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日々の作業

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毛萱街道活版印刷印刷製本所の日々の作業を紹介いたします。
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詩誌『回生』製作のための新たな装幀の試み

詩誌『回生』製作のための新たな装幀の試み

 詩誌『回生』は、今年2024年に2月10日に「が号」を発行したことを最後に、製作方法を活版印刷による印刷と手製本に変更しました。殊更、活版印刷という「ページ物」ではあまり使われない印刷方法を強調する気はないのですが、自分が努力して知識や技術を身につけながら会得した印刷方法なので、詩誌『回生』という詩の雑誌という主目的とは切り離して今回発行する「ぎ号」の装幀に関する製作のことを書き記したいと思いま

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毛萱街道活版印刷製本所の名刺製作について(2024.09.09現在)

毛萱街道活版印刷製本所の名刺製作について(2024.09.09現在)

 毛萱街道活版印刷製本所では、名刺の製作の注文を受けています。当工房での名刺製作のこと(流れ、経費、日数等)を記したいと思います。

費用についての基本的な考えは、
 ・手間賃(組版の製作及び印刷)3,000円
     (100枚増えるごとに1,000円追加)
 ・意匠代3,000円(レイアウトの指示がなくゼロから作る場合。)
      レイアウトの指示がある場合は、意匠代はかかりません。
 

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昭和初期の活版印刷で出版された詩集の再復刻作業(その1)

昭和初期の活版印刷で出版された詩集の再復刻作業(その1)

 1年前から計画していた1930年に出版された詩集の復刻を開始しました。まだ5分の1の作業を終えたばかりですが、感じたことを書かせていただきます。

 小説とか散文の初版本と違い詩集の初版本はある意味では本全体で一つの詩を形作っていると言える場合があるかと思います。例えば詩画集となるとどうしても初版本の勢いを再現するには初版と同じ工程で本を造らなければならないことになりかねません。

 私が再復刻

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レシピカード(料理カード)の製作

 妻から要望があり、料理のレシピカードを作りました。

 妻からの指示は、
 ・大きさはB7(128mm×91mm)で横長のカード
 ・罫線は波線
 ・料理名を書く見出しのための線を左上に付ける。
 ・縦に3本の線を引き、材料名、分量、説明の3つの書く欄を作る。
 ・色は5色

 大体、以上です。 
 そこで私は、五号活字の2倍の幅の行を波罫で作ることにしました。
 また、見出しの線は、ちょっと変

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