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【レイワの育成・特別講座②】~人材育成計画を完成せよ~

人事部の人材育成担当者に送る
「レイワの育成・特別講座②」~育成・研修担当者のイロハ~

特別講座②他階層の育成計画を考え、全体の人材育成計画を完成せよ!

ホッソン(細野和彦):株式会社ログシー育成支援事業部 統括、㈱ハブプロダクト 代表。大企業からベンチャー企業まで様々な人事に対してコンサルを行うスペシャリスト。研修講師の育成もおこなっている。

ミヤ(宮野由香里):ベンチャー企業の人事。中途採用しか担当してこなかったのに、来期の人材育成計画書の作成を任され、途方にくれている。

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ミヤ:前回いただいた課題、「1年目の新入社員を1年間育てるために他の階層には何の指導をしていかなければいけないのか?」という考えに基づいて、他の階層の研修も入れ込んでみました!
他の階層がいままでどんな研修をしていたのか、あんまりきちんと理解していなかったので、新人以外の研修担当にも協力してもらい自分なりに作成しました!

ホッソン:ありがとうございます!では、これを確認する前に宮野さんにひとつ質問ですー。

ミヤ:???なんですか??

ホッソン:宮野さんが新入社員を育成するにあたって、上司に期待することってどんな事になりますかねー?

ミヤ:期待することですか?うーん、やはり新入社員を適切に導いて欲しいって事ですかね。
新入社員にやる気をださせて、意欲的に仕事を学んでもらうように導いたり、新入社員に対して敷居を低くして、積極的に話しかけてあげたりとか…そんな感じの事を期待しています。

ホッソン:なるほど、今の話を聞くと、新入社員にとってしゃべりやすく雰囲気をよくして欲しいってことですかねー。

ミヤ:そうですねー。新入社員にとって、会社の雰囲気が悪いと、すぐに辞めちゃいそうで・・・(^^; だから、まず雰囲気をよくして、その上でやる気をもって仕事に挑んでいくような人材に育てて欲しい、という感じです。

ホッソン:それは、面白い切り口ですねー(^_^)

ミヤ:えっ!?ダメですか・・・????オロ(;゚Д゚)ノ

ホッソン:いやいや、むしろ現代においては宮野さんのような考え方の方がすごく大切なんです!
人材を育てるキーワードは「教育」と「育成」なんですが、上司に期待することを「教育」に重点をおいている会社が結構多いのです。
「教育」というのは、ぶっちゃけ「あーしろ、こーしろ」とある答えに基づいて、教え込んでいくということなのですが、現代は何が正解かがあまり明解ではないのです。
正確な答えが上司にもわからない、だから上から「教育」していくことではなく、ともに成長していこうという「育成」の方を重点においている会社の方が、新入社員にとって「居心地がいい」会社でそういうスタンスの人事がいる会社は社員もすごくやりやすいと思いますよ。

ミヤ:やったー!ヽ(´∀`*)ノ 嬉しいですー!ありがとうございます!

ホッソン:(笑)じゃ、それに基づいて作った他階層を含む育成計画を確認しましょう!

◆他階層を含む人材育成計画

全体育成計画①

ミヤ:簡単に説明すると…
2年目~4年目ぐらいの中堅社員には、まずは新入社員の相談相手になってほしいと思い、「メンター研修(新入社員の気持ちに寄り添うために大事な事)」を入れています。

リーダー格の社員においては、うちはOJTに重点をおいている会社なので、そういった事を学べるように「部下指導研修(OJTの進め方・面談方法)」を入れて、相談よりも一歩上の段階のものを学んでほしいと思っています。

また、管理職やリーダー格には「面談・実戦編」を入れています。理論だけではなく、実際に模擬面談等を行っていただき、面談に慣れていただくのと面談での聞き方や気を付けることを肌で感じてもらうようにしたいと考えています。

その他、上司には「新入社員世代を理解してもらう研修」や「チームビルディング研修」、中堅社員には「エンゲージメント研修」など必要かなと思う研修を詰め込みました!

ホッソン:詰め込み感はかなりありますが…(^^; いい感じに設計できていると思いますよ!
特に「面談・実戦編」はいいと思います!
先日、ある会社さんから、まさに「面談の仕方」がわからないという悩みを打ち明けられました。
部下との面談という制度を育成計画に組み込んで、その重要性もわかっているけれど「やり方」がわからない・・・と。
部下育成も仕事の一環として評価項目に入れ込むといった改革を進めているのですが、「やり方」がわからず頓挫してしまっているみたいです。

だから、宮野さんが作成した育成計画のように、新入社員を育てていくために面談の理論だけではなく「トレーニング」を入れていき、やり方を理解してもらい、育成の歩みを止めないようにする、非常にいい組み合わせなのではと思います!

