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[小説 23時14分大宮発桜木町行(4)]スポットライトを浴びるまでは

 これまで体験したことのない充実感と奇妙な高揚感に全身満ちていた。商店街で買った牛肉コロッケに勢いよくパクついてむせた。
 景気づけにと先週買ったレザーのトートバッグから、お弁当と一緒にもらった残りの緑茶を慌てて取り出す。はあぁ…落ち着いた。

 

 隙間時間の癖でスマホを開く…しまった!十八時を超えている。もうATMで手数料を取られてしまう。百円ちょっとと侮れない。
 貴重なお金を、利息もまともにくれない銀行なんかに取られてたまるか。

 今朝あれだけ「一万円」と唱えて引き出さねばと、晴れの本番直前にひもじい思いなんてするもんかと、手の甲にまでメモしたのに…稽古で流す汗を拭ううちに、その文字は舞台の暗がりでは見えない程薄れてしまい、演技に没頭する脳からその記憶は完全に消え失せていた。
 コロッケの欠片が突然愛おしく、もっとじっくり味わえばよかったと悔やむ。

 

 キキーッと金切り音を鳴らして都電が急カーブする。高架下の交差点で感じる懐かしささえ感じる空気も、僕の背中を押してくれているよう。
 青信号に変わると改札まで一気に駆け出した。次は蒲田止まりだから、上手くいけば座れる。

 首尾よく席を確保。汗が渇いてしわしわになった台本を取り出し、書き込んだ台詞にない感情の起伏を何度も見直す。

 今を時めく主演女優の許婚役。出番は通しで二十分ちょっと。台詞は合計三行だけ。
 それでもひょんなことから吉沢さんにスカウトされて得たチャンス。

 このチャンス、絶対に掴んでやる。

 稽古初日こそ小劇場特有の自意識全開な演技で監督にこっぴどく叱られたが、メジャー処の俳優の演技を日々吸収して(いたと思っている)自然でありつつ観る誰かの共感を得られるような機微を、台詞のないシーンでも演じられるようになってきている。

 「久保ぉ、アンタどんどん上手くなってきたねぇ、ホントに!」

 今日の帰り際、共演する脇坂さん…あの押しも押されぬコメディエンヌから声を掛けられた。稽古場に通い始めて日々「俺サイコー」と「俺サイアク」と左右に激しく揺れもがいたことも、意味のあるものだった気がする。

 クリアファイルに折れないよう大事に挟んだパンフレットに、小さくも堂々と載る僕の名前。人差し指でファイル越しにそっとなぞると、ことの重さに突然寒気がして身震いした。その拍子に顔を上げると、秋葉原に丁度停車し今にも発車せんばかり。
 乗り込む人々の隙間をご免なすってっとオーバーアクション気味にすり抜けてホームに飛び出た。

 あれ?誰かの着信…ラッシュ時の乗換通路で見た画面には、母さんの名。

 えっ、こんな時間にかかってくるって…スワイプして耳に飛び込んだ母の言葉は、乗り換えを急ぐ僕の足を止めた。
 目の前の忙しない景色が、嘘みたいに本当に、一瞬でモノクロームになった。

 どういうこと?父さんが息をひき取ったって…

 

 小学校の学芸会で主役争いに敢え無く敗れて、何故か老婆を演じることになった。

 「面白いじゃあないかぁ!」

 ババを引かされたと不服そうな僕に、父は満面の笑みで大当たりだと喜んだ。そうなのかなと素直に騙されてみると、本番では僕の会心の演技に、主役を食う程の拍手喝采。

 「ほら、面白くなっただろ?」

 会場にいた父のそう言いたげな表情。上手く乗せられたと思いつつも、とてつもなく爽快だった。

 再婚だけれど四十七にして初めて授かった僕を、父は本当に可愛がってくれた。とにかく興味があれば何でもやってみろと言い、その通りにやらせてくれた。
 一方中途半端な態度を見るのがとにかく嫌いで、やる気が出ず愚図る八歳の僕に怒鳴って引き摺り出し、水泳教室に放り込まれた。一度やりたいと言ったことに半端な気持ちで取り組むんじゃない。それが父の口癖。

