高人さんが猫になる話。8
ここ数日、ちゅん太は毎日のように逢いにくる。何をするでもなく、手土産に水とご飯を携えて、ただ隣に居る。一日中。
こいつは、俺を探さないで猫の尻ばかり追いかけて何してんだ!
いや、俺が西條高人である事は間違いないのだが、どうも気づいてる様子はない。無いのに毎日やってくる。
猫になって5日目、1日も欠かさずやってくるこの男に苛立ちを感じていた。そんなに猫がいいのか。俺の事はお構いなしか!
自分自身に嫉妬など己の尻尾を追いかけて捕まえようとするくらい愚かだ。そんな事分かっている。