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決して一喜一憂しないこと【45】脱サラ研修講師が語る 独立開業のリアル 綱を信じて、バンジージャンプ!

決して一喜一憂しないこと 晴れもあれば雨もある。雨ばかりでもない。

 2010年4月に、大阪市内の事務所を兵庫県宝塚市の自宅に統合しました。大阪市内の事務所は賃貸に出して家賃収入を得られるようになって、経営上もかなりの身軽になりました。なんとかその年を越えて、迎えた2011年3月に東日本大震災が起こります。

あの日、私は千葉の船橋にいました。出向いていた研修センターから避難して、屋外で待機していましたが、高層ビルがあんなに揺れるのをはじめて見ました。最初は様子も分からず、「結構、大きな地震だったな」ぐらいの感じだったのですが、ほどなく目にした津波のニュースに事態はとんでもない事であることを悟りました。

 東北の方々には本当にお気の毒なことだったのですが、関西拠点で活動している私の場合、クライアントさんは、西日本が多かった。そのため、3月から5月くらいまでは、地震の影響での研修の中止、延期はあったものの、6月以降は堅調に受注が伸びていっていました。翌年の2012年は業績をかなり回復することができ、どうやら創業時代に続く、2回目の廃業の危機は回避できたようでした。

思い返せば、創業時のどん底から、どうにか離陸できると意外な好調で、しかもそれが続きました。気がつけば、新車のベンツを買って、2軒目の家を買って、そして、カフェ開店。三人の子どもたちは、すべて塾通いして中学受験。私立中高一貫校に通わせてと、自分で言うのもおこがましいですが、ホント、そこは「黄金時代」でした。でも、内心ドキドキはしていたのです。私とて、能天気に好調を信じ込んでいたわけではありません。創業時のあの、仕事をしたくても仕事がなくてできないつらさの感覚は、この体から抜けることはなかったのです。リーマン・ショック、東日本大震災。こういったピンチは、今後、絶対ないとは言えません。現に、2020年になって、新型コロナウイルスによる研修キャンセルが続きました。当社も大幅な減収です。とはいえ、いいことばかりは続かないということばかりではなく、悪いことばかりが続くということもないということを学びました。状況が悪くても、一喜一憂し過ぎずに、淡々と日々を営み、有事に備えておくことです。調子が良くても安心してはいけません。「勝って、兜の尾を締めよ」の心得がいかに大事かと身に沁みました。
(明日へつづく)



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