「聞かれていること」を答えてる?
なんだかこの人との会話、しっくりこないなというときは、
お互いの会話が噛み合っていないとき。
それは、どちらかが、もしくは双方が
「聞かれていること」に答えられていないことき。
それが、すごく単純なことであったとしても。
ちょっと無理のある例え話をすると…
質問者:「1たす1」と「3たす2」はどっちが多いと思う?
答える人:「3たす2」の方が多いんじゃないかな?1+1=2、3+2=5だから。」
というやりとりは、しっくりくると思います。
それが、
質問者:「1たす1」と「3たす2」はどっちが多いと思う?
答える人:「ある日クマさんが森の中でどんぐりをひろって売りに行こうとしたんだけど、それがいくつあるのか数えられなかったら困るよね。だから、算数は大事だと思うんだよね。」
というやりとりになると、どうでしょう?
質問者も、もしかしたら、
最終的には算数の大事さにつなげたかったのかもしれません。
でも、今、質問者が聞きたかったのは
「1たす1」と「3たす2」のどっちが多いとあなたは思うか?
ということなのです。
このような、なんとなく噛み合ってない会話は、
その会話の重要度が低ければスルーされがちですが、
意外と多いものです。
その原因を見ていくと、
質問者側が、何を聞きたいのかうまく伝えられていない場合
答える側が、何を聞かれているのかわかっていない場合
答える側が、聞かれていることはわかっているのだけど
説明しようとするうちに伝えるべき軸を見失って残念な会話になる場合
それらが混在している場合
が考えられます。
今日は、ある人がパーソナルトレーングを受けに来たとき、
どんなことから始めるのかをことを書いてみたいと思います。
「なんだかうまく会話できない」
「誤解されることも多い。」
「せっかく話ができても、残念な会話になってしまう。」
というお悩みをお持ちの方。
まず、その人が答える側になる場合を想定して、
何を聞かれているのかわかっていない状態なのか、
聞かれていることはわかっているのだけど、説明しようとするうちに伝えるべき軸を見失って残念な会話になっている状態なのかを探ります。
普段の会話、最近覚えているやりとり、うまく伝えられなかったことなどを
思い出して話してもらったり、私の質問に答えてもらったりします。
「相手が言っていることが理解できない」とう状態の時
→(相手が何を聞きたいのか理解するトレーニングから始めましょう)
「相手が言っていることはわかるが、その答えがわからない」という状態の時
→(答えがわからないということでもうまう伝えられるようにトレーニングしましょう)
「答えはわかるが、どう答えて良いかわからない」という状態の時
→(もっと伝わる伝え方をトレーニングしましょう)
となります。
人によっては、「話す」ことよりも「書く」ことを先にやってもらう場合もあります。
「書く」ことで、
何を聞かれているのか、わかっているのかいないのか、
聞かれていることはわかっているけど、うまく答えられないのか、
が明らかになって来ます。
そして、自分でも客観的にそれに気づくことができます。
話し方の基本の基本。
伝えるテクニックを磨こうとする前に、
聞かれていることに対してきちんと答えるトレーニングをすること。
それは、「話し方」だけではなく、「書く力」の向上にもなります。
受験や就職のための志望動機も、小論文も
「聞かれていること」が何かを理解し
それにきちんと答えることを練習するだけでずっと評価の良い文章になります。
ありとあらゆるエントリーシート、助成金や補助金の申請、
何を問われていて何を答えなければいけないのか、
すごく簡単に思えるそのことができていないとすれば、
ただそれだけでチャンスを逃してしまいます。
聞かれていることに答える。
それは、「話す」にしても「書く」にしても、
コミュニケーション力アップのトレーニング、基本の「キ」だと思うのです。
書いてみたこと、発信してみたこと、 それが少しでもどこかで誰かの「なにか」になるならばありがたい限りです。