年、20年先を見据えたもの(であるべき)。

わかりやすいデモグラフィック的には、当然、子どもが主役のまちづくりを目指していくべきですが、もう一つの切り口として、この3カテゴリーごとの戦略をつくっていく必要があるなと。

2.生まれてからずっと住んでる

このカテゴリーの人は、当然、町のことを知り尽くしているし、個人的にも、もっとも話を聞きたい人たち。都農町らしさの大元。

ただし、2040年、2050年を考えていく際、このカテゴリーの人たちが町の代弁者たりえるのか?と問われれば微妙かも。

消費や教育、福祉のことを考えると、比率的にも決して多数派ではないこのカテゴリーの人たちの意見だけでは見誤る可能性があります。声が大きかったとしても、、

高校が廃校になってしまった町で、この先、このカテゴリーの構成比が高まることは考えにくいのが現実。仕事もほぼない状況なので。。

そうなると、このカテゴリーの人たちに対しては、昔から続く歴史や風土、町の人らしさといったアイデンティティーを、まちづくりのコンセプトとして言語化して次世代、他のカテゴリーの人たちにストレスなく継承できるか、その気運や機会を醸成していくことが大事です。

3.都農町生まれ、Uターン

現状で一番高い構成比、この先もおそらく主流になるカテゴリー。

高校は自宅から電車で通えますが、進学、就職となると、いまの町にはほぼ選択肢がないため、本人が好む好まざるに限らず、いったん町を出ることになるのがいまの町の実情。

町に戻ってくるストーリーをどうつくるか?

そのために、ぼく自身が一番力を入れているコンテンツ

・都農中学校の総合的学習の時間「つの未来学」
・ゼロカーボンU-18議会への施策提言チーム「Green Hope」

子どもの頃から、まちづくり当事者として、自分がまちをつくったという記憶、体感をつけることが、将来的なUターンモチベーションにつながると考えてます。

仕事がほぼない現状でいまUターンしてくる人たちは大別して2パターン。

・自分で起業・創業
・子育てのため親元で暮らし町外で働く

見ず知らずの移住者を増やすことへの期待に比べれば、「地元」は何者にも変え難い価値手の打ちようは、まだまだあるはず。

これまで「地元」というと情報・人脈・刺激がなく、窮屈というネガティブな側面も言われてました

これから「地元」は、リモートワークが普及し、地方の良さ・コミュニティの大切さが見直されている流れでポジティブになっていく可能性もあります。

4.町外生まれ

ぼくのような移住者はこのカテゴリー。

現状は、結婚でどちらからの実家に住むことになって、が一番多い理由ではないかなと推察。

このカテゴリーは、やり方次第で、一番増やせるポテンシャルはありますが、いまさら言うまでもなく、もうすでに1700以上の全自治体が取り組んでいる超レッドオーシャン

いま都農町でもっとも多い移住者は、町のサッカークラブ(九州リーグ加盟)「ヴェロスクロノス都農」の選手、家族。

それ以外だと、都農ワインやぼくらを含めて、ここにしかない仕事があるので来ている層。再現性があるかというと微妙かも。。

残るは、安定してサーファー。ただし、お隣の日向市のほうがサーファーにはメジャー、町の規模も大きいし便利なので都農町にはそれほどアドバンテージがないような。。

5.打ち手としてなにをする?

3つのカテゴリーに、40歳を境にした年代2区分を掛け合わせ、6区分で意見を聞いてみました。

中心地の商店街に求めること

・「都農町出身」は全年代とも祭りの充実が一番高い
・「Uターン」は創業への期待が高まり
・「町外出身」では、全年代とも創業が断トツに。

この結果をみても、「都農町出身」「町外出身」の両方がわかる「Uターン」をメインにおいて戦略をたてるのが現実的ではないでしょうか。

とはいえ、簡単ではありません。

すでにほとんどの自治体で、「Uターン者向けの移住・就職・創業支援」など、手を変え品を変え、取り組んでいます。

ぼくなりに提案したい打ち手はこんな感じ

①Uターン候補者への定期的情報発信
②Uターン候補者のキャリア・コーチング
③Uターン候補者の二拠点居住支援

①定期的情報発信

一番大切。中学卒業時点で、町としてその後の消息を追跡できにくくなるのが現状。町の公式LINEでグループをつくるなり、その後のコミュニケーションチャネルを意図的に整備していく必要があります。

考えてみれば、中学生までって、町のことなんてわかりませんよね。生活圏は自宅周辺と通学圏内。町長が何を考えて、町としてどういうことしようかなんて、興味もなければ知りようもありません。

町の近況や政策をわかりやすく解説しながらアップデートして共有できれば、出身者たちの成長・キャリアに応じて、マッチングするタイミングがあると思います。

②キャリア・コーチング

役場でやってる移住相談や起業相談という内容ではなく、帰りたいけど食べれない、さぁどうする?という本人のリアルな悩み、これからのキャリアに対して、がっつり伴走していきたいです。コーチやりたい(立候補w)

本人の強みと、町にあるニーズや町内事業者とのネットワークを掛け合わせて、3つ、4つの複業を考える。かきあつめて月収15-20万ぐらいを目指す感じ。なんとかなるんじゃないかなぁ

③二拠点居住支援

すでに東京や宮崎市内で起業したり、フリーランスとして生計を立てている地元出身の人もいるはず。

地元には住宅費のかからない実家があるので、他地域に比べれば二拠点居住のハードルは低いはず。

仕事はあくまでも町外案件をやり、町としての外貨獲得に貢献。町にいる時には、小・中学生に新しい働き方として、どんどんコミュニケーションをとってもらう。そんな役割も、これから重要になってくるのでは。


3つの打ち手は、個人的に結構、具体的なイメージもあり。どこか話を聞いてくれる自治体があれば、いつでも喜んで馳せ参じます(営業 笑)


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