ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(7)異界幻想(前)
タイトル画像右上は、月岡芳年「老婆鬼腕を持去る図」;老婆は茨木童子
はじめに 以前、茨木童子(昔、大江山を住みかとしていたという酒呑童子という鬼の頭領の弟子)について調べ始めて、鬼伝説を追いかけ始めた頃(私の記事「牛頭天王」参照)、読書家だった亡父の蔵書が、倉庫の組み立て式書架に紐でくくってしまい込んであったのですが、一冊の本が転げ落ちていました。
どこから転げ落ちてきたのかといぶかしみながら取り上げてみると、ここで取り上げる「ロシア異界幻想」(栗原成郎 2002 岩波新書