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『だから僕たちは、組織を変えていける』が、僕たちに問いかけるもの

2021年11月、『だから僕たちは、組織を変えていける』という書籍が発売されました。

その本を手に取り、実際に読んで感じたのは、「これはただの組織論ではなく、とても重要な示唆を秘めているぞ…」ということ。

コロナ禍は続き、世の中の様々な価値観や前提が変化しています。組織やチームのあり方もその例外ではありません。だからこそ、これまでに起きている変化やこれから起きる変化を捉え、自らが実行していくために、この本をきっかけに考えてみました。

こんな記事も書いてます。宜しければどうぞ(一部有料です)



『だから僕たちは、組織を変えていける』とはどんな本なのか?

クロスメディア・パブリッシングから発行された、300ページ強の書籍です。著者はBBT大学でも教鞭を執り、社会人が経営学・イノベーションを学ぶ「hintゼミ」を立ち上げた”とんとん”こと斉藤徹さん。

組織を変える」ことを目的に、社会のパラダイムシフト、これからの組織のあり方、リーダーのあり方、チームを動かす原動力、組織を変えるための影響の輪の広げ方などについて触れられています。

経営学・社会学・心理学をベースに、よい組織・よいチームをつくるための知恵が詰まっています。

目次は以下の通り。

第1章 時代は変わった。組織はどうか? 〜僕たちの違和感は、どこから来るのだろう
第2章 これからの組織は、「統制」から「自走」へ 〜僕たちが目指す、理想の組織とリーダー
第3章 強がりの仮面を外そう 〜安全な対話で、関係の質を変える
第4章 チームを動かす、北極星を見つけよう 〜意味の共有で、思考の質を変える
第5章 アメとムチを捨て、好奇心を解き放とう 〜内発的な動機を創出し、行動の質を変える
第6章 たった一人から、影響の輪は広がる 〜だから僕たちは、組織を変えていける
巻末付録:これから組織を変えていこうとする君たちへ

(2022/10/26追記)本書の実践版となる『だから僕たちは、組織を変えていける ワークブック 』が2022/12/16に発売されることとなりました!(おめでとうございます!!)


ビジネス書YouTuberゆーじさんのWebサイトに、本書を18分間でサマリーした動画がありました。
まずはこちらを観てみると、ざっとイメージが掴めるでしょう。


ソフトバンクグループ M-SOLUTIONS 代表取締役社長 CEO 植草学さんのまとめ記事も、とても参考になりました!!


特設ページはこちら

書籍をサマリーした講演スライド、サマリーチャート、イラスト図表などはこちらからダウンロードができます(このあとのイラストも、引用させていただきました)。



ユニークな視点:新しい組織のかたち(理論)と、変革リーダーのためのガイド(実践)の統合

本書のなんといってもユニークなのは、組織に関する理論と実践が超ハイレベルで統合している点。

にもかかわらず、きわめて分かりやすい語り口と柔らかく優しいタッチのイラストで敷居を下げており、左脳派(分析・理性・科学)と右脳派(直感・感性・芸術)のどちらのタイプの人にも受け入れやすくなっています。

第1章がWhy、第2章がWhat、第3~6章がHow、として構成されており、まさに「Whyからはじめよ」を体現した内容です。

では、この本が僕たちに問いかけるものとはいったいどんなものなのでしょう。
ここからは、各章をサマリーしながら見ていきましょう。


第1章:時代は変わった。組織はどうか?

この章では、現代の組織を考える前提として、知識社会におけるマクロの時代背景に触れています。

特に注目したいのは、テクノロジーがもたらした3つのパラダイムシフト

  • ゲームのルールが変わった「デジタルシフト」(1995~)

  • 人々の関係性が変わった「ソーシャルシフト」(2008~)

  • 一人ひとりの生き方が変わった「ライフシフト」(2020~)