ミヤ:ありがとうございます!私自身が「面談のやり方」に迷いがあったので、他の人もそうなのかなと思って入れてみたのですが、よかったですー
(*´▽`*)

ホッソン:あと、気になる点といえば、やはり詰め込み感ですね・・・。ですので、これをたたき台にして、その年の重点テーマを決めていけばいいと思います!
例えば、重点テーマを「定着率を10%あげるために」として、この研修を全部やるのかやらないのか?現場からのリクエスト、ボードメンバー(幹部)からのリクエストはないか?と考えていくとおのずと絶対に組み込まなくてはいけない研修がわかってくると思います!
どんな重点テーマにするかは、社長や役員の方と決めてみてください。

ミャ:そうですね…。研修がありすぎると社員の負担が多いですしね。予算もありますし・・・。
重点テーマを相談してみます!

ホッソン:お願いします!
それでは最後に宮野さんがこういう思いで研修を設計していかなくてはいけないという心構えをお伝えします!

ミヤ:はい!

ホッソン:ずばりそれは「ワクワク感」です!

ミヤ:ワクワク感・・・?

ホッソン:研修ってほとんどの社員が「面白くない」「ためにならない」「時間の無駄」とネガティブイメージなんですよ。一生懸命、育成計画をつくったのに、悲しいですよね。

ミヤ:本当にそうですね…。悲しい事にそうです。(-_-)

ホッソン:だからこそ!「研修って楽しい!」「研修が役に立ったな!」「研修って成長できるんだ!」と、このマインドにするために人事がどう社員に発信していくのかがとても大切なんです。

その時「ワクワク感」が成功の鍵となるのです!

古い話になりますが、僕は学生の時に仲間と一緒に起業して、20歳そこそこで22歳とか年上の人に対して研修を行うという事を行っていたのです。
社会人として働いたこともなかったのに、なんで会社の人事が研修をお願いしてくれたのか、と聞いたら人事の方にこう言われました。

「君たちは若いから勢いがあるし、研修をとっても楽しそうに提案してくれた。同じ話をしてくれるのなら、君らみたいに楽しそうに講義してくれる会社にお願いした方が何かすごい科学反応を起こしてくれるような気がするので、ワクワクする!」

と言ってもらえたんです。

結果としては、当時の新入社員にも自分たちより年下が研修講師というので、かなり興味をもってもらえ、それぞれの個性を活かした研修が大好評になり、毎年研修をお願いしてもらえるようになりました。

今、振り返ってみてもこれが研修を設計する本質だなと思っています!

人事がワクワクするような研修を設計して、そのワクワク感が伝わるような研修告知を社員に向けて行うのです!
例えば、同じマナー研修でも、面白そうと思ってもらえるようなタイトルにするとか、講師のパーソナルな部分を事前に確認して、「チョコレートが好き」とか「犬より猫が好き」とかそういったものをプロフィールに入れ込み、そこからも興味をもってもらうようにするとか、あの手この手で社員に研修のワクワク感を伝えていってください!

そうすることにより、社員全員が積極的に楽しみながら研修に取り組んでもらうこととなり、そうして初めて育成計画が「活きる」ことになるのです!

ぜひ、研修設計において「ワクワク感」を大切にすること最後に忘れないでください!

ミヤ:はい!自分がワクワクする研修を設計する、とてもためになりました!それを指針に研修の内容や講師を選んでいくようにします。
なんか、そう思ったら研修設計も楽しくなってきました!

ホッソン:その調子です!ぜひ社員の皆様に研修をとおして「学ぶことの楽しさ」や「成長することの喜び」を伝えてあげてください。

ミヤ:わかりました!
これで、育成計画のつくり方も終わりですね…。よく考えてみたら、毎回新しい気づきがあり、成長ができて楽しかったです。
こういった研修ができるように頑張りますね。
今まで本当にありがとうございました。また、何かあったらまた相談しても大丈夫ですか・・・?

ホッソン:もちろん!いつでも、どうぞー( ^^)

ミヤ:ありがとうございます!!(#^.^#)

他階層を含む人材育成計画(修正版)
~重点テーマ「社内全体にしゃべりやすい雰囲気をつくり、定着率を昨年よりもあげる。」に定め、ワクワク感が持てる研修をタイトルを追加~

全体育成計画②

~「レイワの育成」おしまい~

◆シリーズ一覧◆
【レイワの育成①】い、育成計画作れって言われました( ;∀;)
【レイワの育成②】OJTとOFFJTって、何の略??いきなりわからん( 一一)
【レイワの育成③#1】社内で行う研修と、社外に依頼する研修の違いって?? ~社内で実施した方がいい研修編~
【レイワの育成③#2】社内で行う研修と、社外に依頼する研修の違いって?? ~社外講師に依頼した方がいい研修編~
【レイワの育成④】モチベーションとリアリティーショック
【レイワの育成⑤】定着と育成
【レイワの育成⑥】面談とコーチングの重要性
【レイワの育成⑦】指示の受け方と報連相の仕方
【レイワの育成⑧】ビジョンとルール

◆レイワの育成・特別講座◆
特別講座①
1年間の新入社員育成計画を作成せよ!
特別講座②
他階層の育成計画を考え、全体の人材育成計画を完成せよ!←いまここ

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