Kazuoki Crest

物理(物の理屈)を極めるつもりが、24時間戦えますか、のベンチャーで技術屋として働いて…

Kazuoki Crest

物理(物の理屈)を極めるつもりが、24時間戦えますか、のベンチャーで技術屋として働いてきました。が、極度の緊張性頭痛で何もできなくなって10年余、脇見歩きで「なんやこれは????」とつぶやきながら、徘徊してしのいでいます。映画、音楽、ガーデニングで癒されるのが薬です。

最近の記事

コロナのおかげで:なにがいいのか中島美嘉

 タイトル画像は、 「LIVE IS "REAL"2013 ~THE LETTER あなたに伝えたくて」 のDVDパンフレットより  中島美嘉の曲は、ほとんど全アルバム、舞台DVD、ミュージックビデオ買い込んで聴いてきたが、著作権の関係でなかなか、こういうところで自分がいいと思う曲のフルコーラスが紹介できなかった。    他の分野でも同じ傾向だと思うのだけれど、新型コロナの流行でほとんどの人が、家にこもることになり、ミュージシャンも舞台仕事ができなくなり、ユーチューブとかで

    • はじかみのポーズ

       光る君へのオープニング、タイトル画像のあたりで、半開きに握った手を口元辺りで横に滑らす動作がスローモーションで流れますよね。  これをみて僕はすぐに、「はじかみのポーズ」だ、という言葉が頭をよぎった。 「はじかむ」の名詞形?が絶対あると思った。 ところが、広辞苑にはない。 「はじかみ」はある。 しかし、ショウガ、またはサンショウの古称 とのこと 僕の頭の中で、「はじらい」と「かじかむ」(手足が凍えて思うように動かなくなる)をくっつけて、それらしい造語を勝手に作っちゃ

      • 海中を漂う音楽

         梅雨と猛暑が一緒に連れだってやってきました。  身体と自律神経が順応できず、そもそも、ベースが鬱で、持病の頭重がひどくなり、(新型コロナに罹って、ブレインフォッグがひどくなったようです)なんとか気がまぎれることをしないと、と思いながら気力が出ません。  ボーとしながら、以前、年末年始に雪ではなく雨が続いたときに、別のSNSで書いた海底を漂う詩を歌った音楽を思い出しました。   中島美嘉 ~ レジェンド 以前の記事(2023年1月14日)の転記 雨の日に: 気分が鬱っぽ

        • ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(8)異界幻想(後)

          「ロシア異界幻想」(栗原成郎 2002 岩波新書)の後半です。 プーチンの今の動向の思想的背景がユラユラと浮かび上がってきます。 最後に、前回も出てきたムソルグスキーの「展覧会の絵」の絵画は何だったのか、という昔のドキュメンタリーがすごいので、紹介します。 「聖なるロシア」の啓示 ー民衆宗教詩『鳩の書』ー第四章です。  ロシア民衆文化の土壌に深く根をおろしている口承文芸(フォークロア)ジャンルの一つに、「霊歌」と呼ばれる歌謡形態の民衆宗教詩があり、 11世紀から15世紀にか

        コロナのおかげで:なにがいいのか中島美嘉

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(7)異界幻想(前)

          タイトル画像右上は、月岡芳年「老婆鬼腕を持去る図」;老婆は茨木童子 はじめに 以前、茨木童子(昔、大江山を住みかとしていたという酒呑童子という鬼の頭領の弟子)について調べ始めて、鬼伝説を追いかけ始めた頃(私の記事「牛頭天王」参照)、読書家だった亡父の蔵書が、倉庫の組み立て式書架に紐でくくってしまい込んであったのですが、一冊の本が転げ落ちていました。 どこから転げ落ちてきたのかといぶかしみながら取り上げてみると、ここで取り上げる「ロシア異界幻想」(栗原成郎 2002 岩波新書

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(7)異界幻想(前)

          ダッタン人の踊り

          歌劇「イーゴリ公」  このノートは、「ロシアのもろもろ(6)ヴァイキング」で述べた、1185年に、ロシアのイーゴリ公がタタール人(=ダッタン人=ポロヴェッツ人;国や地方、時代によって呼び方が変わるのでややこしい)と苦戦する「イーゴリ軍記」を受けて書いています。  なお、13世紀に入って、モンゴルからタタール人が大挙して侵攻してきて、1240年キエフを占領し、キエフ・ルーシ大公国は終焉を迎え、モンゴル支配(後世、「タタールのくびき」と呼ばれるようになる)の時代に入ります。

          ダッタン人の踊り

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(6)ヴァイキング

          ウラジーミル・プーチンが、ロシアの原点と考えている、988年にキリスト教に改宗したウラジーミル大公とは・・・・ ウラジーミル・プーチンが信じているロシアの原点とは? プーチンは、名前が同じだけで、歴史的、血縁、縁戚関係は何もないが、自分がほぼ1000年後にロシアのKGBの職に就き、大統領まで上り詰めたことに、意味のある因縁があると、確信しているように見受けられる。  その千年前のウラジーミルを調べると、当時の東ヨーロッパでのヴァイキングの活動を追う羽目になった。 ヴァイ