こうした社会のエクスポネンシャル(指数関数的)変化が、僕たちの組織に大きく影響を与えてきました。

価値を生む源泉が、効率性から創造性にシフトしていくと、それを実現する組織についても、「お金視点」から「幸せ視点」へとシフトしていくことになります。

P39図表より抜粋



第2章:これからの組織は、「統制」から「自走」へ

工業社会の組織モデルは「計画し、警戒し、統制する組織」でした。
一方、知識社会の組織モデルは「学習し、共感し、自走する組織」です。

ただ、現実の世界を見回してみると、知識社会へとシフトしたにもかかわらず、工業社会の組織モデルを引きずったままの企業が多いのです。これが、僕たちが組織に対して感じる違和感の根っこになっているのです。


では、新しいパラダイムに対応した組織とは、どんなものなのでしょう。第1章のパラダイムシフトと照らし合わせると、以下のようになります。

  • デジタルシフト:顧客の幸せを追求し、常に新しい価値を生み出す「学習する組織」

  • ソーシャルシフト:社会の幸せを追求し、持続可能な繁栄をわかちあう「共感する組織」

  • ライフシフト:社員の幸せを追求し、多様な人が自走して協働する「自走する組織」

P73図表より抜粋

ここで重要な考えが提示されます。それはシステム思考の研究者ダニエル・キム氏が提唱した「成功循環モデル」。
組織の循環を「関係の質」を高めるところからはじめよう、というもの。

P75図表より抜粋



第3章:強がりの仮面を外そう

関係の質」が大事なことは、多くの人が理解できます。でも実際にはどうすればよいのでしょう?

第3章では「心理的安全性」をキーワードに、リーダーが意識したい場づくりの段階について、メンバーの関係を高める「共感デザイン」とチームとして価値を生む「価値デザイン」に分けて説明されています。

  • 共感デザイン「ホールネス」「他者の尊重」「相互理解」のステップで信頼関係をつくり「コンフォートゾーン」に入る

  • 価値デザイン「パーパスの共有」「第三案の共創」「安心感の醸成」のステップで集団的知性を発揮して「ラーニングゾーン」に入る

P101図表より抜粋

この章には紙面の多くが割かれており、かつ実際に使える理論や知識がおおいのでぜひ書籍を読んでください。

心理的安全性の高い場をつくるためにリーダーができることには、大きく7つあります。それが組織学習の学者エイミー・エドモンソンが提唱したリーダーの行動。

P125図表より抜粋



第4章:チームを動かす、北極星を見つけよう

リーダーがいくら旗を振っても、メンバーに伝播していかなければチームは動きません。人の心を動かすものは何なのでしょう。

そのひとつの視点がサイモン・シネックの提唱した「ゴールデンサークル」です。人を動かすには北極星たる「WHYからはじめる」ということ。優れたリーダーとは情報と仕事を配る人ではなく、意味と希望を伝える人なのです。

P144図表より抜粋

もうひとつの視点。内発的動機付けの研究者であるエドワード・デシの「自己決定理論」では、動機づけには6段階あり、もっとも自律的な「内発的動機づけ」は、好奇心や関心、そこから生まれるやりがいや達成感など、自分自身の内なる欲求に起因すると語られています。

では、仕事の意味とは何でしょう。本書ではそれを「社会にとっての仕事の意味」と「個人にとっての仕事の意味」とに分けて説明しています。

社会にとっての仕事の意味を表す代表例が「ミッション・ビジョン・バリュー」。

P159図表より抜粋

個人にとっての仕事の意味を表す代表例は「ジョブ・キャリア・コーリング」や「マズローの欲求ピラミッド」などが考えやすいです。
あなたは、どの仕事観、どの段階で仕事をしているでしょうか?

P164図表より抜粋
P167図表より抜粋



第5章:アメとムチを捨て、好奇心を解き放とう

人を実際の行動に駆り立てるもの、「自走する組織」のエンジンとは、いったい何なのでしょう。第4章でも登場したエドワード・デシの自己決定理論が再登場します。人間の内発的動機づけにつながるのは、3つの心理的欲求だったというのです。

  • 自律性:自分で選択したい

  • 有能感:能力を発揮したい

  • 関係性:人々といい関係をもちたい

P201図表より抜粋


この章でも多くの理論や研究が提示されますが、個人的に注目したのは、ミハイ・チクセントミハイの研究した「フロー体験」、いわゆる無我夢中の状況をつくり出すための5条件です。

