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第4章スタート脱サラ研修講師の危機突破法 創業期の目論見外れ【39】脱サラ研修講師が語る 独立開業のリアル 綱を信じて、バンジージャンプ!

 第4章 脱サラ研修講師の危機突破法

 あの時、あの人に出会っていなかったら、あの仕事がなかったら今はない。そういった記憶の中で、もっとも鮮烈なものは、2回あった廃業危機のこと。もうトラウマになっているぐらいです(苦笑)。
3回目に出くわなさないように、今も心の底ではびくびくしながら生きている面があります。そのためには、過去からしっかりと学んでおくべきだと頭では分かっていますが、性懲りもなくというのは人間の専売特許。さてさて、これからどうなりますやら。2020年になって、新型コロナウイルスによる研修キャンセルに見舞われましたが、なんとか3回目の廃業危機になりかけながらもなんとか切り抜けることができたのは、国からの支援もありましたが、何といっても過去からの学びの賜物で、有事の備えがあったからなのでした。



 創業期のダイナミックな目論見外れ

 これまでも度々触れてきましたように、2001年夏に予定よりは早かったものの、会社を退職。飛び出したまでは良かったのですが、後がいけません。これでも妻と子ども三人、愛犬一匹抱えている世帯主です。独立してなんとかなるのかについては、今から思うと如何にも楽観的な拙いシミュレーションでしたが、いろいろと計算してはいました。

 私の父には事後報告みたいなもの。親のほうはというと心配はもとより、もう諦めるといった心境だったようです。妻の両親に至っては、すっかり会社を辞めちゃったあとに聞かされていますから、唖然茫然だったのではと思われました。

 この時、私が考えていた基本戦略は、
(1) この当時親交を結んでいた独立系FP(ファイナンシャルプランナー)のパートナーコンサルタントとして全国の企業・団体を「ライフ&キャリアビジョンの専門家」として研修、講演で駆け回る。執筆活動も行い、拡充させる。
(2) 仕事領域を増やしておくという意図で、保持している国家資格を生かして行政書士事務所を開業。「街の法律家」フレンドリーな法務コンサルタントとして活躍する。

 ざっと、こういうものでした。(1)のほうは、思ったほどクライアント側のニーズは広がらず、新しい仕事は生まれませんでした。仕事はまったくない訳ではないですが、このFP一人だけでやれる範囲でしかなかったのです。カドワキの活躍余地はありませんでした。それなら、(2)で埋め合わせをして、地域ナンバー1の行政書士にでもなれればよかったのですが、開業してからハッキリ分かった己の適性の無さと持続の意志の無さ。そんなこと今頃言うなよという体たらくでしたが、見通しがあまりにも甘かった。しかも、すぐに軌道に乗らないという想定がまったくできておらず、仕事を確保できない期間を支える財政基盤を考えていないというおめでたさ。金詰まりになったときに、よくぞ高利の消費者金融に手をださなかったものです。

後年、独立が少し軌道に乗った頃、妻のお母さんが「へんなところから借りるぐらいなら、絶対に言ってきなさいね」と妻に言ってくれていたことを知りました。ホントに、心配ばかり掛ける不肖の婿でした。

 こんな私の何がいちばんいけなかったのか。それは、本質的には、すべて他力本願だったのです。自分の努力はなく、他人がなんとかしてくれると楽観的に思い込みすぎていました。当時の私はこんな状態でも「ボクはボクでがんばろうと思っているんだ!」と叫んでいたでしょうが、現在の私は「どあほう!そんなの努力とは違うんじゃい!」と一喝していたでしょう。

体(形)だけは、会社員ではなく、看板出して個人事業主となったものの、頭の中身は仕事の指示命令を受けて動くだけの、あんまり積極的ではないサラリーマンのままでした。これでは、「独立」とはいかず、気が付けば独りぼっちの「孤立」になるのも無理はありません。

 私の場合、独立ワールドでの空前の温度の低さを実際に肌身に感じて、目を覚まされました。凍死する恐怖もすぐに実感することとなりました。生き残るためには、急ピッチで自ら考え行動する、零細事業主の思考に切り替えていくことしかなかったのです。そうしないと生きていけないことを骨の髄から体感的に知りました。そして、すべては自己責任。他責的な思考から主体的(自責的)な思考に転換しました。他人のせいにしても何の解決にもなりません。自分でできることをまずはやることです。「他人を非難する暇があったら、明日の支払いの段取りをつけろ!」なのです。
(明日へつづく)
 

自分が培って来たものを勇気を出して発信していこうと思っています。お読みいただいた方々の今後に少しでもお役に立てば嬉しく思います。よろしければサポートをお願い致します。続けていくための糧にさせていただきます。