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中国生活で感じたこと#7(今一番安全なのは中国?中国社会と感染症対策の相性)

中国に行く前からわかっていましたが、中国嫌いの日本人がいかに多いか、中国に来てからあらためて実感しています笑。普段から中国、韓国にネガティブな印象を持つ祖母に、中国に赴任すると話した際に『中国なんて…』と言われたときは、生きてきた時代、受けてきた教育が違うので仕方ないとは思いつつ、少しショックを受けました。

今回のコロナ騒動を受けて、中国に対するヘイトが高まりつつあり、こんな状況下で中国が安全と書くと、より一層ヘイトを集めですが、中国(上海)の現状について書いてみたいと思います。

1.感染防止の意識が高い。

多くの日本人が思い抱いているように、私も中国人は自由、悪く言えば自分勝手な傾向があると思っていました。そんな中国人も感染防止に対する行動が徹底されています。

外に出ればマスクをしていない人はいません。ゴルフの打ちっ放しに行ったのですが、マスクをしながら練習している人が半数近くのように思います。

スーパーに行けば、入口で体温を測られます。またビルによりますが、健康アプリの提示を求められます。これは中国入国後14日間の経過観察期間を超えていること、直近武漢・湖北省への渡航していないことの証明となり、緑字に表示されていないとビルに入れません。

飲食店では、臨席と距離を置くことが徹底されますし、列に並ぶときも距離をあけなくてはなりません。いわゆるsocial distancingが徹底されています。

DIDI(配車アプリ・中国版UBER)も、全部と後部座席の間にビニールが貼られていました(本題と関係ありませんが、中国はタクシーを含む公共交通機関がとても安いです。地下鉄は40から50円、タクシーも30から40分乗っても1000円いきません)。

まだ、一日しか外に出られていないので、確認できたのはこれだけですが、徹底具合を感じています。強いトップダウンもあるのでしょうが、この中国で、ここまで徹底されているのは正直驚きました。

2.都市封鎖、移動制限

中国全体の話はいろいろなところで纏められているので、私の住んでいる上海について、中国のソフトウェア会社、石墨档文のデータを使って感染者の推移を見てみます。

1月24日に武漢の都市を閉鎖し、その後1から2週間は患者が増加していますが、その後沈静化が進んでいます。上記2週間は潜伏期間によるものと思います。

武漢、湖北省の封じ込めと同時に、各都市では外出制限、各省市との移動の制限を開始しました。本来1月29日までの春節休暇を2月2日まで延長、春節以降、学校も休校になりました。企業も一部業種を除いて在宅勤務が中心となり、先週くらいより平常化が進んだ状況です。学校は、当初は3月から再開という話もありましたが、少しづつ延期され、現在のところ4月中旬から再開される予定です。

結論からみると武漢・湖北省の封じ込め、上記対応が功を奏して、新規発生の抑え込みに成功しました(3月中旬から上昇傾向に転じているのは、日本同様に海外からの渡航者によるものです。3月20日以降、立て続けに対策が打たれ、最終的に3月28日より、外交官などを除いて、居留ビザを持っている人も中国に入国出来なくなりました)。

無症状の感染者を数字に含めていないという報道もありますが、少なくとも1月末~2月初旬はPCR検査で陽性だった人をカウントしていたと思います(計算方法を変える際にアナウンスがあったような記憶もあります)。

とはいえ、ピーク時で40名程度の状態のときに、上記のような厳しい措置をとってさえも沈静化するまで数か月要したことを考えると、東京でも徹底した対応が必要になるかも知れません

3.管理社会と感染症対応の相性

以前の記事で、監視カメラの話に絡めて、治安とプライバシーについて書きましたが、中国は管理社会で、政府主導のデータの一元管理が進んでおり、そして国民にも、個人の権利より安全を求めるマインドが根付いているように思います。中国は、アメリカ同様にIT分野の成長により国力を高めてきた国ですが、中国の場合、特に『内向き』に成長してきたという特徴があるように思います。

この現在の中国は、感染症対策との相性が良いのだと思います(管理社会でもresourceがなければダメです)。裏を返せばそうではない国は、それだけ国民に権利が与えられているとも考えることが出来ます。

結果として、中国がいち早く立ち直ろうとしています。嫌われがちの中国ですが、冷静に良いところ、悪いところを見ないといけないよね、なんて思った休日の昼下がりでした。

日本はしばらく感染者増のニュースが続きそうですが、個々人で出来ることは限られていますし、やるべきことをやり、過度に不安を貯め込まないようにするしかありませんね。

社会構造も少し変わるかもしれません。社会が変われば、仕事、働き方も変わります。私自身、海外で働くことも今後難しくなっていくかも知れません。自分の軸となるものを築くため、勉強しましょう。

ではでは。


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