辻和馬

これ、エッセイになってます?

辻和馬

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最近の記事

隣のおじちゃん

まるで嵐が通り過ぎていったかのようにコロナの感染者数は驚くほど減少した。 そのお陰で、半年ぶりに東京に来ることができた。 その理由として最も明確なのは、遠距離恋愛中の彼女に会いに来ること。 それだけでも東京に来る価値は充分あると言っていいが、やはり東京とは、新しいものに限りなく出会うことができる特別な場所なのである。 つまり、東京には、福岡では得られないものを得るために来たといっても過言ではない。 そんな場所に10日も滞在するのに、ただ過ごすだけでは勿体無いと、空いた時間

    • Lv.5の初心者を襲った山の恐怖(Part2)

      はじめにさて、続き。 前回のを読まれてない方は是非読んでみて下さいね。 前回は僕たちが登りの中盤に差し掛かったところで、ある事件が起こったという情報だけを残して終わりました。 なんて次回のnoteが楽しみになる次回予告だったことでしょう。 熊と遭遇したことは、あくまでも僕の夢の話だと先述しましたね。 それでは、何が起こったのか。 道を間違えたのです。 「ん?ああ、道を間違えただけか」 と思われた方。 一度頭を叩かせていただいてもよろしいですか? そう凄んでしまうぐ

      • Lv.5の初心者が挑む初めての登山(Part1)

        みなさん、こんにちは。 さて、前回投稿した「春よ鯉」から2か月近くが経とうとしていることに気づき、ここに「お久しぶりです。」という挨拶を挟まなければならないという事実に大変驚いています。 まあ、みなさまもご察しの通り、僕がまた無謀にも、西加奈子さんのような卓越した文章を書こうと挑戦していたのです。 そして、この結果です。 何度も何度も言っていることですが、今回こそはこれまでの反省を活かして、極端にゆるく、肩の力を抜いて、これまで僕が書き続けてきた日記のように(実は2月に

        • 春よ鯉

          鯉が跳ねた。 僕の15mくらい先で、おそらく鯉が跳ねた。 しかし、僕はそれを見ることはできなかった。 視線の先には少しずつ大きくなっていく波紋しかなく、既に鯉は川の中へ戻ってしまっていた。 「ああ、見てみたかったな」と残念がりながらスマホに目を戻すと、もう一度鯉が跳ねた。 今度は僕と川の間にある障害物が邪魔で、体半分しか見えなかった。 そして、また波紋だけが僕の目に映った。 2度跳ねたら3度跳ねるだろうと、僕はスマホをベンチの上に置き、1度目と2度目の波紋の位置から、3度

        隣のおじちゃん

          僕の中の張本と、僕のちょっとした夢

          ご無沙汰しております。 いや、あけましておめでとうございます。 2020年の12月17日に投稿したnoteで、「これからは週に2回投稿します!」とか豪語していたときの僕は、まさかそれから1ヶ月も投稿しなくなるとは思いもしなかったはずです。 「やらなきゃいけないことが多くて余裕がなかったんですよお」とか、 「病気になっちゃってえ」とか、何か言い訳をしたいところですが、理由は簡単です。書けなくなっちゃったんです。正確には、書き始めても、途中で「これを書いて何の意味があるんだ?

          僕の中の張本と、僕のちょっとした夢

          卒論が終わりました

          はじめに「文章って難しい」 これは、先週のnoteと卒論を通して感じたことです。 先週の「SOTSURON」のいいねは「2」でした。 面白い文章が書けたと自信を持っていたわけではないですし、2名の方がその文章を「いいね」と思って下さっただけで嬉しい話ですが、それでも多少ショックだったりもします。 文章力文章力という言葉がありますが、noteには面白い文章を書く力が必要です。 しかし、論文では面白い文章ではなく、正しい文章が必要だったことをこの一か月で学びました。 僕は

          卒論が終わりました

          SOTSURON

          何か特別に良いことがあったわけでもないのに、「やっば!人生、楽しいな!」となることがたまにある。 この心の声が出てしまうこともある。 告白してOKしてもらったときや、大きな試験に合格したとき、宝くじが当たったときなどにこう思うことは必然だとは思うが、何ともないときにそいつは突然湧き出てくる。 朝起きて部屋を掃除しているとき。 家の廊下を歩いているとき。 原付を運転しているとき。 場面は本当に様々で、ほとんど共通点のようなものはない。 でも、その気持ちが胸の奥から湧き出

          「ああだ、こうだ」と言う資格は僕にはない。

          全員が成長を望んでいるわけではない。 それは、いくら大学に入学していたとしても。 大学にいるにも関わらず勉強したくないとか、成長したくないと思っている人がいることは、僕からすればとても驚くべきことだが、他者から「向上心」があるという評価をしばしば受ける僕でさえ、大して望んでいるわけではないのだから変なことではないのかもしれない。 立派な大人にはなりたいが、立派な社会人になりたいとは思わない。 「あいつ、また変なこと言ってるよ」と、どこかから聞こえてきますが、今の僕は本

