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【私の仕事】 忘備録(15)キャビテーション「空洞現象」

【私の仕事】 忘備録(14)横須賀米軍担当営業マン からのつづきです。


◆この記事の内容:

新入社員の頃、横須賀米軍へクレーム処理に行った事を書いています。

空洞現象

故障の原因の説明し始めたが、「理解してもらえない。」。

不具合が発生した原因は、キャビテーション(Cavitation)。キャビテーションとは、液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象である。「空洞現象」とも呼ばれる。

当方の製品がキャビテーションを起こしたために、液体の放出量が極端に落ちた。顧客はここをクレームしてきたのだ。で、当然ながら、米軍の車両担当官は、ではなぜキャビテーションを起こしたのかを説明してくれと強く要求する。これも当然だ。

それを説明しようとすると、不具合が発生した製品に接続されている別の製品の内部構造を説明しなければならない。

しかし、その製品の部分は他社製であり、その製品知識を僕は持っていない。と言い訳したいところだが、米軍の担当官はそう簡単には許してくれない。結局、勉強不足で製品知識が乏しいのである。英語の単語能力以前の問題だ。

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         (例)キャビテーションにより壊食した水車

とにかく、持ち帰って48時間以内に原因調査報告書を提出するよう言われ、それを承諾した。


女性エステサロンの痩身器具

現在の仕事で女性エステサロンの広告動画を制作することがよくある。このとき、よく聞く言葉も「キャビテーション」。圧力を液体にかけると現れる気泡の発生と消滅のこと。

この気泡が弾けて消滅する衝撃を利用して脂肪に働きかけるよう開発されたマシンを使用する施術が、痩身エステの「キャビテーション」 。だから、今も、この「キャビテーション」という言葉はよく耳にする。

実際は、取引先の中国人のエステのオーナーさんの発音は、少し違う、「チャビテーション」だ。皆、そう言う。なんとなくかわいい。でも、身体がオイルでぴちゃぴちゃになっている姿を想像してしまう。痩身器具としてキャビテーション装置を使うとき、滑りやすくするためにオイルを腹部に塗るのだ。

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さて、原因調査報告を提出することを約束したので、身柄は解放してくれた。帰りに、駅まで別の担当官が見送ってくれた。その上司のようである。驚いたのは、日系アメリカ人だ。日本人なのに米軍。


アメリカ陸軍442連隊

このような人たちは、もし日本と戦争になったら、どん気持ちになるのだろう。ちっと違うが、ドキュメンタリー映画「アメリカ陸軍442連隊」を思い出す。アメリカ陸軍442連隊は、第二次世界大戦時に日系二世で編成された部隊。アメリカ軍史上、最も多くの勲章を受けた部隊として有名。

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東京支社の先輩

日系の車両整備担当官は、話すのを途中から日本語に切り替えてくれた。最初からそうして欲しい。

自分が、営業マンなのに製品知識不足だ。と痛感しているところに、さらに追い打ちをかけるように、自分が思っていることを言われた。

落ち込んでいる自分の表情が、担当官に言い過ぎたと思わせたのか、「若いから、これから1つ1つ勉強だよ。」のようなことを英語で言われた。米軍に着く前、新幹線中ではこの件が完了したら、横浜の中華街を見学して帰ろうと思っていたが、そんな気にならなくなっていた。

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すると、東京支社の先輩からタイミングよく携帯へ電話がかかってきた。でも、なぜ今、この仕事が終わったのが先輩はわかったのだろう、どこかで見ていた?

そんなことはない。僕が本社にいる上司に報告したからだ。「終わったんだろ、とにかく東京支社まで来いよ。乗り換える電車分かる?面倒だったらタクシ―使っていいよ。こっちの経費でするから。」と言われた。

自分としては、すぐに新幹線で大阪へ帰って、自宅に帰りたい気分。



【私の仕事】 忘備録(16)東京の先輩 へつづく。。。



*このnoteで書いてある記事はすべて実話です。「忘備録」として自分のために書いています。

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よい子の皆さまは読まないでくださいね。