 テレビの前ではいつも、気に入った役の真似ごとばかり。高校は演劇部。その真似が役立ったのかいつしか主役を張っていた。どの定期公演にも父は常に顔を出してくれる。感想はいつも褒めてばかり。本当に甘い親だと母は呆れていた。

 その甘やかした息子が俳優を目指すと言った時、流石に目を丸くして動揺したよね。大学進学して安定した仕事に就いてと、演劇は大学でもできるからと一旦進学したほうがいいんじゃないかと、怒りはしなくても何度も説得された。それでも揺るがない僕に遂に

 「本気なんだな…分かった」

 そう言って父は僕に拳を向けた。僕は拳をコツンとぶつけ、簡単には折れないと父に誓って、まだ肌寒い海風が吹く駅を旅立った。

 

 電話やSMSの返信でも、芝居に関わる人たちへの感謝を忘れるなと言っていた。どんな小さな舞台であっても、父の稽古場への差し入れはいつしか定番となった。今回だって、瀬戸内レモン味の噂のおつまみを大量に送ってきた。とても大評判だったよ。

 嘱託社員期間も終え、これから暇になると言うので、それなら観に来てと新幹線の切符と舞台最前列のチケットを送った。
 電話口の父はパンフレットに載る僕の名を見て、嬉しそうに唸っていた。

 「こんな日がこんなに早く来るなんて…本当に頑張ってるなぁ……」

 その声は少し上擦っていた。これが親孝行になるならいいなと思っていた。舞台後一緒に行くつもりの居酒屋だって、ちゃんと予約していたのに…

 夕飯だと呼んでも部屋から出て来ず、妹が様子を見に行った時には、父はもう息絶えていた。
 急性心不全。既往症も前兆も全くないのに、あっけない最期だった。

 

 「…健士、ちょっと健士、大丈夫!?」

 あ、あぁ。精気の抜けた生返事。電話の向こうで母が何を言ったのか、記憶がない。

 「どうする、あんた?」

 父の葬儀は明後日の午後。舞台三日目の真っ最中。どうすれば……

 「…ごめん母さん。仕事で行けんよ……」

 よく話に聞くことをこの僕が口にしている…とんだ親不孝者。でも、ここで僕みたいな若造が穴を空けたら、もうこの業界にはいられない…

 「そうじゃ、そうでなきゃいかん。当たり前じゃ。大事な舞台じゃろ?人生賭けとるんじゃろ?父さんも望んどらんわ、こんなことであんたが仕事をすっぽかすとか」

 なんだよ母さん。それなら訊くなよ…気が抜けた…って尋ねない訳、ないよな。

 うん、うん。頷くので精一杯。電話を切っても、まだ動き出せない。そうか、これが親の死に目に会えないってことか。天井を仰いで目を閉じた。
 深い皴だらけでカラっと笑う、日焼け顔しか思い出せない…

 大きく息を吸い、落ち着くようにとスーッとゆっくり吐く…徐々に耳に雑踏が鳴り始めた。現実を受け入れろ。少しずつでもいい…

 

 中央本線に乗り換え、駅を降りる。楽し気な人々の隙間を抜けて、慣性のままアパートへと向かう。トボトボと。

 行き場のないこの思いをどうすればいい…指は自然と通話履歴を探っていた。

 「そうか…」

 中野の小劇場で奇天烈トンチキな演目の最終日、楽屋へ上がる落書きのような銀色メイク顔の僕に声を掛けた、怪しいチョビ髭顔の吉沢さん。脚本家だと何度も言っても僕が疑うから、困ったように頭を掻いていた。
 仕方がないと連れていかれた純喫茶店で見せられたのが、今回の台本。君がこの役を演じてくれないかと僕に熱く語ってくれて、ようやく信用できる人だと分かった。

