けーえす

映画とボードゲームとDeNAベイスターズが好きです。 妻子と猫四匹と暮らしています。 …

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映画とボードゲームとDeNAベイスターズが好きです。 妻子と猫四匹と暮らしています。 飼い猫との思い出を残すために note を始めました。

最近の記事

映画感想『君たちはどう生きるか』

●前書き 『君たちはどう生きるか』の感想です。 ネタバレしています。 簡単に宮崎駿作品についての自己紹介をします。 劇場用の監督作は全て観ています。 他には、漫画『風の谷のナウシカ』を読んでいます。 アニメ、漫画、いずれの『ナウシカ』も大好きで、特に漫画版には大きな影響を受けました。 反面、『もののけ姫』の後の監督作には、あまり魅力を感じていません。 ●どんな物語なのか 太平洋戦争中の日本が舞台の、ファンタジー冒険活劇でしょうか。 少年が、子どもから大人になる過程での成長

    • 漫画感想『ヴィンランド・サガ』27巻

      前巻で、それまで感じていた「本作は、坂口尚『石の花』への幸村誠の回答だ」との思いが更に強くなり、本巻で、それは確信に変わりました。 ただの思い込みかも知れないし、こういう見方をすることで視野が狭くなって、あるいは作品の魅力を損なうこともあるかもです。 ただ、両作者、そして両作品が大好きな僕にとって、これは運命のような、奇跡のようなことに思え、頭から振り払うことが出来ないのです。 恐ろしいのは、ヴィンランド・サガが、石の花のその先を描こうとしていること。 あの最終話は、あそ

      • 映画感想『NOPE/ノープ』(2)

        『NOPE/ノープ』の感想つづき。 ネタバレしてますのでご注意ください。 前回はこちらです。 https://note.com/ke_es/n/n01fd705e6dcd 今回は、登場人物たちについてです。 リッキー“ジュープ”とゴーディ この作品を良い意味で掻き乱してくれるお二人です。 おそらくジュープの回想と思われる、ゴーディ暴走事件のシーンは、冒頭と中盤の二度に分けて出てきますが、どちらもキレキレで素晴らしいんですよね。 初見時は、冒頭のシーンで完全に心掴まれまし

        • 映画感想『NOPE/ノープ』(1)

          前書き 映画好きなのですが、ここ数年はあまり観れていません。 これだけは!というものを、月1くらい映画館で観ています。 なので、大概どれも「おもろい!最高だぜ!」てな感じなのですが、先月末に観た『NOPE/ノープ』は後を引く魅力があって、思わず2回目をIMAXで観に行ってしまいました。 感想をツイッターで漁ってはホクホクしている今日この頃です。 積もった思いの丈を出力したくなり、感想をだらだらと書いてみます。 なお、出来るだけ前情報なしで観た方が良い作品ですので、興味のある

        映画感想『君たちはどう生きるか』

          飼い猫を亡くした話(5)

          手術当日は金曜日だった。 普段も、休日前で落ち着かなかったりするのだけど、彼女のことを考えると、いつも以上に仕事が手につかなかった。 予定では、午前中に病院へ預けて、午後手術することになっていて、16時頃には結果が分かるはずだった。 偶然、翌土曜日は、僕の主催で親しい友人たちと久しぶりに会う約束があった。 結婚式と披露宴に来てくれたメンバーで、1ヶ月前から楽しみにしていた。 その事も相まって、午後は気持ちがぐちゃぐちゃだった。 16時を回った後は、妻からの連絡が気になりだ

          飼い猫を亡くした話(5)

          飼い猫を亡くした話(4)

          息子が我が家にやってきて、半年が過ぎた。 僕ら夫婦は、子育てにだんだん慣れてきたけれど、ストレスは嵩んでいて、心身ともに余裕のない日々が続いていた。 彼女は不機嫌が常になっていて、たまに機嫌が良くても、すぐに腹を立てたり、昔に比べて落ち着きがなかった。 皆がよくいる一階の居間は、保護猫母の専用部屋と隣あっているので、それが原因のようだった。 いつも、部屋を隔てる引戸を引っ掻いてイライラしていたから。 あるいは、息子やモナカたちと一緒にいたくないのかも知れない。 彼女が腹

          飼い猫を亡くした話(4)

          飼い猫を亡くした話(3)

          モナカがやって来た翌年、我が家にさらに大きな変化が起こる。 その頃、僕らはアパート住まいから戸建てに引っ越しをして(ウチの猫たちは新居にもすんなり移ってくれた)、1年くらい経っていた。 春から初夏への季節の変わり目で、ちょうど春に産まれた子猫たちが、ちょこちょこ歩いていたりする時期だ。 我が家の近くには小さな畑がいくつかあって、そのうちの1つを根城にしている猫一家がいた。 若い母猫と産まれてひと月くらいの子猫4匹で、通りすがりに見かけては微笑ましく眺めていた。 ただ、すぐ

          飼い猫を亡くした話(3)

          飼い猫を亡くした話(2)

          2歳を過ぎた彼女は、すっかり大人の猫に成長していた。 人間で言えば、20代後半に差し掛かる頃で、子猫時代の、あの魔法のような愛くるしさは失われつつあったけど、すらりとした美人になっていた。 中身は昔と変わらぬまま。 当時の悩みは、日中の彼女のことだった。 僕ら夫婦は共働きで、妻はパートタイムとはいえ平日のほとんどは家におらず、彼女はほとんどの時間を独りで過ごしていた。 妻の実家が近いので、昼の間、彼女を預けたりしていた(僕らはこれを保育園と呼んでいた)が、妻の両親も働い

          飼い猫を亡くした話(2)

          飼い猫を亡くした話(1)

          9日前に、飼い猫を亡くした。 まだ若いメス猫で、彼女との別れが来るのは、もっとずっと先だと勝手に思っていたから、なかなか心の整理ができない。 ずっとどんよりとして、いつもどこか上の空で、泥沼に浸かって歩いてるような気分。 時々、不意に悲しみがこみ上げてきて、何度も涙が出た。 職場で、なに食わぬ顔でいながら「ウチの子が亡くなったのに、何で仕事なんかしてんだ?」と、何十回も心の中で呟いて過ごした。 ようやく、僕も周りも少し落ち着いてきたけれど、本当に穏やかな気持ちで彼女のこ

          飼い猫を亡くした話(1)