  1. 活動の目標が明確であること

  2. 機会と能力のバランスが良く、適切な難易度であること

  3. 目の前の課題に集中できる環境であること

  4. 対象への自己統制感があること

  5. 成果に対する迅速なフィードバックがあること



第6章:たった一人から、影響の輪は広がる

ここまでの内容を俯瞰した図表をまず見てみましょう。成功循環を支えるための考え方が体系化されています。

P255図表より抜粋

そのうえで、影響の輪を広げるための変革アクション7ステップが紹介されます。本書のハイライトとでもいうべき個所です。

  1. まず、あなたが一歩踏み出そう(インサイド・アウトで変革する)

  2. 自分のことを正しく認識しよう(自己認識力を高める)

  3. 影響が届くところからはじめよう(影響の輪を意識する)

  4. 小さな成功を育てていこう(価値を生むことへ集中する)

  5. 反対者の信頼を得る努力をしよう(真実性・論理性・共感性:信頼のトライアングルをつくる)

  6. 常にチームの希望でいよう(困難から学び、成長する)

  7. 共感を繋ぎ、影響の輪を広げよう(一期一会の気持ちで、対話を広げる)



組織を変えようと行動してはじめて、組織は変わる。だから…

「だから、実際にやってみよう」これが、僕が本書から感じたことの中核です。

時代のせいにするのではなく、組織のせいにするのではなく、誰かのせいにするのではなく、あなた自身が当事者としてチャレンジするんだよ、と。

実は、これには理由があります。

僕は、書籍の著者でもある”とんとん”こと斉藤徹さんの運営する「hintゼミ」に、4期生のイノベーションクラス(新規事業創造の学びと実践のクラス)として参加しました。2020年4月のことです。

ところが開講直前にコロナ禍による緊急事態宣言があり、リアル参加だったはずのゼミはフルオンラインを余儀なくされました。

運営がもたつき、チーム学習がうまく進まない現状をみて、とんとんに相談(クレーム?)を入れようと連絡したのです。するととんとんはじっくりと僕の話を聴き、そのうえでこんな趣旨のことを言いました。

あなたの言うことはもっともで、申し訳ないと思う。このゼミをもっとよくしたい。社会人が垣根なく、低コストで、かつ最高の学びの体験を得られる場をつくり、それを広げていきたい。そのためにも力を貸してくれないか。

いま思えば、それが運命のカギを回してくれた一言になりました。

僕は5期以降、ゼミのボランティア運営メンバー「ティールズ」に入り、イノベーションクラスの伴走ファシリテーターやメンター、各種イベントの企画運営を行ってきました。

正直いってとっても大変でしたが、それ以上に没入できるフロー体験でもあり、おかげで自然とゼミを通したかけがえのない仲間が増えていきました。仲間とのたくさんのジョイント企画が同時多発的に生まれていきました。

僕自身にライフシフトが起こったのです。
…ほとんどの人とはリアルで会っていないのにもかかわらず。

P34図表より抜粋

とんとんは、知識だけではなく、想いをもった人が集まり、ついついやりたくなってしまう場をつくっていくことでした。

たくさんのことを学び実践し気づかせてもらったうえで、2021年12月現在はティールズをひと休みしています。自分の所属するいくつかの組織で、よりよいチームをつくり、想いをもった人を集め、ついつい新規事業をやりたくなってしまう場をつくるために

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いかがだったでしょうか?
この記事を通して興味を持っていただいた方は、ぜひ『だから僕たちは、組織を変えていける』を実際に手に取ってお読みください。そして一緒に実践していきましょう!

また、より実践的に学びを深めてみたいという人は、斉藤さんの運営しているhintゼミを覗いてみてもよいかもしれません(この宣伝をしても、僕には一銭も入りません笑)。

2020年に出版された斉藤徹さんの『業界破壊企業』についてもnote記事を書きました。たくさんの気づきがあるので、よろしければお読みください!


最後に、hintという出会いをくれた斉藤徹さん、hintで出会ったかけがえのない仲間のみなさん、記事をまとめるなかで非常に多くの気づきを頂くことができました。あらためて御礼申し上げます。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


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