 信頼する人に受け止めて欲しかった。言葉少なに、うんうんと、僕のてんで整理のつかない言葉をただ聞いてもらえた。

 ひゅうっと寂しくならないようにと、できる限り賑やかな場所がいい。ダイヤ街の入り口まで引き返し、ガードレールに腰を下ろして話していた。

 「…つまり、明日も明後日も、最後まで立ってくれるんだろ?」

 はい。この舞台を楽しみにしていた父のためにも、ちゃんと最後までやり切ります。

 「…分かった、ありがとう。頼むよ」

 ありがとうだなんて、僕こそ吉沢さんに変に心配掛けてしまっただろうか…落ち着くために違う心労を抱える羽目になる。

 それでも話したら胸のあたりの言い知れぬ苦しさが、スッと楽になった。

 「えっ、お金下ろし忘れたって?明日ドーンと上手い高級弁当買ってきてやるから、そのまま腹空かせておけよ!おやすみ!」

 締めに必ず笑わせてくれる。吉沢さんに見つけてもらって、良かった。

 錆が目立つ階段をギシギシ鳴らせて上り、薄い扉を開いて、鍵を閉めた。
 ほんのり温かい思いで満たされた後だからこそ、暗い部屋のうら寂しさはより加速する。独り言さえ出て来ない。

 「んーっ…」頭をもたげてため息を一つつき、紐を引いて灯りをつけた。
 少し落ち着いたらお腹が減った。賞味期限の切れたカップ焼きそばがある。マヨネーズをたっぷりかけて食べよう。

 シュッシュと湯気が立つ。ブーンと遠のくバイクの排気音。壁の向こうからはテレビの笑い声。いつもの音も優しく聞こえる。まだ芯の残る焼きそばをズズーッとすする。
 静けさを遠ざけたい。今夜は。

 

 稽古中いつもキツくダメ出ししていた劇場畑の藤本さんが、それじゃライトに映えないとドーランを直してくれる。かなりメリハリ良く仕上がった顔。鏡に映る姿は僕ではなく台本の中の彼。表情筋の動きを確認…
 よし、メイクに負けてない。台詞を無音で復唱。
 大丈夫だ、いける。

 「さ、行こっか!」

 相部屋の関くんが両肩を掴み呼びかける。子役でテレビに出ていた頃よりすっかり大人びて、同じ歳なのに貫禄十分。振り返り笑みを返して立ち上がり、ステージ裏へ向かう。

 会場から漏れ聞こえる観客のざわつき。主演の愛梨さんは目を閉じて深呼吸。軽くストレッチする関くん。何気ない会話を楽しむ脇坂さんと父役のベテラン向井さん。あの小道具どこいったと駆け足で聞き回る裏方さん…
 それぞれの初日がここにある。みんなと今日まで一つの舞台を作り上げてきた… 

 あれ?緊張してきた。慌てて台詞を思い出そうとしたら、最初の一言が曖昧になり、末席に置かれた誰かの台本をちらっと拝借。

 会場暗転。舞台開始のブザー。僕の下に清水徳之介が乗り移る。

 俺の菜緒子に手を出すんじゃねぇ…

 初日開始。そして気付けばカーテンコールで出演者勢揃い。憑依したものが解けて、いつもの久保健士にスッと引き戻される。記憶が全て飛んでいる。いいスタートだよと皆が言うけれど、どこがどうだったんだっけ…

 つまりそれだけ集中したんだろう。明日はまた違う出来になる。ちょっとは緊張もほぐれる筈。そう信じることにし、舞台開始前に無事引き出した一万円で30%引きの酢豚弁当を買って帰った。

 