          「ああだ、こうだ」と言う資格は僕にはない。

          おじいちゃんになったら

          僕はおしっこを我慢する。 極限まで我慢する。 大きい方も、できるだけ、我慢する。 「そろそろ、やばい!」となるぐらいまで我慢するから、すぐ近くにトイレがないときや先客がいるときは本当に困る。 月に一回は、僕はどこかで勝手に一人で慌てふためいている。 我慢なんかせずに、尿意を催す度にトイレへ行けばいいだけの話なのだが、いかんせん面倒臭い。 トイレに行って、ボタンフライを外し(僕はチャックじゃなくてボタンフライのボトムスが大好き)、ズボンを下ろし、用を足すのが本当に面倒だ。

          おじいちゃんになったら

          怖いのはお化けだけじゃない

          ペンが動かない。 頭は活発に働いているし、書きたいことだって思い浮かんでいるのだけれど、このペンを握る右手は一切動こうとしない。 テストのときに奏でられる「カリカリカリ」という気持ちいいあの音は、一体どこへ行ったというのだ。 だからこの時間が嫌いなんだ。 これは、俺のせいなのだろうか。 それとも、この俺を育ててきた両親のせいか。 はたまた、俺が生きるこの社会の空気のせいか。 いや、そんなことはどうでも良くて、もうこの右手は一切動くことは無いだろうな。 後ろを振り向かな

          怖いのはお化けだけじゃない

          Pay it Forward

          僕がまだ高校生の時、誰しもが「あいつはやさしい奴だ」と認める男がいた。 ひねくれ者の僕でさえもそいつのことがすごく好きで、何度も「良い奴」だと思ったことはあるが、これまで決して「やさしい」と思ったことは無い。 ひょっとしたら僕が天邪鬼なだけなのかもしれないが、僕が思うに、それは、僕がそのときから微かに自分なりの「やさしさ」の定義を捉え、そして今、この瞬間に明確に定義できている「やさしさ」とは全く以て異質なものだったからだろう。 はじめに昨日は『キングダム』の中でも僕がか

          Pay it Forward

          恩恵は次の者へ

          街中には、「〇〇〇」が溢れている。 ーーー 福岡、天神。 九州の中で一番の都会だと言っても過言ではないだろう。 その中でも特に人通りの多い国体道路を一人で歩いていたとき、とある車に目が行った。 真っ白なワゴン車が、歩道を横切って駐車場に入るために左折をしようとしている。 しかし、前述の通り、この国体道路は人通りが多い。 そして車通りも多い。 その白い車が早く駐車場に入ることができない限り、その後続の車たちは待ち続けることになる。 そんなことは、ちょっと想像すれば誰

          恩恵は次の者へ

          「自分の住む街でお気に入りの場所はある?」

          たまに川へ行く。 家から歩いて3分くらいの大きな川だ。 幅は僕の感覚だと100mくらいで、かなり浅い。 なのに、豪雨の時はたまに溢れる。 昔、大豪雨の時に土手が崩れてしまい、かなり川沿いが綺麗に舗装された。 そんな川に今年からふらっと行くようになった。 「辛いことがあったときに行きたくなるんですよ。」とかカッコつけてみたいが、僕は辛いと思うことが滅多にないから、そんな大層な目的では川に行っていない。 離れる僕は、いわゆる、都会に住んでいる。 最寄りの電車まで徒歩15分。

          「自分の住む街でお気に入りの場所はある?」

          濁りは、旨味。

          おはようございます。 今週も木曜日がやってきました。 もうこのnoteの毎週投稿は僕の中でルーティンとなっていて、どんなことをしているときだって、今週はどんなことを書こうかと考え続けています。 書き始めても、どうやったら面白くなるかを考え続け、それはもう、ウンザリするくらいに、頭から離れることはありません。 だって、少しでも気を抜くと、 あっという間に水曜日!時間が無い!一日で書き上げなきゃ! なんてことがザラにありますからね。 そして、今これを書いているのが火曜日

          濁りは、旨味。

          騙す

          騙す -うそを言ったり、にせ物を使ったりして、それを本当と思わせる。ごまかしてそれを信用させる。あざむく。 東京へ 10月10日、僕は東京・羽田に向かい巨大な鉄筋の塊に身を任せ、大空へ飛び立った。 今月入籍予定の4つ離れた兄のお嫁さん家族との顔合わせに参加するため。 父によれば、結納のフランクなものらしい。 本州と九州は実距離もそうだが、心理的な距離も大きい。 東京なんてそうそう行ける場所でもないから、日帰りで良いものの、しっかりと3泊分のホテルを予約した。 たくさん

          リトルカズマがそう言うのだ。

          はじめに どうやら、僕は周りに比べて面倒くさい人間のようだ。 簡単に説明するなら、「ああ言えば、こう言う。」人間だろうか。 良く言えば、視点が面白い。 悪く言えば、何に対してもケチをつけたがる、だ。 別に誰かにそうと指摘されたわけでもないし、それによって何か不幸を被った訳でもないが、僕の癖である「自分を客観視する」ことを行ったときに、しばしばそのきらいを見るのだ。 「どうやら、僕は周りに比べて面倒くさい人間のようだ。」と言ってしまうと、どこか反省の色が見えてしまう

          リトルカズマがそう言うのだ。