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(6)ヴァイキング

          蘭の高芽取り

           デンドロビウムの高芽をへご板に着生させて、4年間育てています。 デンドロビウムは、茎がしおれて死にかけると、高芽という根が生えた新芽ができます。2020年に、しおれた茎ごとへご板に着生させてみました。 へご板というのは、ヘゴという木製シダ植物の茎の繊維や根が複雑に絡まりあった素材で、着生植物の着生素材として使われています。実は、近くのホームセンターですぐに手に入らず、一世代前の、倉庫に眠っていたものを使ったのですが、防腐処理がされているのか、最初はうまくいきませんでした。

          蘭の高芽取り

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(5)プーチン登場

           今回は、ティモシー・スナイダーの「自由なき世界ーフェイクデモクラシーと新たなファシズム」を中心に、書かせてもらいます。  原著がロシアのウクライナ侵攻前の2018年で、(日本では2020年、慶応技術大学出版会)当時、これを読んだ多くの人たちが、 この本を、専門家でさえ「こんな途方もない話があるんかいな???」と思って、途中で読むのを投げ出したようです。 ソ連邦の崩壊からプーチンの登場まで 1991年8月18日、ゴルバチョフに変ってエリツィンが大統領となり、12月ロシアは

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(5)プーチン登場

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(4)民族自決の流れ

           今回は、旧ソ連邦における民族自決の流れと、ソ連邦解体に伴う反動的な動きのお勉強。今の所まだ、モンゴル語が専門の言語学者である田中克彦氏の「シベリアに独立を!」をたどっていきます。引用文は『 』にします。  早くプーチンに登場願いたいのですが、ここでの議論の流れは、ロシアの現状の背景を知るには大切なことだと感じるので(私の知らなかった、歴史の学びのためにも)、やはり要点だけでも書き留めておきます。 概要 著者の言いたいことを、私なりに咀嚼した言い方をすると、「近代戦以降は

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(4)民族自決の流れ

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(3)シベリア民族

          おさらい 前々回「シベリアに独立を!」という本を読みながら、シベリア民族についての知識を深めていこうとしていたところでした。  著者「田中克彦」氏は、モンゴル語を専門とする言語学者で、ポーターニンというシベリアの探検家、地理学者、民俗学者の生い立ちと活動を中心に、話を進めています。 ポターニンの生い立ちと背景:復習  ロシアの探検家、地理学者、民俗学者のポターニンは1835年、シベリアの、旧ソ連の核実験場の近くにある、セミパラチンスク(今日はカザフスタン共和国領)の近く

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(3)シベリア民族

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(2)草原の実験

          タイトル画像は、核実験でできたクレーター 前回どこまで書いたか、頭の整理  ロシアのウクライナ侵攻の時に、ジョージア(グルジア)について気になってたら、たまたま、ジョージア・ドイツ合弁映画「ジョージア、白い橋のカフェで会いましょう」を見たのだった。  映画のタイトル、街角や、日記を書くシーンなどで、ジョージア語の文字がいたるところに出てくるのだが、これにすごく感銘して調べると、世界で一番かわいい文字とか、ジョージア文字がユネスコ世界無形文化遺産に登録されているとかで、余計

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(2)草原の実験

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(1)

          イントロロシアがウクライナに侵攻した2022年4月のメモ 次の歌詞、ここ一か月、頭の中でリフレインし始めることしばしばです。 特に最後の、ジョージアズ おんまいまいまいまい・・・マーインド ビートルズの通称「ホワイトアルバム」1968 の第一曲 Back in the USSR。 The Ukraine(ユークレイン) girls really knock me out They leave the West behind And Moscow girls mak

          ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(1)

          SHINE:転落からの帰還

           今回は「SHINE」(1996)。オーストラリアの映画。  アーティストが上り坂で転落。失われた人生からの帰還を描く。  実際に日本にも来て公演したことのある、デヴィッド・へルフゴットの生涯を描く。厳格な父親に一流のピアニストになることを強いられ、コンクールでラフマニノフを演奏するが、精神に変調をきたして、記憶障害となる。そののち何年かして、あてどなく雨の中をさまよっているへルフゴットのシーンから映画は始まります。雨宿りの場所にぴったりの、ピアノパブを見つけて・・・・オープ

          SHINE:転落からの帰還

          ブルージャスミン~TAR~ダンサーインParis・・それぞれの人生

           前回紹介した「泳ぐひと」を見た後には、人生に敗北した現実を突き付けられた主人公、ネッド・メリルの妻ルシンダや娘たちの人生はどのようなものだったのだろう・・・などと妄想の余韻が残る。    時代の波に乗って儲けた男が、事業に失敗してその資産を全て失ってしまった後の、妻の側から物語 2014年ウッディアレン監督の映画 ブルージャスミン 映画の冒頭から最後のシーンまで、ジャスミンの独り言らしからぬ独り言が、物語の展開を支配しています。 会話の相手がいることは意識しているのかい

          ブルージャスミン~TAR~ダンサーインParis・・それぞれの人生

          時の狭間のシネマ:「泳ぐひと」

          1950年代から1960年代初めのアメリカの経済成長の波に乗った富裕層と、それを支える家族や地域社会を蝕みつつある病の兆しを、絶妙なタッチで描いた奇妙な味の異色作です。  1970年ごろ、たいがい街のどこかに単館映画館があって、複数の映画が併映されていてた。指定、入れ替え無しで、上映途中で入ってもよかった。満席で立ち見、通路の階段に座ってみてもよかったし、オールナイト上映も普通にあった。  学生時代、名古屋で、この時も飲んだ後の酔い覚ましに入ったかと思う。確かメインが「猿

          時の狭間のシネマ:「泳ぐひと」