 三日目。起き抜けの寝惚け眼で歯ブラシをくわえて窓を開ける。
 澄んだ青空にコッペパン型した小さな雲。どんな雲でも無理矢理食べ物に似ているとこじつけて、小学生の僕とケラケラ笑っていたっけ。戦艦大和の見える防波堤で一緒に釣りをする父の横顔が、空に重なる。

 あぁ…今日は父さんを招待した日だった。

 

 自分でも実感できるほどに上手くなっている。本番は一番の稽古。前日の反省はしていない。客席で鑑賞するもう一人の自分が、演じる僕を見つめ、ここはこうだとそっと耳打ちする。

 暗転の中定位置へ。明るくなった瞬間が僕の一言目の合図。客席をどこともなく見つめて独り語り。
 その視線の先には、誰もいないビロードのシート。

 居て欲しい人は、そこには居ない。それでも…その人に聞こえるように、伝わるようにと、祈るような思いを込めて全身で演じる。

 僕は待っていた。おとぎ話のようにそこに父さんが座ってくれるのを。
 きっと新幹線が遅れているんだ。いや、東京に慣れていないから乗り換えを間違えたんだ…

 …馬鹿だな。分かっている。カーテンコールで精一杯の笑顔をし、礼をした顔を上げても、父さんはそこにはいないんだ……

 僕の事情は知れ渡っている筈。知らない振りをしてくれる彼らに、空元気を見せてまた明日と足早に帰路につく。みんなにとっても大事な時。気を遣わせてはいけない。手練れの彼らは軽く見透かしているだろう…けれどこんな僕も、俳優としての意地を見せたい。

 

 無駄に気を張り続けた。アパートに着く頃には数ミリの段差に躓く程疲れ切っていた。

 一瞥した埃まみれのポストの口には、ビラが無造作に突っ込まれている。これらを突っ込むのも仕事なのだ、そう思うも鬱陶しいのには違いない。

 そろそろ片付けてやるかと南京錠を解いて中身をむんずと鷲掴みにし、そのまま傍のポリバケツに放るその時。薄っぺらいビラと違う角張った感触に気付いた。
 白い縦長のどこにでもある封筒。見覚えのある筆跡……

 父さん?!

 急いで部屋に戻り、丁寧に封を開く。
 中には、封筒同様に色気も素っ気もない事務的な三枚の便箋。

 そこには大舞台デビューを祝う父の言葉。締めに記された日付は、この世を去る前日。

 「もうすぐ会えるけれど、面と向かってはなかなか話せないので、筆を取りました…」

 

 高校の演劇部での最後の舞台。僕が脚本を書き、主演を後輩に譲って脇役に徹した舞台が、実は一番泣けたと。この道に進ませなければいけないと確信したと…

 こんなめでたいことはないからと、母を連れ出し駅前の百貨店で一張羅を買ったから、見違える姿にビックリするなよと…

 脚本も書き溜めておけと、気が熟したらいつでも世に出せるように、腕が鈍らないよう書き続けろと…

 主演を張る舞台に招待してもらえるのが楽しみで仕方ないと…気が早いなと、まさに親バカだなと…

 鉛筆で書いては消した下書きの跡と凹み。指でなぞれば父の想いが溢れて痛くて……

 イヤだよ…こんなお洒落な真似が、遺書みたいになっているじゃないか!

 こんなの要らないからさ、観に来てよ…いつもみたいに平静を装い腕組みして、隠せない優しい眼差しでド下手な僕の演技観て欲しかったよ!

