小冊子作り(No.1)

画像1 毛萱街道活版印刷製本所では、サイトに今後の企画として小冊子の発行を掲げています。その作業に取りかかりました。紙は鹿敷製紙さんの手漉き土佐和紙の黒梶和紙A5判。粗野な色合いと手触りがあります。このできあがったばかりの紙に何を表現するのか。版面構成と組版の当たりはほご決まっています。あとは一枚一枚手すりの画を入れ、金属活字で文字をこれまた一枚一枚テキンで印刷してゆくことになります。
画像2 創刊号は、A5判で12ページとなります。見開きに大きな銅版画で画像を印刷することにしました。もう30年以上も前に購入した銅販を引っ張り出して、銅板を切る専用の道具で手で何回も削って切り落とします。ほぼ紙の版面と同じ大きさにします。
画像3 寸法を測り、切断が終わったら、炭で磨きます。炭で磨くのは荒い磨きです。この後仕上げに研磨剤で磨きます。
画像4 炭で磨ききった銅販。光の加減で色が青みを帯びていますが、銅の色は変わりません。炭で磨いた跡が残っています。これを最終的には研磨剤を使って鏡のように磨きますが、そこまでは私は磨きません。面倒だからです(ただの無精です。)。それと銅版画では銅板の四隅(エッジ)を斜めに削ります。銅版画は用紙を水で濡らして銅販と一緒にプレスしますので、プレス機の圧で紙が破れる恐れがあるので四隅を直角にしないで緩やかな角度をつけます。私は荒く削ります(これも無精なだけです。)。
画像5 銅版画のインクをのせる工程では銅販を温めてインクを詰め、熱でインクが銅板に刻んだ細かな線に詰まるようにします。その後、銅板を通常は冷やし、インクが固定されたら、拭き取りを寒冷紗などで行います。
画像6 拭き取り後の銅版画の版です。私は、今はエッチングの技法は使いません。なぜかと言えば、化学薬品を使いたくないということに尽きます。それと、自分の動きで画を作りたいと思っています。直接に銅販に触れて切り刻んで画を作るということです。化学薬品を使うと、面白い効果がでるのですが、これまた面倒です。また、薬品の処分に困ります。
画像7 この和紙は柔ら無いです。繊維が長いということでしょうか?雁皮紙のように細かな繊維が絡み合った薄くて丈夫な和紙ではありません。なので、水に浸すとすぐに溶け出しそうになります。さらに繊維がほぐれて銅板に入れた傷と絡み合います。それも面白いのですが、水に浸さなくてもきちんとインクを吸い取ってくれます。上は水を入れないで銅板が熱いうちに印刷したもの。下は和紙を水に入れてなおかつ銅板を冷ましてから印刷したもの。

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