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僕が作る「教えない授業」案(英語)

実は、「教えない授業」という著書で有名な山本崇雄先生と関わらせていただくようになってからずっと考えていたことがあります。

「自分が『教えない授業』をするならどんな授業をするだろう」
最初の授業はどうするだろうか、
何を伝えて、何を子どもたちにしてもらうだろうか、
そんなことをずっと頭の隅で考えていました。

そんな時、山本先生と、木村泰子さんの対談を聞かせていただく機会がありました。
とても気づきの多い対談でした。
終わってしまったイベントですが、一応リンクを、、

この対談を聞いたあと、シャワーを浴びてる時にフと
「あ、いけるかもしれない。」と天啓が。笑
(お風呂ってほんとすごいですよね。)

今回はそんな僕の「教えない授業」案を書いてみたいと思います。
本家の山本先生とは雲泥の差かもしれませんが
もし参考になったら嬉しいです。どんどんパクっちゃってください。

僕が作る「教えない授業」案


最初の授業

キーンコーンカーンコーーン
最初の授業は絶対ドキドキです。笑
教室を離れて久しいので想像しただけでドキドキします。(すみません。さっさと進めます。)

①マインド作り

最初の授業で話すことはとても重要だと思います。
僕なら
「みなさんは勉強好きですか?ちなみに僕は勉強という響きが嫌いです。」
とかですかね?
最初の言葉はなんでもいいんです。笑

最初に話す内容は
勉強は、自分で決めて考えてやった時が1番伸びない?
という話です。

僕は自分の先生方に教えていただいた方法で勉強した時よりも、
自分なりの方法で勉強した時の方が伸びた実感があります。
それは単に「やらされる」から「やる」になったからというのもありますし、
「自分が伸ばしたい能力をちゃんと学ぶことができたから」というのもあります。

例えば、英語だと
僕は昔から、英語が読めるようになりたかったのではなく、英語で会話がしたかったんです。
ただ、学校では英語の読み方を丁寧に教えてくれます。
これだといつまで経っても自分が求めるスキルを得られず、どんどん嫌になっていきます。
だから、自分がどうなりたいのか、何を学びたいのかを考えることはとても重要だと思うんです。
こんな話をします。

そして、もう一つ
構成主義的な知識の話しをします。

簡単に言うと
知識は誰かから誰かに伝達できるものではなく、
学習者が自分の経験から再構成していくものであるという考え方です。

つまり、僕が先生として何かを伝えるだけでは知識にならず、
生徒のみなさんが自分で考えて、再構成していく必要があるということです。

だからこそ、
ただ僕が知識について語り、
生徒のみなさんが聞いているという授業形式ではなく、
みなさん自身がどうやって学ぶかを考えて、
知識を自分たちのものにしてもらいたいと思ってます。

こんな話をいきなりされたら、
生徒はザワザワするでしょうか?
不安になるでしょうか?
それでも、続けていきたいと思います。

②「英語の授業」を考える

英語の授業ってなんでやるんでしょう?
みなさんは真剣に考えたことがありますか?
そもそも英語の授業って本当に必要ですか?

まずはこの問いから聞いてみたと思います。
「英語は義務教育に必要ですか?」

実際に高校1年生2クラスに聞いたことがあります。
実にさまざまな意見を出してくれました。
「全然いらない。し興味もない。」
「ポケトークあるし、グーグル翻訳あるし」
「話せたらかっこいいよね」
「将来役に立つと思う」
「受験のために絶対必要」
「やるんだったら話せるようになりたい」
「文法と長文読解は無駄」
「会話とかリスニングとかいらないからテストに出る答えだけ教えて」
など

ここでの狙いは授業科目としての英語ではなく、
英語を学ぶってどういうことなのかを考えてもらうことです。
なのでどんな意見も大歓迎です!!
どんな意見も否定しないように丁寧に扱います。

③この時間の使い方を考える

次の段階は
この英語の時間を使って何をしたいかを考えていきます。

ただ、最初に伝えなければいけないことがあります。
①英語の授業は毎週何コマ(具体的な合計回数)あること
②定期テストがあればその存在

これらを伝えた上で、投げかける質問は
「この授業を1年間通して、何ができるようになりたいですか?」
つまり、
「この英語の授業を、どう使いたいですか?」
ということです。