 なんで…なんで父さんが死ななきゃいけないんだ…もし運命だとしても、せめてあと一週間、どうして待ってくれなかったんだよ…

 「うぐっ…うっ…」

 我慢してし尽して、溜めて、溜めて、溜め込んだ涙が止められない。冷たい床に膝を落とし、うずくまる。

 「悔しいんじゃろ。そんなら思い切り泣きんさい。泣き終わったら、次行こうな」

 決めの台詞が飛んで悔し泣きした、高二初主演の春の定期公演初日後。ダイニングテーブルに伏した僕の頭を無造作に撫でた父のごつごつしたあの手の感触。大人げなく欲しがる自分がいた。
 でも、その感触もない。二度とその掌で撫でてくれることはない。

 線の細いひ弱な指で、床に突っ伏した頭をぐしゃぐしゃに掻きむしった。自分自身でこうやって慰めあやして、もがいていかなければいけない、これからは。

 そうだね、父さん。今日泣き尽くしたら前を向くよ。だから今は、溢れるがままに流してしまおう、涸れるまで…

 

 上京以来の新幹線ホーム。到着した新幹線から次々と降り立つ人々に、慌ただしく折り返し運転の準備をするクルー。

 明日が父の四十九日法要。春まだ早く冷え冷えとするホームで、トートバッグから便箋を取り出した。千秋楽まで持ち歩いていたからすっかり皴だらけだ。父の筆跡を改めて見直す。ようやく可笑しく穏やかに読める。

 乗車を促す放送が流れた。試着して以来一度も袖を通していない礼服の置き場に少し悩んで、置き忘れないようにと棚の上のキャリーバッグの上に大事に置いた。

 海が見える側の指定席を選んだ。車窓の風景が流れ過ぎる。京都辺りになるとなんとなく西の空気を感じ始めた。新神戸の長いトンネルを抜けると、僕の知っている海辺と地続きの瀬戸内海の凪が目に映る。新幹線から乗り換えた最寄り駅までぼんやりと、学生時代の、父のいた日々の記憶に浸ってみる。

 改札の向こうで待つ母。ふっと気が抜け安堵の笑顔が漏れた。
 車内では、地味だけど次の舞台が決まったと伝える。母はテレビにはまだ出ないのと茶化す。
 喪主を務めて疲労困憊していると妹から聞いていたが、大分元気になった様子。今回の法要は、できることを精一杯僕がやろう。

 

 小高い丘にある墓地に父は眠る。墓前に花を手向けて手を合わせる。

 遅くなってごめん、父さん。ようやく会えたね。舞台は無事終わったよ。

 割と評判が良くてさ、出待ちのファンもできたりして…いけねっ、ちょっとだけ自慢がしたかっただけだよ。駆け出しなのにこの程度で思い上がっていたらダメだね。

 そうそう。関くんっていう、あの子役さんと仲良くなれたんだ。何でも話せる素直でいいヤツ。父さんの好きな脇坂さんも、僕を可愛がってくれるよ。手作りの白菜漬けをもらったりね。お茶目で可愛くて、僕の東京の母親みたい。兄貴もできたよ。吉沢さんって変な人なんだけど、脚本の先生でもあってね。

 父さんも言っていたね。笑い合ったり、叱ってくれたり、励まし合えたり…支え合える関係って、本当に大事。

 彼らがいれば、これから出会う人たちがいれば、僕はやっていけるよ。たとえ俳優で食えなくなったとしても…いや、もちろん頑張るから安心して。

 父さんがいないのはもちろん寂しい。今この空を見ても、海を眺めても、父さんと過ごした匂いを感じてさ。「こうでもしないと帰ってこないだろ」と、今にでも飄々と目の前に出て来てくれそうな、そんな匂い。

 だからさ、いつか絶対に観に来て。手紙に書いた約束、果たしてくれないと困るんだ。

 いつまでも、待ってる…

 

 立ち上がり眼下の港に目を凝らす。幻影なんて探さない。目の前の現実に全身で立ち向かう。その先に夢が、あなたがきっといる。

 頑張るよ。無言で口ずさみ、早く来んさいと急かす母を追いかけ駐車場へと向かった。

 「ねぇ、電車に広告掛けてる饅頭屋さん、何時までやっとる?」

 その刹那、赤く芽吹く桜の木を東風が揺らした。父さんの好きな季節はもうすぐだ。


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