北園克衛の視覚詩「貴婦人」再現の試み(完成篇)

チェース全体 3週間(休日だけの作業)かけて北園克衛の視覚詩(コンクリートポエトリーとも言われますが、それともちょっと違う。タイポグラフィの延長線上にある前衛とも違うデザイン性が主体な詩です)の詩「貴婦人」を再現した組版が完成しました。
括弧1 活字が揃えばあとは組み合わせだけなので比較的簡単に完成します。問題は、この括弧の活字があるかないかです。これは五号二分の厚みと幅五号2倍の幅の括弧(ブレーズ)です。なので五号を基準にした組版においては、二分を重ねれば良いのであまり苦労はないです。
括弧2 こちらは、五号7文字の幅と五号5文字の幅の括弧(ブレーズ)です。最悪、ブレーズ鋏で括弧は作らなければならないと考えていましたがなんとか手持ちの括弧(ブレーズ)で間に合いました。先ほども書きましたが、ブレーズの厚みが五号二分なので、横に五号二分のスペースを入れています。
罫線1 罫線はただ単に横とか縦とか同じ平行な並びならばあまり難しくないのですが、縦と横が交わるとそれを隙間なく合わせるのが難しいです。本当は、事前に計算をしてということなのですが、込め物のことを考えると頭が追いつかないので、最後は感で適当な込め物を入れて合わせます。
組版 完成した組版です。横の「貴婦人」の活字は三号なのでここで五号と三号を合わせる工夫が必要となります。また、説明書きは8ポなので、ここでも長さを合わせる必要が出てきます。横組みと縦組を合わせるのはなかなか難しいのです。合ったと思うと、チェースに組んで機械に装着するとちょっとの緩さで活字や込め物が落ちてきます。テキンだとまだ手動式なのでいいのですが自動の印刷機だとこの辺はかなり精度を要求されると思います。
印刷完成 印刷を終え、完成したものです。詩集『白いアルバム』の普及版の大きさは縦175mm×横135mmです。この用紙は B6(縦182mm×横128mm)ですので縦横とも約7mm大きな用紙(アラベール・ナチュラル 菊判 (636X939mm , 111kg)に印刷をしたことになります。デザイナーの山口信博氏は8ポの活字を使ったとのことでしたが、用紙の大きさから判断すると中心の文字は五号活字だったと推測出来ます。
画像7 今回B6判の用紙に印刷した詩「貴婦人」は、毛萱街道活版印刷製本所のショップにおいて配付(発売)している詩誌、詩誌『回生』み号をご購入の方に限って先着10名様におまけでお付け致します。http://kegayakaido.base.shop

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