この時間は十分に取りたいです。
多分この時間内に答えを出せる方は多くないのではないでしょうか?
もちろん後から意見が変わるのは全く問題ありません。
現時点での意見でOKです。

ここは個人ワークとグループワークをうまく使い分けながら進めていきたいです。

個人ワークの良さ
・他者の影響を受けない
・自分なりの意見をまとめられる

グループワークの良さ
・新しいアイデアが手に入る
・他の人と意見を擦り合わせられる

あまりアイデアが出てこない可能性があります。
「この授業を1年間通して、何ができるようになりたいですか?」
に対しては、出せる方はアイデアを出してくれるかもしれません。
うまく意見を拾ってグループ内で膨らませていきます。

「この英語の授業を、どう使いたいですか?」
に対しては、抽象的に
「リスニングを頑張りたい!」「英検の勉強を教えてほしい」
などは出るかもしれませんが、いきなり具体的な授業案は出てこない気がします。
(出てきたら最高ですね!!)

少しアイデアを与えてもいいかもしれません。
必要であれば先生(自分)にできることを例示します。
・海外の子供たちとオンラインで繋がれる(ICT次第)
・英検の授業(教えるよりワーク主体)
・アクティブラーニングでリスニングの練習
・スピーチの発音練習、確認
・英会話練習は生徒同士でもできる
・Hello talkを使えば英語でメッセージ交換もできる
・有名人や繋がりたい人にメッセージを送れる(facebook/instagramなど)
・英語の簡単な本を用意できる(多分図書館にある)
・ニュース記事などの素材を用意できる

こんなアイデアを出してみると
子どもたちの中でもアイデアが膨らんでくるかもしれません。
グループワークでどんどんアイデアを出してもらいましょう。

この時点で、定期テストがある学校ではアイデアが大きく二つに分かれると思います。
「定期テストのための授業」と「それ以外の授業」です。

「定期テストのための授業」はできるだけクラスでアイデアをまとめ、
必要な知識は短い時間で一斉に教えられるシステムを作った方がいいかもしれません。

例えば
教科書の英文の和訳は全て事前に配布
ワークの解答も配布
文法説明は動画に撮って配信
などができるといいですね。(もちろん子どもたちが必要とすればですが)

④ラボ作りと学習計画作り

さて、最後のステップです。
個々人が考えた「こんな学びの時間にしたい」というアイデアを全員で共有し、
一緒に学びたいメンバーがいればグループを作ります。
もちろん個人で学ぶのもOKです。
これらのユニットをわかりやすくラボと呼びます。(ちょっとかっこいい)

各ラボに分かれたら学習計画を作ります。
と、言っても「何をいつまでに学びます!」といったものではなく
「先生に何をしてほしいか」の提案書です。

「こういう勉強の仕方をしたいんですが、先生こんなことできませんか?」
「こういう資料が欲しいんですがありませんか?」
といった具合に先生を使ってもらいます。

悲しいかな先生は1人の場合が多いと思いますので、
各ラボの計画書をもらった上で1学期の先生の予定表を立てます。笑
どのタイミングで先生を使うかをラボ同士で話し合い決めてもらいましょう。

そして、その学習計画表に沿って
日々の授業を実施していきます。

まとめ


ダーーっと書いてみましたが、いかがでしょう?
個人的には書き終えてみて不安な点もいくつか出てきました。

ですが、完璧に想像通りになんていくわけなく、
当たり前ですが、反発も批判も出るでしょう。
うまくいかないことの方が最初は多いかもしれません。

それでも、
自分で考えて学ぶ人を育む授業にするためには
僕自身も子どもたちから学ばせてもらいつつ、
こんなふうにトライし続けるしかないような気がしてます。

いつか自分が学校の先生に戻った時にやってみようと
だいぶ先の未来を想像しながらワクワクドキドキしている次第です。

もし、今回のこの授業案の中で
何か一欠片でも役に立てそうな点があったら、
ぜひ参考にしてみてください。
少しでもお役に立てることがこの上ない喜びです😊

また、改善案やコメントもいただけると嬉しいです!

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