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転職したら上向いた自分のケース【低属性】

自分はたぶん転職魔

そもそも飽きっぽく、学生時代からバイトが続かない体質でした。
結果的に面接しまくるので不採用耐性が鍛えられ、ライトに面接に行ける人間に育ちました。

正社員経験だけ挙げると、最初はレジャー系の新聞社で版下製作をやりました。次は設備設計の会社で図面のトレーサーという仕事でした。どっちも今はなき手作業の職業です。

次の印刷会社グラフィックデザインアシスタントの仕事は、デジタルと手作業の端境期でした。その次は完全にデジタル期入りし、出版物の組版会社でDTPをやりました。あとは紹介予定派遣で中規模SIerに入社しSEをしたのが思えば最後の正規です。

正規はそんなもんですが、途中でワーキングマザーになったので拘束時間をシビアに気にするようになり、収入を時給換算し割が悪ければ転職を考える癖がつきました。なので年1くらいで職業職場を変えていて、合間に派遣や契約社員を結構やってます。

転機は非正規時代

財閥系のメーカーで派遣のDTPをしてたときのことです。
そこのチームはお爺さん寄りのおじさん2人と自分の3人所帯でした。
たった3人なので、ぜんぜん別の部なのにシステム開発室の片隅に席を置かれ、ひっそりと商品カタログを作ってました。

工場を持ってる企業のため作業制服がありました。ホワイトカラーな部門の人も社名入りジャンパーを着ることになっており、今はもう珍しい「更衣室」がありました。

あるとき更衣室で、システム室で開発をしてるNさんから「ほげまかさんて服好きだよね?」と突然声をかけられます。

その頃の自分は、働かない夫+子供を時給1500円で養っていました。だから被服費は節約していて、荒川区東日暮里にあったキンカ堂系の「ギャル」という店で、ギリギリ会社に着ていける一番安いのを選んでました。

値下がりする服とは、まず無難な売れ線ではあり得ず、だいたいパンチの利いた色柄デザインです。しかし当時のキンカ堂の仕入れはセンスが良く、そこで買った300円のバッグを「それアナスイだよね?」と言われたこともありましました。

つまりは誤解ですが、キンカ堂のおかげでパンチの利いた服好き女子のNさんから話しかけられたわけです。

システム室にはNさんを入れて3人女子がいて、蓋をあけたら全員派遣や下請会社要員でした。人見知りの自分も外注同志の気安さからランチ仲間となり、そのうち飲みに行くようにもなりました。

たまたま特需で未経験からITへ

そしてその頃、2000年問題対応という大きめのIT特需が起きていました。WindowsXPやインターネットエクスプローラーの終了対応・法改正対応・リモートワーク対応のように、IT界にはたまに特需イベントが発生します。

「人足りないから入らない?」とNさんから下請会社へと誘われ、システム開発の仕事に転身しました。

しかしそのとき、システム室の外注リーダーで日経ウーマンオブザイヤー部門賞に輝いたスーパー派遣(推定時給4000円)のOさんから、「そんなに甘くないって。向いてないからやめといたら?」との意見も頂戴してました。

向き不向きはあっても時が解決してくれる

やり始めて即、頭の作りがまったく向いてないとわかりました。仕様書が来るたび「自分に可能なレベルであれ…」と祈りつつ、どうにか時の流れに身を任せてやり過ごすプログラマーでした。

それから約二十年たち、所属や形態は変われど今も一応SEなどやってます。主に自分がやってきた他の職業よりお金がちょっといい(IT界では底辺で米国平均年収くらい)からです。

プロジェクトごとに企業を転々とするため、超飽きっぽい自分なのに飽きる暇がなかったのも継続の秘訣と思われます。

ときどき長いプロジェクトにはまって飽きかけると、副業の面接に行きます。普段は入れないセキュリティゲートの向こう側や、お店のバックヤードを覗けることで、またリフレッシュして本業も頑張れます。

頭の問題は、業界入りして5年も過ぎた頃にはロジカルトランスフォームを完了し、おかげさまで「ビクビク」も「ヒヤヒヤ」もあまりしてません。

まとめ

たくさん会社を見学したり働いたり、そこで人を観察したりする経験は有益です。世の中の仕組みを自分の腑に落とす近道です。

人の都合や立場をさまざま実感することができれば、おのれを苦しめる無価値なエゴも薄まります。エゴが薄まれば不用意に人に与えていたストレスが減り、思わぬところで足を引っ張られる危険も減ります。そして色々な仕事で自動的に身に着けた技は、異ジャンルの仕事でも必ず役立つときがあります。

特に自分は対外察知力どん底レベルからのスタートで、ここまで転職を繰り返してなければ、自分の殻から脱するのがえらく遅れたかもしれません。
転職するたび世の中の謎が、ひとつ、またひとつと消え去り、不安の素はどんどん減って、どんどん自由になれた気がします。

自分はもうシニアで、今の職業はあと数年でそろそろ上がりかなと思います。その後は、年金を貰いながら週3くらいでコンビニもしくはベッドメイキングの仕事を経験したいです。できれば、ボケる前に両方ともやってみたいです。

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