毛萱街道活版印刷製本所/小熊
今、夢中になっている詩人・北園克衛の最初の詩集『白のアルバム』(1929. 厚生閣書店)の中の「圖形説」と題した11篇の詩に絡む話です。
毛萱街道活版印刷印刷製本所の日々の作業を紹介いたします。
毛萱街道活版印刷製本所は、2018年にプライベートレタープレスとして業務を始めました。金属活字で組んだ版(組版)による印刷を主に行っておます。樹脂板や亜鉛版などによる凸版印刷はあくまで補足的な方法として考えています(ご要望があれば対応いたします。)。また保有している活字の数や字体、大きさは、全く無いところから始まっております。これまで、活字は必要に応じて活字店より購入をしながら揃えてまいりました。今後も活字店に依存しながら業務継続を図って参ります。 手間暇のかかる日本語の
前回「(仮題)北園克衛「圖形説」の周辺備忘録..vol.2」で紹介した『奈良大学紀要第34号』に掲載された奈良大学教授浅田隆氏(当時、現在は名誉教授です。以下同文)の論文「奈良大学図書館『北村信昭文庫』北園克衛初期詩篇及び初期未発表詩稿等」(以下「論文」という。)において公表された北園克衛の未発表詩稿『記號学派』に基づき活版印刷として組版を作り印刷した詩「曲乗り練習」の画像を掲載します。 この詩について論文で浅田隆教授は、「総題「記號学派」の中の「曲乗り練習」は『白のア
前回のこの周辺備忘録において言及した『奈良大学紀要第34号』に掲載された奈良大学教授浅田隆氏(当時、現在は名誉教授)の論文「奈良大学図書館『北村信昭文庫』北園克衛初期詩篇及び初期未発表詩稿等」において公表された北園克衛の未発表詩稿『記號学派』の詩稿が下の図(部分)です。 下の図に取り上げたのは5篇ある『記號学派』うちの「記號動作」という表題の1篇となります。(※これは公開されている論文のPDFファイル画像データに変換をさせていただきました。) そして、上記詩稿をから活
今日から時々、今、夢中になっている詩人・北園克衛のことを書かせていただきたいと思っています。この文章は、とりわけ北園克衛の最初の詩集『白のアルバム』(1929. 厚生閣書店)の中の「圖形説」と題した11篇の詩に絡む話になります。ですから、仮題としてこの連続した文章を「北園克衛「圖形説」の周辺備忘録」としました。またこの文章を備忘録としたのは、ワタシが現在及びこれから行っている又は行うであろう作業を納得できる形にするための自分の頭の中の整理、そして未知のことに対して謙虚に向か
1年前から計画していた1930年に出版された詩集の復刻を開始しました。まだ5分の1の作業を終えたばかりですが、感じたことを書かせていただきます。 小説とか散文の初版本と違い詩集の初版本はある意味では本全体で一つの詩を形作っていると言える場合があるかと思います。例えば詩画集となるとどうしても初版本の勢いを再現するには初版と同じ工程で本を造らなければならないことになりかねません。 私が再復刻をしている詩集は尾形亀之助の『障子のある家』です。この詩集の初版本はどこかに所蔵
妻から要望があり、料理のレシピカードを作りました。 妻からの指示は、 ・大きさはB7(128mm×91mm)で横長のカード ・罫線は波線 ・料理名を書く見出しのための線を左上に付ける。 ・縦に3本の線を引き、材料名、分量、説明の3つの書く欄を作る。 ・色は5色 大体、以上です。 そこで私は、五号活字の2倍の幅の行を波罫で作ることにしました。 また、見出しの線は、ちょっと変わった飾り罫にして、さらにレシピカードを検索して取り出しやすいようにインデックス