見出し画像

【連続不定期更新小説】どうして僕らは分けてしまうのだろう -オン派もオフ派も、大手も中小も、若手社員は一堂に会する-

数あるコンテンツのなかから、本作を手にとって頂きまして、ありがとうございます!

本作は、今の世界と少し似ている、何年か先の未来を舞台にした小説です!
一応5話目ですが、単体で読んで頂いても大丈夫な内容にしています。
4話目は以下から読めます。読んで頂けたら嬉しいです!

-あらすじ-
数年前、感染力の強い病が世界中に流行した。その後、感染が収束した後にもオンラインツールを積極的に活用する人々と、病が流行する以前のようにオフライン重視の生活に戻る人々に分かれるようになった。
この時代の人々はどのように働き、生きているのだろうか?
場面は研修会場。大手飲料品メーカーとそのグループ企業に所属している若手社員が集まっているようだ。

研修会場に入り、自分がすわるべき座席を探す。グループワークが研修メニューのメインとなっているためか、約6人の班ごとに座席は分かれている。
指定された座席を見つけると、すでに着席していた同じ班のメンバーに軽く会釈をしながら腰かける。
一人暮らしで普段在宅勤務をしている俺にとって、複数人で文字通り机を囲む機会はなかなか少ない。

班員と自己紹介がてら、当たり障りのない雑談をするうちに、出席者はぞくぞくと集まっていった。

定刻になると、研修の開始を告げるアナウンスが流れ、まず登壇した役員が挨拶をする。

今回の研修では、企業グループ全体の活性化を図るため、大手飲料品メーカーとそのグループ企業の若手社員によるワークを行うとのことだ。グループ全体で団結することで、飲料品市場における業界シェアを向上することが狙いらしい。

グループ内の末端である中堅企業に勤めている俺にとっては、役員の話は身近なことには感じられない。あまり知らない、どこか遠く土地の特産物の話でも聞いているかのようだ。


挨拶の後に、講師による「オフラインにおけるコミュニケーションの重要性」と題した講演が始まった。

制度への対応や効率性の向上のため、多くの企業が、オンライン・オフラインの勤務形態別に組織を設けるようになった。
案件はオンライン営業またはオフライン営業を経由するが、オフライン営業由来の売上が大きい。
大企業を中心に、大きな案件についてはオンライン営業が担当していることが多い。
そのため、顧客とのやりとりを含め、オフラインにおけるコミュニケーションは重要である。
オフライン上のコミュニケーションを促進する方策とは……。

聞いただけでは、ためになるのかならないかよく分からない講義内容についてメモをとる。

やがて講義が終了し、グループワークを行う時間となった。

(つづく)
※数あるコンテンツのなかから、本作を読了頂き、ありがとうございます

次のお話はこちらです!

1話目はこちらです!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?